3 奏多と私
なんだかんだで、私達は高校3年生。将来の進路に向かって進んだり、立ち止まったりしている。
なぜなら、奏多が母国へ帰ってしまうから。
「結愛、帰ろうぜ!」
「うん」
「結愛はさ、高校卒業したら働くんだったよな? 就職先は決まったのか?」
「まだ……かな。親がさ、ちょっとね。
揉めちゃってね」
「……俺と来る……」
運悪く、エンジン音がうるさい車が通り過ぎ、奏多の声が聞こえなかった。
「さっきの車うるさかったね。
奏多、さっき何か言ってなかった?」
「言ってないよ……」
私達はいつものように帰宅。
私は親にイジメのことを何度も何度も説明や助けを求めたが、信じてもらえなかった。
親だけでなく弟と妹にも信じてもらえず、家にいても孤独で部屋に引きこもるの繰り返し。
家族は私のことを見えていないものと認識し、私抜きの家族旅行の計画を『私の前で』していた。
私の家族は……こんなものだ。私はいつだって空気扱いだ。
そんな毎日を繰り返し、卒業の1ヶ月前に。奏多に告白をされ返事はまだしていない。
そんな状態の関係なのに、奏多からLINEがあり「家で話がしたいから来てほしい」と言われ、断る理由もないし好きな人のお誘いを断る女の子はいないよ。
なので、今は奏多の家に上がりこんでいる私は、奏多の御両親に挨拶をした。
「奏多が言っていた通りの可愛い彼女さんね」
「こんにちは。いつも奏多がお世話になっています。どうぞ中へ入って下さい」
「あ、……初めまして。桃山結愛と申します。
あの、皆様で食べて下さい」
「まあまあ、結愛ちゃんありがとう」
「結愛、こっちだ」
和気あいあいな凄く良い家族。愛情たっぷりで暮らしているのが分かる。
理想の家族像だよ。
俯いた私に、ご両親から一緒にアメリカに来ないか? と誘われたのだ。ようは、結婚前提のお付き合いを……ということだ。
どうやら私の家庭や家族、学園でのことを奏多がご両親に話してしまったらしく。今に至ってる。
そして奏多の発言が……私を突き動かした!
「結愛以外の女はいらない! 結愛と結婚出来ないなら一生独身でいい!!」
とまで言われたら真剣に考えるよ。それに、こんなに温かくて優しい家族は見たことがなかったから。この温かい家族の中に入れるなら入りたい。そんな思いからか、出した返事は……。
「……アメリカへ行く事は、少し考えさせて下さい。
私……奏多君が好きです。大好きだからアメリカの事は真剣に考えて返事をします。
こんな私ですが、宜しくお願い致します」
「良かったわ。良い返事を待っているわ。私ね娘が欲しかったのよ……でも婦人系の病気で……。
今は元気なのよ!」
「俺の娘になるんなら……娘は嫁にやらんって言ってみたかったな。奏多で試してみるか。
おい奏多、娘さんと結婚させて下さいと言ってみろ」
「なんで俺が……はぁ。
娘さんと結婚させて下さい!」
「お前に可愛い娘はやらん! 帰れ!!
おい、塩をまいておけ!
……くぅーー! 爽快だな!」
奏多は溜め息を吐いてるけど楽しそう。おじさんは夢が叶った的な? おばさんは「くすくす」笑ってて、凄く安心出来る家庭。
でも私は笑うしか出来なかった。
「…………あはは……」
「面白かった!」
「続きが気になる!」
「早く読みたい!」
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