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第5話〜再教育〜

「それで?これはどういうことだ。」


俺の周りには、この国の騎士団が集結している。それも精鋭部隊を集めたというわけでなく、まさに全部隊だ。と言っても、神聖国には、武力は多くは存在しない。神聖騎士団が存在するだけだ。それも数は1000人とちょっとしかいない。それも、精鋭揃いなのかと思ったら、隊長以外は、まともな奴はいない。確かにこのレベルなら、奴らに負ける理由に納得がいく。

そもそも、どうしてこいつ等が俺の前にいるのかというと、1時間前…

「沖田殿。少しよろしいか。」


初戦闘が終わった翌日、俺が朝の教練の為に訓練場で刀を振るっていると背後からは声をかけられた。この気配とこの声は…


「騎士団長殿か?」


「ああ。流石だな。声と気配だけで判断できるとは。うちの連中にも、見習ってほしいものだ。」


しっかり目を合わせたのは初めてだか、この人デカいな。なんていうのかな。ゴリマッチョっていうのかな。一番近いのは、ボディビルダーかな。気配だけだが、結構な実力だ。あ!そうだ。こういう時に創造魔法で作りゃいいのか。

「え〜と…俺のレベルが、50?おお!HPとかも見れるんだ。MPだけおかしいことになってんだが。」


沖田総司 20歳 lev.50

称号:転移者 ルシス王国の守護神 

HP:5千

MP:100万

スキル:①全斬魄刀/鬼道使用可能

    ②六式

③毒物無効化

④マーケット

⑤全属性魔法耐性

⑥全属性魔法適性

    ⑦創造魔法


…守護神?いつそんなことになった?アイツら俺を称賛してたときに誰かか言いやがったのか。面倒くさそうな称号つけやがって。確実に面倒事に巻き込まれる可能性大じゃねぇか。


それで?騎士団長はと…


アリエス 30歳 公爵家次男 lev.80

称号:ルシス王国近衛騎士団長

HP:8000

MP:2000

スキル:豪腕

   ⇒一時的な驚異的な肉体強化。巨人の騎士と

    同等の筋力を得るものの、効果切れ後に

    ひどい筋肉痛に襲われる

   

   ラヴァ・フロウ

   ⇒剣に灼熱の炎をまとわせる魔法。付与魔法。

    効果が切れるまで、その炎は消えることは

    ない。また、その剣で生み出した斬撃は、

    溶岩流を生み出すこともできる。


結構ヤバめなスキル持ちの人だった。俺より強いし。俺も人のこといえないが。先の戦闘でできた肉塊は、結局俺は片付けに参加しなかった。俺は、戦闘よりその光景に吐きそうだった。その時の俺を支えてくれていたのは、この人だった。


「それは、酷というものでしょう。アリエス殿。

彼らは、今まで厳しい環境下で戦闘を行ってきたのでしょう?そんなことに気を回す余裕もなかったのでしょう。」


「沖田殿。どうして、私の名前を知っているのですか?お伝えした覚えはないのですが。」


「これは、申し訳ない。何分気になってしまいましてね。鑑定魔法で見せていただきました。素晴らしいスキルをお持ちのようだ。ラヴァ・フロウでしたか。」


「鑑定魔法!?流石はソアネ様の騎士殿。お見逸れいたしました。」


「それで、アリエス殿。なにか用事があったのではないか?」


俺の言葉に感心していた騎士団長だったが、俺への用事を思い出すと膝を付き私に頼み込んできた。


「沖田殿!どうか我ら騎士団にご教授願いませんか。ソアネ様から沖田殿の武勇は聞き及んでおります。剣の名家の出であると。今後の戦闘では我々が参加することも多くなるかと思われます。それに、新兵の育成は我々の仕事であります。そのためにも、お願い致します。」


この人は、プライドはないのだろうか?あぁ、目が語ってる。俺の思いに気づいたのだろう。プライドで飯は食えないから…。

ですよね…。

断るわけにもいかず、彼らに教えることになってしまったのだ。これがこの1時間で起こったことだ。

彼らに教える為に俺は、ソアネ経由で国王に頼み金を用意してもらった。白金貨70枚。7000万もした。

何を揃えたかといえば、1000人分の剣道着、防具一式である。一応、彼らは教練は行っているから、戦闘の基礎は出来上がっているはず。俺が教えるのは、普通の剣道ではない。俺が、極道者の連中相手に練習していた、実践用の練習メニューである。


因みに最初にはなった言葉は、俺の言葉ではない。騎士団の副隊長。なんて言ったかな。ギースとか言ったかもしれん。実力で言えば…そうだな、この男100人分でアリエス殿といったところか。つまり、雑魚だ。文句言われる筋はない。


「皆、なにか言いたいことはあるかもしれないが、アリエス殿からの要望から今後の教練は私が主導で行わせて頂く。これらの付け方に関しては、後ほど説明する。

だが、まずは調子に乗っているやつも約1名いることであるから説明しておくが、言葉は悪いが、今の諸君らは弱い。」


「……。」


「なんだと!?」


ギースだけは食ってかかったが、他の連中は、アリエス殿も含め、何も言えずにいた。内心では皆気づいていたのだ。それでも、プライドだけは高い、この男は、俺に反抗してきた。


「たかだか、一度の勝利で調子に乗るなよ。お前がソアネ様の騎士でなければ切り捨てているところだ。」


どうして、こんなやつに文句を言われているのか理解できないが、面白そうだから続けてやろうか。アリエス殿には目線で伝える。彼は、程々にと伝えてきた。


「やれるものならやってみよ。」


「おお、やってやるとも。」


その言葉とともに、やつは俺に切りかかってきた。俺は、両腕に霊圧をためた。軽い足取りでやつに向かっていた。やつは俺に剣を全力で振り下ろす。俺は両腕をその剣に向けて突き出した膨大な力とともに。


           【 双骨 】


やつの剣は跡形を無く砕け散った。それでも、俺は、攻撃をやめることはなく、やつの顔面に向けて拳を叩き込んだ。やつは、恐怖で顔を歪めた。俺は、やつの顔の1cm手前で寸止めしたが、アリエスも俺の腕を掴み止めた。アリエスの顔は真剣そのものだった。俺が拳を収めると、アリエスは、ギースを全力で殴り飛ばした。お前がやるんかい!


「ギース!貴様何をしたかわかっているのか。ソアネ様の騎士殿に剣を向けたのだぞ。そのうえ、あの方は手を抜いて対応してくださった。本気を出しておられたら、お前はもうここにはいなかった。お前たちも心せよ。あの御方は、我々に力を与えてくださるのだ。敬意を持って教練に励むように。」


「はい!」


他の騎士たちは、俺に羨望の眼差しを向けている。なんか犬の尻尾が見えてしまうのは俺だけであろうか。俺は、道着のの着け方から、防具の着け方まで懇切丁寧に教えた。できなくても怒らず、全員が一人でできるようになるまで教えた。

その後、木刀を渡した。竹刀を渡すべきだが、この人たちは、いつも素手で練習しているからなれているようで、自分たちから木刀を選んでいった。


そこからは、気の遠くなる時間だった。騎士の多くは、剣の実力があると思って入ってきているため、ギースほどではなくてもプライドが高い。アリエスが珍しい部類なだけだ。俺は1000人ひとりひとりにそのものにあった戦闘スタイルでそのスタイルにあった型を教えていった。全員分の一通りの教練が終わったのは、初戦闘から3ヶ月後のことだった。


しかしながら、彼らの目つきと一人当たりの戦力は格段に上昇していた。これなら俺が出ている間の他国からの進攻も簡単にに撃退できるだろう。一人を除いて。ギースは俺によってプライドをズタボロにされてから復帰できずにいた。俺としても、根性なしに教えるほど暇ではなかったので、放置していた。そんなとき、ソアネから呼び出しがかかった。


「我が騎士、沖田よ。デネブラエが性懲りもなくまた侵攻を始めた。王都まで突き進み、デネブラエに正義を執行してくるのだ!ソナタがおらぬ間の王都のことは心配せずとも良い。我がいる限りルシス王国は、無敵である。騎士団も連れて行くが良い。」


「かしこまりました。準備が整い次第進発致します。」


俺は、スキル【マーケット】で、水、食料、キャンピングセット一式、

羽毛布団等を購入し、創造魔法で生み出した収納魔法とした

アイテムボックスに全て打ぶち込んだ。これで俺の準備は…できてない。

今回は、攻城戦もあり得るので創造魔法を駆使し、鎧を鋳造した。

かつて第六天魔王として恐れられた、織田信長の鎧である。理由は特にない。家紋の場所にはこの国の国章が刻まれている。俺は、この鎧にある付与魔法をかけた。それは、血が落ちなくなるものだ。人を切れば切るほど血で染まり、いずれは赤備えにしたい。他の騎士にも次回からつけてやる。

デネブラエは、最大数十万の軍勢を用意する事ができる。これは、大戦になる。そう考えながら、部屋を出ようとすると廊下の隅から黒い影が近づいてきた。止まらずどんどん速度を上げてくる。俺が気づいたときには、もう目の前に迫っていて…


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