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異世界だらだら旅  作者: トマト
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武器とネズミ狩りと新スキル

俺は草原でネズミを狩っていた。

こうなった経緯を説明しよう。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



倉庫から出た俺が向かったのは、武器屋だった。

いやぁ何売ってるのかな?


なぜ真っ先に武器屋によったか?答えは簡単。武器屋以外に寄るところがなかったからだ。


宿屋や、あるのかわからないが冒険者ギルドなんかに行けば、もちろん記録が残るわけだ。

あの騎士団長らが俺のことを探しているかもしれない今は、むやみに記録を残したりしない方がいい。

武器屋も記録は残るは残るが、宿と違って足取りを追うようなことはできないはずだ。


せっかくファンタジーの世界に来たのに戦いに利用されるだけなんてたまったもんじゃない。


というわけで俺は武器屋に来た。


「らっしゃい!!」


武器屋のおっさ...おっちゃんが声をあげる。


「何をお求めかな?」


あ、ガキは帰りなとか言わないんだ。まあこの年齢の冒険者も、異世界では珍しくないだろうしな。


「えーと、解体にも使える長剣とかありませんか?」


「そいつは少し値が張るな。粗悪品でも700Gくらいか?」


おっちゃんが言う。予算大幅オーバーしてますね。

まあダメ元だったしいいか。


「では、解体用の短剣と...」


店内を一瞥する。()()()


「アイスピックをください」


おっさ...おっちゃ...店長が首をかしげる。


あ。アイスピックわかんないか。


「アイスピックというのは、専門業者から大きな塊で供給されている氷を、使用に適当なサイズに加工するために必要な道具で...」


「いや、アイスピックはわかるんだ。ただ何にそんなもん使うのかと思ってな。」

店長が言う


「お金がないので武器代わりにと思いまして。」

「お前死ぬぞ」










ぴぇっ!

ッッしし死ぬ?


流石にそんな。

...いや、ここは異世界だ。守ってくれる警察もいなければ拳銃もない。

俺の認識が甘かったのかもしれない。


アイスピックなら安くて武器にもなるからいいと思ったんだけどな。安易だったか。


俺が息を飲むのを見て、店長が言う。

「とはいえお前が行くのは駆け出しの草原辺りだろう?」


「?」


「...駆け出しの草原はわかるよな?」


「?」


「ハァ...」


店長が呆れたように言う。

どうやら、ここはロドウレ大島国(だいとうこく)とか言う国らしい。


島だったの?いや、どちらかといえば大陸?


ここはその東側に位置するコニヨという街らしい。ちなみ王都のすぐとなりだ。


この街は草原に囲まれているのだが、魔素が薄いため生息する魔物も弱い。ここの駆け出し冒険者の多くが集まるため、駆け出しの草原と呼ばれているらしい。


「とりあえず、鉄の長剣300Gに負けとくから」


あ!優しい!

これなら解体用の短剣も合わせて500Gに収まりそうだ。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


というわけで、俺は駆け出しの草原でネズミ狩りをしている。鼠というかカーバンクルという魔物らしい。違いと言っても額に石が付いているくらいだが。

これをゴーストシールドで近づいて後ろから剣でザクッとやる。

ちなみに三回に一回くらい失敗する。


鑑定してみたが、【カーバンクル】としか出てこなかった。やっぱりレベルが低i...

【〖鑑定〗のレベルが1から2に上がりました。】


うわっ!びっくりした!急に話しかけないで!


でもレベル上がったのか。よし、あそこのカーバンクルで試してみよう!


【カーバンクル】

【魔物】


......っつ!!!!!


いやまて!抑えろ自分!鑑定っていうのは元々骨董品なんかの価値を見定める技能だ!きっと無生物に使ったらいろいろ出てくるに違いない!


ザクッ!


よし。魔物も仕留めたし木にでも鑑定をsh...

【経験値50を得ました】

【レベルが3から4に上がりました】

【固有スキル〖ファイアバリア〗Lv1を得ました】


うぎゃ!びっくりした。もう全く仕様がないんだから!


というか何?新スキル?見た感じゴーストバリアの同じっぽいけど。


【ファイアバリア】

【炎に耐性を持つ結界。また、触れた者に火傷を与える。】


ほへ〜今度使ってみるか。


その後も俺は鼠狩りを続けた。

途中でゴブリンに出会ったので、用心して結界を3つ同時に展開しながら戦ったのだが、あっさりと勝つことができた。


いや〜人形のモンスターを殺すのってなんか不思議な気持ちだわ。何故か抵抗はなかったけど。あれかな、ゴブリンがお互いの腰布奪い合って遊んでたからかな。


そうしていると、遠くに禍々しい森が見えた。途中までは草原なのに、途中から急に木が生え始めて森になっている。葉は茂っているが、日光を遮って森を余計に不気味にみせている。


店長が言っていた【死者の森】とやらだ。

不気味だとは聞いていたが、本当におどろおどろしいな。


森の闇がまるで生きているかのようにうごめいている。


うごめいて...


走って来て...









あれっ?!なんかこっち来てね!?

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