表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
輪廻転生アホの子義輝ちゃん  作者: デンセン
ようこそ狂喜の異世界へ
1/17

起き抜けのゴッチン

『雨乞いフィーバータイム2.14の始まりじゃあぁぁ!』

「はっ」


 強烈なジジイの声に意識が覚醒した。

 ここはどこ?俺は誰だ?何時だ?どうなった?一気に脳内に考えが浮かんでパニックになる。

 あまりにも混乱に勢いよく上半身を起き上げた。


 ゴチンッ!


「くうぅ、」


 額にもの凄い衝撃と痛みが走った。

 あ、ちょっとシャレになってない。目の中で星がチカチカと弾けている。


「うのおおぅぅぅっ!」


 そのまま意識が遠のきかけたのだが自分とは違う声の叫びが聞こえてきてギリギリ繋ぎとめた。

 額を抑えながら声の方向を見るとぼろい着物を着た白髪の女性が額を抑えて転げまわっている。どうやら額の痛みは彼女とぶつけたせいらしい。


「良い着物を着ていたから貰ってやろうと思うたらこの仕打ちかっ!余は何しても悪いこと起きるのかぁ!」


 俺が急に起きたから彼女に怪我をさせたかもしれないから謝罪しようと思ったけどどうも追いはぎしようとしてたみたいで、スンと頭が冷静になった。


「あー俺何でこんな所にいるんだ?」


 周囲を見渡すと一面木だけかしない。

 おかしいさっきまで・・・さっきまで何してた?あれ?俺って誰?う~ん思い出せん。


「余頑張れっ!久しぶりに人に産まれたんじゃ。木の実や生肉じゃなくて焼いたり煮込んだものを食べるまでは今回は死んでも死にきれんっ」


 あっちの彼女もなかなか変な事になっているみたいだな。まだ額を抑えて動けないみたいだしこっちはこっちで思い出そう。


 あ~何かが足りん。そうだタバコタバコ、あれ?なんで俺着物着てるの?一度も着たことないんだがな。内ポケットを探そうとしたからスーツ着ていた仕事をしていたのか?


「だいたい五回前のときにようやく倒した鳥を倒して焼いて食おうとした瞬間にジュッじゃぞっ!そんなにも仏は余が嫌いかっ」


 あっちの言っていることは面白そうだな。こっちは思い出せないのに。

 体のどこを触ってもタバコの気配がない。クソッ更に吸いたくなるじゃねえか。


「そういえば鳥じゃったときは気持ち良く飛んでたら何か飛んできてグシャじゃもんな~。己の死ぬ音を覚えておるのは嫌なもんじゃ」


 あ、落ちこんだ。体育座りの状態で横になって地面の土をほじり始めたぞ。

 もう記憶どうかよりこの子を見ている方が面白いな。


「あれ?余この世界で碌な死に方してないんじゃないのか?いや、そんなことないぞっ、獣の時だけひど・・・人のときのほうが酷いの~、だって最初は荒縄で簀巻きにされて城壁から降ろされてジュッじゃったもんな。余の輪廻あれから酷いのぉ~」


 凄いよこの子。何もしていないのに存在が煤けていくよ。


「「あ」」


 やべえ目が合った。思わず逸らす。


「今余と目があったじゃろ」

「気のせいです」


 こんな頭がおかしくてしかも俺を追いはぎしようとしていた不審者だ。瞳孔開いて目が怖いしさっさとどこかに逃げよう。記憶はそれからだ。


「いーや絶対に目が合った」


 ゆらりと立ち上がりレスリングのような構えを取る女。


「おい乳が着物からこぼれそうだぞ」

「余の最初の生は男じゃーっ!」


 レスリングの構えから跳躍してきたぞなんて無駄な動きだ。


『釣り合う二人はバカップル』から派生した作品です。あっちは少しまともでこちらは常におかしい物語です。

『釣り合う二人はバカップル』https://ncode.syosetu.com/n2608hs/

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ