第3話 薬vs雷
前まくあいより、薬屋の方の参戦です
私は薬剤師です
良薬から苦い薬、狂薬凶薬各種揃えております
ちょっとした組織に携わっていまして
投薬実験なんかもさせてもらってます
決して表に出ることなんてそうそうないんです
ないんですって…
なので頭にポップな喋り声が聞こえてきた時はそれはそれは驚きました
とうとう二重人格の薬が成功したのか…と
どうやら違うようですが
喋りかけてきたのは
魔法少女オフィシャルマスコットという存在なようです
名前長いですね
最近意識が飛ぶのは自作の薬ではなくコイツのせいらしいです、頭に寄生しないでください、自滅しますよ?
そんなこんなで私は魔法少女というのに任命されまして、相手方の魔法少女と殺し合いをしているわけです
わけ分かりませんね?
あぁ、申し遅れました
わたくし、シロと申します
組織のカラーネームからお届けします
◇
本日戦闘中なのは雷を纏う少女
黒いドレスはゴスロリと言うやつでしょうか、可愛らしい
頭にお団子乗っけて更にツインテールとなっている姿は本当に可愛らしい
是非とも投薬してみたい
私の戦闘法的にするんですけど
ただ雷の魔法の相当な使い手でよく分からない原理で宙を浮いてます
魔法半分、謎半分ですかね
雷のフィールドにそこかしこに雷の球
ちょうつよいこのようじょ…
…確か名前はミスラと名乗ってましたね、不思議です、聞いたことあるのに思い出せません
組織の上司がそれっぽい名前なんですけど、うーん、確信は持てない
雷の魔法は私の対魔法の白衣を時折貫通してくるので厄介です
どういう原理か知りませんがマホウ魔法してる魔法と物理な魔法してる魔法があるんです
物理な魔法は対魔法貫通するんですよ
あ、何言ってるか理解がめんどくさい方はスルーで結構です、本編に影響ないですし
とりあえず雷の魔法は私に効くってことで
私は別時空の異世界の物、結構すきなんです
え?どうでもいいって?そりゃ失礼
◇
雷というのは魔法の中で二番目に速い魔法です
一瞬先を見ることの出来る未来視の薬をキメてますが避けきれません
体が追いつかないのです
ピシャンッ
走り始めた私は体を仰け反らせて目の前に落ちた雷を避けます
直撃しても相当痛いだけでしにはしません
痛いのは嫌ですが
続いて二本目、三本目も来ることが見えたので、わたたっ…と後ろにバックステップ、ギリギリで避けます
余波で少し痺れますが
クロさんなら華麗なバックステップを決めるんでしょうね…
あぁ、失礼、なんでもないです
「逃げてばっかだね」
金髪ゴスロリお団子ツインテールさんが宙を浮きながら私に迫ってきます
それズルいです、降りてきてください、投薬しずらいんです
足のように何本も伸びる細い雷はそれらが体を支えているように奇妙な動きをしています
私の薬は様々ですが
戦闘に使えるのは皮膚からゆっくりと侵食するタイプ、呼吸に紛れるもの、極小サイズの針
ですね、少ないです、厳しいです
針は…吹き矢は目立って無理ですし、くっつくタイプは雷に撃ち落とされます、されました
手数だけは多いですが、数打ちゃ当たるという訳でもなく…
「ほい」
キィんッ
「くぅ…」
突如として二の腕を雷が突き抜けました、撃ち抜かれました、痛いです
「…これ、どうやった?」
チラリとドレスをめくるミスラ
あらわになる太ももは青色に変色し始めている
「…」
あぁ、良かった効いてます
皮膚は目立つところだと魔力を合わせられて侵食が失敗するんです
感覚麻痺の薬です
行き過ぎてるので毒とも言いますが
あくまで薬です
「…全身に回るやつか、やるね」
ニッと笑うミスラ
地面に降りて片手をあげる
シロは何発か薬を打ち込むがミスラから発せられた衝撃波に撃ち落とされてしまう
「魔法少女!フォームチェンジ!」
ミスラの全身がひかりに包まれる
ちょっとしたポーズを決める度にリボンやらドレスが浮かび上がる
ひかりが弾けた時、白いゴシックドレスに身を包んだミスラが現れる、髪の団子のところにはリボンがされ
胸のところにも大きな黄色のリボンが可愛らしく目立つ
手にはこの世界においてタクトと呼ばれる魔法の杖、短い杖だが手元にはリボンが装飾されている
「んー、羽も欲しかったなぁ
…雷の魔法少女っミスラ!けーんざん!
…参上?降臨?…あ」
ビシャァアンッッ
唐突にミスラに太い雷が落ちる
その雷はうっすらとピンク色でミスラを中心に先程の雷を上塗りしていく
「ふふん!降臨!」
ドヤ顔で決めポーズまでするミスラ
ノリノリだが見ているのはシロだけであり、そのシロも自信で出現させた、モコモコした青い物体に身を隠していた
「普段が黒いからフォームチェンジで白くなるのは自明の理、かわいい」
そんなことを呟きながら青い物体に隠れているシロに歩いて近づく
タクト……ステッキをブンブン振り回す度にミスラの背後からピンクの雷が風のように青い物体を襲う
「ひやぁぁぁあ…」
「ほらほらー、毒も治ったからそっちも変身しなよー」
バチィッ、バチィッと雑にシロを追い詰める
ミスラの白いゴシックドレスは先程より短くなっており太ももが見えている、その足に先程までの変色した部分はない
「…投薬実験を始めます」
青い物体からバッと立ち上がったシロがミスラを見据えて叫ぶ
その瞬間にシロの白衣が空に舞い翻る
黒い光の柱に包まれ、柱が消えると黒衣にいかにもなメガネをかけたシロが現れた
「…これではシロではなくクロですね、クロさんの名前借りましょうか…?」
パチンっ
シロが指を鳴らすとミスラの周りにいくつもの穴が出現する
そして直ぐに針と液体の見える容器のくっついた物、注射が襲いかかる
「わととっ!?」
バックステップで大量の注射を避けるミスラ
「…何いまの」
地面に落ちた注射は割れて中身がぶちまけられる
「私も詳しくないですが…まぁお薬でしょう」
シロがそう言いながら片手に注射を用意して、走り出した
「えぇえ!?戦闘スタイル変わりすぎじゃ!?」
ステッキを降って何本もの雷を落とすがシロは次々と回避していく
間近に迫った二人はミスラのステッキとシロの注射で鍔迫り合いとなった
「…ちなみにそれの中身は?」
「即死です(ハート)」
「ひうぁ…」
軽く言葉を交わすと注射器にヒビが入る
割れると同時に二人はバックステップで距離をとる
「なんじゃそりゃ…」
「打ち込めば私が勝つんです、マジカル投薬です」
「マジカルつければなんでもいいわけじゃないからね?……ほい、マジカルサンダー」
ミスラに雷が落ちて膜のようにミスラを包む
それらはまるで意志を持つようにシロに襲いかかり始める
「名前に似合わないのはそっちもじゃないですか」
赤い液体を首元に打ち込むシロ
絵面がやばい
蛇のような雷を跳躍、ステップなどを交えながらダンスのように避けてミスラに近づくシロ
「やっぱり!戦闘スタイル違うって!」
更に雷の蛇が伸びるがシロは全て回避していく
「ふふー、マジカルバーサークですよ」
目の前まで近づき注射器を振りかぶるシロ
「こっわ!!」
バチィッ
ミスラから束になった雷がシロに襲いかかる
間近での一撃にシロは回避することが出来ずにモロに受ける
振りかぶったままに焦げた姿のシロが光が収まったところから現れる
「……やった?」
ガリ
シロの口元から音がして振りかぶった注射器がミスラに刺さる
「いたい!」
振り払ってシロのお腹に蹴りを入れるミスラ
「ぐう…」
受けた体制のまま後ろにずれるシロ
そして伸びた左手がミスラの足を掴んだ
「ヒィッ」
「先程の雷で中身がなかったようです、命拾いしましたね」
右手にはいつの間にか用意されていた新しい注射器
「マジカルそくし〜」
抑揚のない喋り方でミスラに注射器が振り下ろされる
「テヤッ」
バチィッとミスラが光の塊、雷となって後方に移動する
一瞬雷となったミスラはその姿を直ぐに元に戻す
「コイツ怖すぎ…」
肩で息をしながらシロを睨むミスラ
「…刺されば楽になれましたよ?」
コテンと首を傾げるシロ、半笑いである
「魔法少女ってのを勉強してきなさい!私も途中だけど!
…マジカルプリティーサンダーぁ!」
ステッキで星を宙に描くとその星を回し蹴りするミスラ
蹴られた瞬間に光が視界を包んだ
「うわっ……」
光に包まれていくシロ
光は放射状に広範囲を襲い
光が収まったとき、その跡は地面のえぐれた土地となっていた
「……まほーの力で悪をげきたい!きらーんっ」
冷や汗をかきながら決めポーズをするミスラ
火力は想定外だったようだ
◇
「…最悪な夢を見ました」
三度目の薬の魔法少女としての夢
見覚えのある土地を液体の薬で満たした一回目のときに元の土地は何事も無かったので夢と決めつけてますが…
「…口に仕込んだ回復薬と痛覚麻酔薬がなくなってますね」
今回の夢で初めて回復薬を使いましたが…
夢…ですよね?
「失礼、シロはいるか?」
施設の部屋に入ってきたのは…ボス
「…ボス、どうしましたか?」
私より背の低いボス
黄色の髪をお団子とツインテールで括っているのが深く被っているフードからでも分かる
あら、なにか見覚えがありますね
「…いや、顔を出しただけだ、最近オーダーメイドも受け付けてると報告してただろう、無理してないかと思ったから」
「…大丈夫です、量産ラインもお陰様で安定し始めましたし」
「そうか、…あぁ、夢の世界に入る手がかりかそれに準ずる何かを集めといてくれ
…近いうちに計画を立ち上げる予定だ」
「分かりました、命令のままに」
…なにか悪い夢を見ていた気がしますが
忘れてしまいました
ボスは何をするのでしょうか
楽しみですね
◇
薬の魔法少女
シロ
同作者別作品主人公ですが名前はずっとこれです
そちらでは機械世界と魔法世界の絡み始めが大筋なのでシロの趣味はインスタント紅茶やら音楽やらとなってます
属する組織は普通に悪の組織です、ミスラの部下です、前回の幕間の流れから出すことが決まりましたが相手はダイスで決めました、まさか上司が当たるとはね?
皮膚から侵食するタイプの薬
全身の魔力感覚を乱したり脱力感を与えたりと致命傷は与えれないが汎用性が高い
進行もゆっくりなので決まってたらラッキー程度
人はそれを毒という
吸うタイプの薬
煙幕とかに普通に織り交ぜてくる、呼吸の際に取り込ませる
幻覚やら眠気やらで動きを鈍くするが今回は雷で晴らされた…という描写を書き忘れたことに今気づく
メインの薬ではある
なお
人はそれを毒という
極小サイズの針系な薬
針がスポイトのようになってるのを想像していただければ
吹き矢とか指で弾いたりとかで肌に触れれば即投薬っ
ウニのような針ボールもある
魔法の技術があればこんな感じの極小サイズもできるだろうと
メイン武器
まぁ
人はそれを毒という
注射器…マジカル注射器
魔法少女の際の目立つメイン武器
手のひら大
あからさまな物、加えて薬と言えば感
マジカル投薬(物理)
マジカル即死(心肺停止)
マジカルバーサーク(単純に狂薬)
マジカル着いときゃいいだろ感はシロの性格より
痛覚麻酔薬
回復薬
一番薬らしいもの…というか薬、口裏に仕込んでいた
つまるところ
薬という名の毒である
ちなみに毒キャラいるので(性格ではなく能力が)会えるといいね?
雷の魔法少女
ミスラ
雷の街の偉い少女、権力者
雷は魔法の雷と物理な雷がある設定
魔力からひねり出す雷と
フーロ他、機械が生み出す雷は別物
住み分けの都合とも言う
作中浮いてたのは電磁浮遊で…だけど作者そこまで詳しくないから魔法ってスゲーって事で、調べたけど小説に落とし込めるほどの理解は出来なかったし
ミスラの魔法少女は外付けの強化装備の感覚、もとよりゴスロリなので変身するのに躊躇いはない
そういう意味では強い
変身、魔法少女化は体内魔力構成が変わるので毒がリセットされた(別人的な)
…この設定だと状態異常全部治るな…どうするか
まぁおいおいかその場のノリで
ステッキ
魔法少女、魔法使いご用達の武器
どんな装飾でも許されると思ってる
ミスラは元の設定が五指(十指)から雷出せるから本数減ってるよね
雷の蛇
独立して迫ってくる雷、強い
マジカルサンダー
雷攻撃、もはや唱えてない
マジカルプリティーサンダー
その場のノリ
魔法少女なので威力補正したら最大値引いた、圧倒的オーバーキル
魔法少女vs魔法少女
続投キャラの流用ばかりなので設定上結構知り合いの確率が高い
ご都合主義な感じで記憶にモヤをかけてます
シロの場合
上司のミスラは忘れてますがパートナーのクロは覚えている、この際ミスラのことだけ忘れるご都合主義
ズレた世界から戻ってこれば思い出す、今回は雷の魔法少女と戦ったという認識で個人は認識できない
そのため雷の魔法少女=ミスラが成り立たない
設定過多だな?