ポルーテッドジュエリースコーピオ
「許さん…」
俺はクソサソリに嫉妬の炎を二発撃ち込む。
蠍は尻尾こちらへを突き出し、炎を迎撃する。
嫉妬の炎がかき消され、蠍の攻撃に当たりそうになる。
「くっ…」
前方に嫉妬の炎を撃ち込み、反動で攻撃を回避する。
が、僅かに洋服に掠る。
今ので少し冷静になれたかもしれない。
勢いで戦ってしまったが、蠍は格上の敵だ。
正直勝てるか怪しい。
まぁ引くつもりはないが。
何としてでもにここで潰していく。
「【レイスフィールド】」
レイスフィールド………
ゴーストバリアの進化スキルだ。
効果範囲が広がった他、既存の影が薄くなる効果に加え、身体強化の能力が付与されるようになった。
ゴーストバリア同様、持続的にMPを消費するが。
「ギジャァァアアアアアアァ!!!!!」
蠍がハサミを振り回しながら突っ込んてくる。
俺は嫉妬の炎を放ち、煙幕代わりにして後ろに回り込む。
「このっ!ゴミがァァァ!!!」
手を【死者の牙】で変形させて、蠍の背中を斬りつける。
ガキィン!!
が、
鈍い音がなったかと思うと同時に、俺の手に鈍い衝撃が走る。
爪が折れたのだ。
「硬…」
これじゃダメージが...
すると、蠍の口に魔力が集まっていくのを感じた。
すぐにその場から離れる。
ドシャャアアアアアアアアアアンン!!!
純白の光線が放たれ、俺がいた場所が抉り飛ばされる。
「ガハッ...!!」
口から血が吹き出る。
体を見てみると、右腕が吹き飛ばされていた。
なんだ?どういうことだ?
蠍の固有スキルにビームを撃つ効果のものなんてなかったはずだ。
あのビームが通常スキルだとも考えにくい。
俺が知る限り、通常スキルとは努力によって手に入れることができる技能のことだ。
努力でビームが手に入るなんて考えにくい。
いや、頑張れば手に入るものなのか?
「美枝!!ビームって頑張れば打てるようになるのか?!!」
「??何を言っているんですか?!?!...って後ろ!!!!」
後ろを振り向く。
すると目の前には巨大なハサミがあった。
とっさに腕でガードするが、大きく吹き飛ばされる。
メキャ!!!
受けた腕が嫌な音を立てて折れる。
駄目だ、あまりにも地力が違いすぎる。
腕を【自己再生】で直しながら戻ろうとする。
しかしふと、ビームで吹き飛ばされた方の腕の治癒が遅いことに気づく。
「どういうことだ?」
気の所為ではない。
明らかに左腕の傷の治りが遅い。
なんでだ?毒はアンデッドだから聞かないはずだ。
死霊の弱点...光属性とか?
そういえば蠍が食った宝石も光属性のやつだったような。
ということはもしや...
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【宝石変換】
【捕食した宝石を魔力に変換する】
【威力は宝石によって上下する】
【また、強力な魔石の場合は属性や内包された魔力がそのまま適応される】
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やっぱりこのスキルが悪さしてたな。
...だから何なんだ?
いや情報はわかったけどさ。
進展がないというか。
「ギシャアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」
蠍がこちらに肉薄する。
「くそっ!!」
後ろに飛んで避けるが、胸元が大きく切られる。
再び蠍の口元に魔力が集まる。
「ギシャッ!!!」
「あっ!!!!危ない!!!」
光線が発射される。
まずい!空中では避けることが...
体に衝撃が走る。
?
あれ?サソリビームってこんな弱かったっけ。
目を開けると、腕を突き出した姿勢の美枝がいた。
「大丈夫ですか?!」
木の影から美枝が言う。
どうやら彼女が魔法で俺を吹き飛ばし、サソリビームの射線からそらしてくれたらしい。
「ああ、助かった」
だが、蠍にダメージが通った訳では無い。
このままではどうせ死んでしまう。
第一あのビームを捌けるようになったところで、こちらには蠍にダメージを与える術はないのだ。
クソ、逃げるか?
駄目だ、このままでは美枝が犠牲になってしまう。
はあ...
ただ気まぐれで助けただけなのに、かなり情が湧いてしまったらしい。
俺は蠍に向けて嫉妬の炎を連打する。
が、やはり効かない。
今の俺では、傷ひとつ与えることができないのだ。
「あの、私は自分で戻れますから、マスクさんが逃げて...」
「黙ってろ」
蠍がいる時点で、周辺のモンスターの危険度はかなり高いと思われる。
これのせいで美枝を逃がすことができない。
だが、これはチャンスでもある。
蠍の方へ向き直る。
「お前にはでかい貸しがあるんだ」
いくつもある蠍の目を睨む。
「悪いが負けるわけには行かないぜ?」
かくなる上は...
俺は蠍の目の前から飛びのくと、森に向かって走り出す。
「えっ!!!えええええええええええええええ!!!!!!」
「ギシャアアア!!」
蠍が俺を追いかける。
「ちょっと!!マスクさああああん!!逃げないでくださいいいいい!!」
後ろから美枝の泣きそうな声が響く。
だが逃げたわけではない。
ちらりと後ろを振り向く。
蠍が猛スピードでこちらへ迫る。
よし、ついてきているな。
俺は近づきすぎず、かといって離れすぎないように距離を取る。
再び視線を前に向け、あれをさがす。
と、早速見つかった。
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【ボア】
危険度:D
【草原や森などに生息する魔物】
【全身の殆どが筋肉であるため、噛みごたえがあって非常に美味】
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確かに、今の俺では蠍に傷ひとつ与えることができない。
ならば、レベルを上げて強くなればいい!!
小学生でも思いつくよね!!!
タイトル変えるの忘れてました…




