シンデレラなんていてもいいことない
かの有名な童話をご存知だろうか。
「シンデレラ」
心優しく美しい少女が継母とその連れ子姉たちにいじめられ、使用人のように仕事をさせられ舞踏会へ参加できないようにされたが魔法使いによって舞踏会へと参加し王子にみそめられるという人生逆転ストーリーだ。
現代日本では庶民が御曹司のイケメンと結婚できるイメージでもある。しかし、普通に考えてあり得ないと大人になって知る。そもそもシンデレラは美人で生まれは王子の舞踏会へ参加できる貴族、もしくは裕福な商人の出なのだ。継母のせいで没落したとは言えある程度身分がある設定なのだ。
つまり浮浪児というわけでもなく、奴隷でとなく、病気で苦労したりしている訳でもない。その時代の人間の労働環境を考えればシンデレラは良い方なのだ。そして、最後はハッピーエンド。
そんな人間何人いるかどうか。いや、いない。と。気付くのだ。そもそも結婚したとしても上手くいくはずがないのだ。
王子の周りにいただろう貴族の少女たちにとって邪魔な存在でしかないからだ。女の子たちは親、一族の期待を背負ってマナー、礼儀作法、人間関係の掌握、美貌の維持などを小さな時から頑張っていたのだ。そこに美貌以外に取り柄のない少女が一夜にして王子妃になったらどうか政治的バランスは崩れるだろうし、今までの努力はなんだったのか腹立たしいだろう。となればなったとしてもいじめられ、政治の面ではなめられ、美貌も衰え王子に飽きられ上手くいかない可能性もある。シンデレラにとって最善の策はほどほどの裕福なイケメンに見染められることだ。王子より結婚した時より安定した生活が得られるだろう。私がシンデレラであればそうする。
なぜこんなに「シンデレラ」の話しをするかと言えば私は「シンデレラ」のような世界に転生してしまったからだ。