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テーマ詩集:だれか

a few good men

作者: 歌川 詩季

 私は、善人ではないです。

 不当な利得と妥当な役得の

 どっちつかずを(ふところ)に納めて

 くちやかましい道徳には デス・メタルの子守歌を

 非難を避けたきゃ無難なセンでいけ

 どっちみちなら皿まで喰おうぜ

 事件の当日も 枕を高くして眠る


 うしろめたさで振り向けば

 透明な視線にも 悪意のニュアンスを読み取った


 渡り歩いた世間はまるで鬼ヶ島

 血肉を(すす)る毎日に嫌気がさしたら

 光明で照らしてよ (わず)かでも善人は()



 感情込めずに勘定求めるな

 そっちのけして人情を語ろう

 なんかやましい良識(モラル)ぶった オタメゴカシ毒づいてろ

 批判を浴びては湖畔の隠れ家へ

 そっちのケならおれにはないけど

 秘密の密会も 人目を(はばか)りもせず


 うしろ暗さで(うつむ)けば

 素通りの一(べつ)に 殺意の切れ端を感じ取る


 親しき仲では無礼講だと のたまうか

 屍肉を(あさ)る食卓に味気を求めて

 ぼやきでも()らしなよ 何処(どこ)にでも悪人は()

 どちらかといえば、悪人なのでしょう。


 いや、べつに大それたことはしてませんけど。

 社会善を成せなければ、社会悪と断じられるのも。

 社会学的には、正しくさえあるとは思います。


 学問上ですがね。

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― 新着の感想 ―
[良い点] まさか、このような短編の誌で、これだけ、心情を表現できているとは、感激です。 [気になる点] 無 [一言] 今朝、見ていたら「逆お気に入り」に、貴殿が入っていました。腰を抜かしました。貴殿…
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