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第3話〜栄光の始まり〜

少し言葉が汚い部分がありますが、ご容赦ください。夢の中の自分が少し悪ぶりたくなるときもありますよね?

俺が目を開けると、そこにはこちらに向けて土下座する集団が見えた。周りには、レンガ造りの建造物が立ち並ぶ。さらに、その集団の後ろ、建物の中、町の至るところに、見渡すがぎりの人々がこちらに向けて土下座をしている。なんて壮観なのだろう。こちらというよりかは、ソアネにだけど。あと爺さんに。そういえば、ソアネは、この世界の神様だっけな。なら爺さんは、何なんだ?

この人たち、頭下げててもわかるな。めっちゃ喜んでる。そりゃそうか。神様に祈ってたら、その神様が目の前に現れたらそうなるよね。


「絶対神ソアネ様。創造神ゼウス様。我々の祈りに答えて頂き、感謝致します。どうか、我々にお力を御貸しください。蛮族共が我々神聖国ルシス王国を侵略してきています。もう残すは、この王都のみとなってしまいました。どうか、お願い致します。」


集団の中でも最も位が高そうなおじいさんが、懇願している。号泣しながら。創造神?何でも、ソアネに世界の管理は、まだ難しいみたいで爺さんが統括したいるそうだ。でも、生み出したのは、ソアネだから、ソアネを信仰しているんだろう。ゼウス爺さんに聞いてみた。このルシス王国について。この世界について。

この世界は、元々、神聖国ルシス王国を中心とした神々への信仰心が強い世界であったが、この二人が面白半分に異世界人を転生、勇者召喚させていく内にその信仰心を無くしてしまったようだ。

…自業自得なのではないか?

だが、考えようによっては、俺にとっては素晴らしい世界なのかもしれない。この国が小国に成り下がっているのならば、俺の存在が目立ちやすいし、戦闘の経験を積む機会が大いにあるということだ。


「沖田殿。おそらく、ソアネは、そなたを聖騎士として民衆に紹介するだろうからの。一言二言考えといてくれんか?」


爺さんは、いきなりとんでもない事をぶっこんできた。誰かの前で特に大勢の前でしゃべること自体は、別に問題にはしていない。今まで、家でよくやってた。年末や新年の乾杯の音頭を含め、担任や教師の方々にやらされた生徒会を含め、人前で喋ることは、大丈夫だ。しかし、一般として喋ることと聖騎士として喋る事は、似ているようで全く違う。責任感が全く違うのだ。最悪すぎる。ん?いいこと考えた。一応爺さんに相談してみよう。俺の相談事に対して、爺さんは賛成し、手伝うことを約束してくれた。この人、面白がってるな…。


「我が信徒たちよ。案ずる事はない!私は、皆のために我が騎士を天界より連れて参った。彼に任せれば蛮族など恐れるに足らん。

紹介しよう。我が騎士、沖田総司よ。こちらへ参れ」


俺は、面倒くさそうな顔をキリッとした騎士風?知らないけど、真面目な顔をして、前に進み出た。それまでにソアネに向けられていた視線は、俺だけに注がれた。おぉ…。なんだろう。気分がいい。特に若い子達は、憧れに向ける目線を注いでいる。これは、しっかりとした演説をしてやらなければ。


「ソアネ様の御紹介に預かった、沖田総司と申す。

ルシス王国の民たちよ。私が来たからには、恐怖で怯える日々は終わりだ。これからは、栄光ある神聖国を取り戻すための旅が始まる。私は、そなた等の先頭に立ち、導くことを約束しよう。そなた達の勇気を見せてくれ。心配することは無い。この国は偉大なるソアネ様の恩恵を受けているのだ。奴ら蛮族に誰がこの世界の統率者であるかを思い出させてやろうぞ!」


俺が刀を抜き、天へと掲げると曇天の空模様から一筋の光が差し込んだ。その光は、俺の刀身に注がれた。その光は、反射して民衆にやがて王都全体に広がっていく。それはそれは、幻想的なものだった。

そう、これこそ先程爺さんと相談していたことだった。民衆に恩恵を信じ込ませるための演出だった。

光が広がるに連れ、民衆は、声を上げた。


「うぉーーー!!!」


一人が叫んだ。腹のそこから唸り声で叫んだ。それから一人また一人と声が重なり、遂には、民衆皆が叫んでいた。それは、蛮族と戦うとする決心で、ルシス王国が纏まった瞬間だった。

「それで、奴らはどこにいるのだ?」


俺が今いる場所は、王都の中心部にある王城の一室である、周りには、騎士団の団長、魔法師団の団長、

ソアネ、ゼウス爺さん、さっきソアネに懇願していた

おじいさん⇒教皇、国王の6人。さっき国民が一つになってからここに来るまで、1時間近くかかった。国民から声をかけられ手を振りながら往生まで来た。歩くわけにもいかず、馬車に乗ったのだが、周りを取り囲むようにされていたので10分ほどの道で6倍かかってしまったのだ。


「奴らは、毎日早朝に襲いかかってくるのです。今朝までは、なんとかしのいでいましたが、我らの駒も残りわずか。次の侵攻には耐えられません。」


「それで、敵の数は?」


どうしよう。1万とか言われたら。初戦闘でその数は流石に厳しい。斬魄刀があると言っても、人斬りは、初めてなんだ。最初は、なるべく少なくしてほしい。


「2000です。騎馬1200、歩兵800、で構成された大部隊です。」


「2000か…。ふん!何をそんなに恐れておるのだ。それ位、私だけで追い払ってやろう。」


「お待ちくだされ。それは、危険すぎます。」


「数万の軍勢に取り囲まれているのかと思えば、たったの2000とは。何を怖がっておるのだ。貴様らは。ソアネ様の顔に泥を塗るつもりか!」


彼らは、そこから何も言えなくなった。ソアネの名前を出せば、誰も文句は言えない。なんだ…。魔法がどんなものか見てみたかったけど、初戦闘としたらちょうど良かったのかもしれない。

俺は、部屋を出ると王城にある訓練場に向かった。試してみたくなったのだ。数を圧倒して、壊滅を狙うならアレだけど…。恐怖心を植え付けるにはアレなんだよな…。どれを選ぶか迷っているうちに俺は、訓練場についていた。だか、そこには先客がいた。少年兵に見える。随分と若い。しばらく観察することにした。剣の筋は間違ってない。でも、荒削りだ。教える人間はいないのだろうか。もう…いいか。俺は、その少年に声をかけた。


「筋がいいな」


俺の言葉に反射的に動いた彼の剣。練習用に刃が削り取られているとはいえ、当たれば重症を負う。だが、剣速が随分と遅い。俺は彼の剣を片手で受け止めると奪い取り投げ捨てた。


「何をする。死なたいのか?」


俺の顔がどんなだったか、自分では気づかなかったが、彼の青を見れば明らかだろう。彼は恐ろしさから腰を抜かし固まってしまっている。


「た…助けたください。お願いします。」


全身を震わせながら、絞り出したように懇願してきた。別にそもそも、脅しただけだったから。


「臆病者に興味はない。」


俺は彼の前を通り過ぎると刀を抜いた。俺は、体の中に今までに感じたことのない流れを感じた。これが、霊力。あの二人との交渉で二人の霊力は無限大となった。神様だしね。俺も負けることがないように、一日全力で戦い続けても霊力が尽きないようにしてもらった。

俺は、その流れを刀身に集めた。そして、軽く剣を振るった。すると見事な斬撃が生み出された。それも主人公が出すような巨大な斬撃が。これなら、明日の戦闘も問題ないのかもしれない。というより、本気出したらとんでもないことになりそうだ。

そう一人で、斬撃の余韻に浸っていると先程の少年が、俺に向かって叫んできた。


「僕は、このルシス王国の第2王子のレイヴスだ。

僕に剣を教えてくれ。僕は兄さんみたいな国民から敬われる騎士になりたい!だから!」


何だ?この子は。さっき俺に剣を向けたことを棚に上げて調子の良いことを言う。よくあるラノベでは、こんな一言で主人公と仲良くなるかもしれないが、俺はそこまで優しくはない。どちらかといえば、根に持つタイプなんだ。せっかく褒めてやったのに、いきなり斬りかかって来たやつに教えることもなければ、階級社会を利用して命令してくるやつは、年齢に関わらず糞と認識してる。


「知るか。生意気なガキに教えてやることはない。」


勿論、断った。俺は、フラグになろうと知ったことではないからな。後に殺そうとしたら、逆に半殺しにして国民の面前で磔にしてやる。


「なんだと!僕の父親は、国王だぞ。お前なんていつだって殺せるんだぞ。」


おぉ〜。予想通りの反応。まさにラノベを読んだいるようだ。なら怒らせてここに国王を連れてこさせて見るのも一興かもしれない。


「国王?呼びたきゃ呼べよ。だが来るかな?今、この国は蛮族との戦いに傾倒している。そんなときに王子の下らないプライドのために国王が動くとは到底思えん。」


あぁ〜。泣いちゃった。もう少し言い返してくると思ったが。俺は泣き虫が一番嫌いなんだよ。それも自分で解決できないことを親に押し付けるくせに、自分では何もしない奴が。なんか面倒くさくなった。そろそろ戻らんと、準備があるからな。

「陛下!奴らの旗が見えました!」


先程の会議室に俺が戻るのとほぼ同時に扉が開いた。勿論、もう一つの扉。

ようやく来たか、俺の初戦闘。なんだろう、武者震いがする。今までの剣道の試合では感じたことのないような感覚だ。自分で決めて自分で始める。ここから、始まる。

ソアネが、こちらを見てくる。なんていうかは大体想像がつくけど。俺は、準備はできていると自信のある顔で視線を返す。そして彼は、その場にいるものに向けて言った。


     「さぁ、栄光の始まりだ!」


ようやく歴史が動き始めます。次回からは、グロいところがチラホラあります。よろしくお願いします。コメントもぜひ。

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