表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界だらだら旅  作者: トマト
9/36

とある少女と死霊

「私!探してくる!」


副生徒会長の由紀が言う


「いやいやもう死んでるって」


クラスメイトの一人が諭す


「死んでるかもしれないなら見つけてあげなきゃ!!」


ユキちゃんが部屋から出ていこうとする。

今日は転生してから2週間。もうすぐ高橋くんがいなくなってから一週間になる。


私は水谷美咲(みずたにみさき)

背が低く、転生する前からあらゆる面でスペックが低い、モブ中のモブだ。


なので普段であれば問題が起こっても見ているだけだが、今は親友(由紀)が危険区域に赴こうとしているのだ。

黙ってみている訳にはいかない。


「ねえユキちゃん。今から行こうとしてる死者の森って場所、すごく危険なんでしょ?私達が行っても死んじゃうかもしれないし、騎士団の人たちに任せたほうが...」


私が言う。

しかしユキちゃんはこちらを睨む。


「高橋くんはそんな危険なところにいるんだよ?!もし生きてたらどうするの?!」


クラスのみんなが黙り込む。


すると、凛々しい声が響く。


「鈴木。気持ちはわかるが水谷の言う通りだ。仮に中津を保護できたとして、俺たちがここに戻って来れなければ意味がない。僕たちでは戦力不足なんだよ」


クラスの中心と言うべき存在、渡辺大輝が言う。


「大体、原因は高橋が勝手に脱走したことにあるんだ。僕たちが命をかけてまで尻拭いをする必要はない」


大輝くんがそう言うと、クラスのみんなも同意する


「そうだよ。俺たちには関係ないんだから。」


「そもそもなんであんな雑魚勇者のこと気にかけなきゃいけねぇんだよ」


私はユキちゃんの方を向き直り、言う。


「そうだよ。高橋くんのために危険なことをするなんて...」

「あなた達は高橋くんを見捨てるのね」


ユキちゃんが氷のような声色で言う。

クラスが静まる。


「私もう一人で行く。」


ユキちゃんが部屋から出ていく。


もう引き止める子はいなかった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


...を獲得しました】


スキル〖自己再生〗をーーーーー】ーーーー







それは森の中を歩いていた。



それはふと、自分が空腹であることに気付いた


眼の前には餌がある。


それは、餌に食らいつく。


「う”ばあ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”」


餌が断末派をあげる。


腹を満たし、それは更に歩みを進める。


ふと、小さな餌が目に入った。


それは餌を掴むと、口へと運んだ。



これは

なんだか...

甘いーーー


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


(高橋隼人)は駆け出しの草原にいた。


あれっ!俺死ななかったっけ!?

夢!?タイムリープ!!?


とりあえず自分に鑑定を...


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


名称:***


Lv:31/100

種族:レイス・グール

状態:死亡


HP:179

MP:254


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



あっ。全然死んでたわ。


しかも何?レイスグール?

もしかしてだけど俺ってモンスターになってたりする?


【レイス・グール】

【内蔵している魔力が高く、極めて損傷の激しい死体から発生するモンスター】

【グールの身体能力と、レイスの魔法力を兼ね備えた魔物】


ほへえ。

グールとレイスのハイブリットみたいな感じか。



なんか、思ったより違和感ないな。

まあ元々変える場所もなかったわけだし、人間もモンスターも変わらないか。


ゾンビに殺されたからこんなのになったのかな?


今は、人間ではなくなったことよりも、あのクラスメイト殺害衝動にかられてた状態のことが気になるんだけど...


まあクラスメイトはムカつくけど、正直わざわざ殺しに行くほどでもないし。

いやまあ見かけたら殺しちゃうかもしれないけど。


あとなんかあのきっしょいゾンビを食べた記憶があるんだけど。

いや気のせいだよね?そうだよね?


なんかレベルに上限みたいなの追加されちゃったし。名前なくなってるし。なにこれ?なんかの罰?



人間からモンスターになると、疑問が尽きないな。

大体これ人間に見つかったら殺されるんじゃないかな?



はぁ...モンスターになっちゃったけど、異世界旅、できるんだろうか?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ