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異世界だらだら旅  作者: トマト
31/36

魔物

「うにゃ〜」


「私の腕の見せどころですね!」


メラとミケが張り切っている。

うむうむ。良いことだ。


初依頼から一ヶ月ほど経ったころ。


俺たちは、この前約束した単独での依頼を行っていた。


というのも、今まではジモンさんと一緒に依頼をこなしていたせいで、なかなかソロ依頼をする機会がなかったのだ。


約束通りミケとメラも連れてきている。


「あれですよね!山に行くんですよね!!」


メラがワクワクしながら聞く。

クソガキかと思ったが意外と可愛いところが在るじゃないか。


歳はそこまで変わらないが。


「お前ら先に言っててもいいぞ?」


「なに言ってるんですか!あなたがいなくなったら、私達死んじゃいますよ!!」


「いやミケがいるだろ」


俺が言う。

ミケは戦闘力じゃ俺と変わらんからな。


「ミケちゃんは戦うのが嫌いなんです!!」


「はいはい俺はどうせ戦闘狂ですよ〜」


あれは俺の性格じゃなくてスキルのせいなんだがな…



そんな時、遠くから汚い歓声が聞こえた。


「?どうかしましたか?」


「なんか冒険者がお祭りでもしてんのかな?」


メラには聞こえなかったらしい。これがステータスの差か。いや魔物だからか?


「にゃにゃ!!」


そんなことを考えていると、ミケが短く鳴いて駆け出す。


「おい!!ちょっと待てって!!」


「なにかあるんですよ!!ついていきましょう!」


そう言ってメラも走り出す。


ちょっと待ちなさい!!


俺も駆け出す。


秒でメラを抜かしたので、捕まえてから脇に抱えて運ぶ。


「や…やめてください!」


「離す?」


「そういうことじゃありません!」


メラをおちょくる。

普段の仕返しをする数少ないチャンスだからな。


と、そんな事を考えていると、おっさん達が馬車に群がっているのが見えた。


どうやら盗賊らしい。


ミケは、木の陰に隠れて様子を伺っていた。


「あいつらか…」


俺はミケの所にメラを置き、盗賊の方へ向かおうとする。


「んじゃ制圧してくるな」


「あ…わ…私達も行けます!!」


「にゃっ!」 


ええ…一人でいこうと思ったのに…


まぁいいか。


そう思い、歩みを進める。


「ぁ゙!?なんだおめーら!!??」


盗賊の一人が話しかけてくる。


面倒くさいな。

さっさと終わらせてしまおう。


俺はそいつを手刀で気絶させようとする。


スッ…


手刀が振り下ろされ…








バシュッ!!!








盗賊の首が飛ぶ。


「えっ?」

「えっ?」

「えっ?」

「えっ?」


俺を含め、周りにいた者達が驚きの声を上げる。


「な…なんで…」


メラの声が聞こえる。


これは…


これはーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー







【ーーーーーーが】

ーーーしーー

【ーーにー〖マーキングLv1〗が付与されました】



「ーーークさん!!マルクさん!!」


メラの声が聞こえる。


マルクは…俺が使った偽名だったっけ。


「メラ!!!」


意識が浮上する。


目を開けると、体中に傷のあるメラがいた。


「メラ…」


「み…ミケちゃん!!戻りました!!!」


メラが、後ろにいたミケに呼びかける。


その瞬間、メラが俺により掛かるようにして倒れる。


戻るとはどういうことだ?

というか酷い怪我だ。何か治療しなければ死んでしまうかもしれない。


「メラ!!とりあえず横になって…」


そう言おうとしたところで、自身の手が血まみれなことに気づく。


まさかと思い周りを見ると、盗賊たちの死体の山と、血まみれの馬車があった。


これは…経験がある。

確か逆鱗を使ったときと同じだ。


だが、なぜここで、急に発動したのか…


とにかく、メラを回復しなければ。


くそ…


ミケも回復魔法は使えない。

他の人は殺し尽くしてしまった。


ああ…どうしよう…


俺では回復できないのだろうか。


俺は頭の中で何度も回復を念じる。


治れ治れ治れ…


【〖回復(ヒール)Lv1〗を獲得しました】


「【回復(ヒール)】!!」


覚えたそばから魔法を使う。


「【回復(ヒール)】【回復(ヒール)】【回復(ヒール)】!!」


1発1発の効果は薄いが、少しずつ出血が少なくなっていき、最初よりはだいぶマシになった。

だが、血の跡や傷口が痛々しい。


「マルクさん…」


「大丈夫か!!」


怪我はないかと聞こうとして、見ればわかるなと思い至る。


そして…今の状態について聞いてみる。


「なぁ…こんな直後で申し訳ないんだが、俺はどうなってた?」


俺がメラに問う。


メラはゆっくりと話し出す。


「初めてマルクさんにあった日、騎士団と戦ってるときに似てた」


やはり、逆鱗だろうか…

だが怒ってもいないのになぜ発動したのだろう。


「何か、心当たりは?」


「…昔、書物で、魔物は人間に対して強い攻撃性があると読んだことがあります。マルクさんは例外なのかもと思っていたけど、もしかしたらしばらく殺人を行っていなかった反動だったのかもしれないです」


ずっと感じていた引っかかりが取れたような気がする。


あれだ。俺が魔物になった時、確か人を殺すことしか考えられなかったあの状態だ。

あのときは確かカーバンクルの魔石のお陰で正気を取り戻したのだった。


なぜあんなもので正気に戻れたのかは分からないが。



そういえば、ここ一ヶ月、人を殺していなかった。



「つまり、適度に人を殺さなければいけないと?」


「私の仮説が正しければ、そうなります」



だが、なぜ俺はメラを攻撃しなかったのだろうか。


カーバンクルの時もそうだったが、もしかしたら、人間としての思い出に、モンスターの本能が塗りつぶされているのかもしれない。


だが…


「完全に抑えきることは出来ない…」


このまま行けば、俺はいつかメラを殺してしまうだろう。


正直誰が死のうが知ったことではないが、仲間が傷つくというのはどうしても堪える。


「大丈夫ですか?」


「自分の心配をしろよ…」




俺の中で、人間には関わらない…モンスターとして生きるという選択肢が生まれた瞬間だった。



書くのサボってたらあっという間にストックが無くなってしまいました…

現在は、とりあえず一日1話更新していますが、設定や展開が行き当たりばったりになってしまっていたら申し訳ありません。


いつか、物語全体の修正とかするかもです。

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