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異世界だらだら旅  作者: トマト
7/36

捕縛

「何してんのかと思ったらもやしじゃーん」


嫌な声が響く。檻の中の子達に喋らないよう伝える。

俺は檻の前から立ち上がると、そいつを睨みつける。


俺が今一番会いたくないクラスメイトの優一がそこにいた。


優一を鑑定してみる。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


名称:サスガ・ユウイチ


種族:人間


Lv:1


適性:強化、剣


HP:140


MP:98


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


安志よろしくのチートステータスであるが、まだレベルが低い。

適性から見るに自身を強化して近接戦闘を行なうタイプなのだろう。


だが、こちらが炎弾(ファイアボール)を撃ちまくれば勝てるかもしれない。


なぜこんなところに来たのかは知らないが、敵対したときのために距離を取っておこう。


「なんでこんなところにいるんだ?」

俺が聞くと、優一が言う。

「は?それはお前が先に言えよ。」


そうだった。こいつはそういうやつだ。

俺が答える。


「寝るところを探しに。お前は?」


俺が言うと、優一は一瞬ぽかんとしてああーとうなずいた。

そして、答える。


「いや、城での訓練とかだるかったから逃げてきた。」


そうだったこいつはそういう(ry


いや、ということはこいつは騎士団の...及び王国の意思によってここまで着たわけではない?


ここのことを話せば、うまく行けばだが優一が見方につくかもしれない。こんなやつと一緒に旅をするのは嫌だが、騎士団から逃れるために戦力は必要だ。


「なあ優一。お前騎士団とかなんかおかしいと思わないか?」


俺が言う

すると優一は恍けた顔で言う


「別に?」


そうだったこいつは(ry


仕方がないので最初から説明しようとする。


「あのな、俺たちはこの国に戦力として使い潰される予定なんだよ。」


優一が、驚いて固まる。


「いやでもあいつら助けてくれたし、」

「そうやって信用させようとさせてるんだよ」


優一がまた固まる


「でもよ?」

「じゃあ見るか?この檻の中、弱い異世界人たちが奴隷にされてるんだぞ?」


優一が言葉に詰まる


よし、あとひと押しだ


俺が布を取る。

そこには



「ワンッ!」



ワンちゃんがいた


「はっ!何だよ。どうせ逃げた言い訳でもするつもりだったんだろうけどさ」


……………………?


何故?


そこで後ろから声がした。


「ユウイチくん。勝手に出ていくな。」


騎士団だ。



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【ルトガー·フライド】


Lv:76


HP:1048


MP:941


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



まず勝てない。

ここはなにか手をうたないと…


「いやこいつが街中に見えたんで追ってきたんだよ」


こいつ俺を追ってきてたのか…

いや、ただ言い訳しただけかもしれないが


まぁ今はどうでもいい。


よく見るとワンちゃんたちが仄かに光っている。

騎士団長が魔法を使ったのかもしれない。


もしそうなら、こいつは俺が何を見たか知っていることになる。いやほぼ確定で知っているだろうが。


「ああ、確か君は、モヤシくんじゃないか。」 


………………くっ!

いや、多分騎士団長に悪気はないんだ。


「腹も減っているだろう。とりあえず城に来るといい」


いや、でもこの状況で城に向かうのは自殺行為…

話も強引に進められてるし…


「あの、俺は…」

「【スリープ】」


あっちょっ…




………脳みそが働かない。

最後に、悲痛な犬の鳴き声を聞いた気がした。





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



意識が覚醒する。


俺は鉄格子の中にいた


眼の前に騎士団長がいたので、どういうことか聞いてみる。


「あの…これはどういう…」


「ああ…おはよう」


「あの、なんで俺はこんなところに?」


騎士団長がニコニコしながら答える。


「私達はね、使命を無視して逃げ出した勇者を何もせずに返すわけには行かないと思うんだよ」


まぁそうですけど…


「だからね、この中で使命の大切さを知って、それを破ったことを反省してほしいんだよ」


「だから、君には」


君には?


「7日間この中で過ごしてもらう」


えっと、この檻の中で?


でも、7日間だけならなんとか…










なんて思っていた時期が私にもありました



ドカッ!

ガタッ!


体に衝撃が走る


「おいおい、こんなんも耐えられないん?」

「流石は雑魚勇者だわー」


俺は鉄格子に入ってから、優一を始めとした集団に絡まれていた。殴る蹴るの暴行を受けているわけだから、絡むとは言わないのかもしれないが。


今を俺をリンチにしているのは、一村剛(いちむらつよし)金子修かねこおさむ山城哲也(やましろてつや)の三人だ。


「ぐはっ…」


と、横腹に激痛が響く。

当たりどころが悪かったらしい


「ゲホッゲホッ…」


俺が咳き込むと、取り巻きの一人が声を上げる。


「あのさ、ちょっとやりすぎじゃ?このままやったら死ぬかもしれないし、」


俺を殴っていた内の一人、金子修(かねこおさむ)が言う。


「ぁ゙〜?よく聞こえねぇんだけど?」


剛が俺を蹴るのを止め、修の方を向く。


「いや、あの、このまま死んじゃたら俺たち騎士団長に怒られちゃうかなって。」


修が必死に言い訳する


すると剛は俺の方を向き、思いっきり蹴り上げた。


「大丈夫!人間これくらいじゃじゃ死なねぇからよ!」






あと6日、6日耐えれば…!



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