現代OL、ダンジョン第2階層へ。
「さぁ、今日は第2階層を回りましょう!」
これも巣立ちの為です。早く自立してあの二人から離れるんだ。…コスプレ趣味の両親から!
「んー?なんでエネミーが変態ピエロ…」
そう、第1階層のフロアボスが第2階層ではただのエネミー扱い。…ちょっと変わってるダンジョンだなぁ。姉上と私も遠慮なくなぎ倒していく。遠慮?そんなものは要らない。
「やりづらくなくていいんだけど、ねぇ。」
とても良い笑顔で消滅していくのだ。…もしかして私達はご褒美でも与えているのだろうか。
たまに「あぁ、ティターニアたぁん♡」と聞こえてくる。エネミーから。(やはり何かおかしい…)
「…カレン。」
「やっぱり何かおかしいですよね。何処かに仕掛けがあるのか、も…」
「どうかした?」
「あれ、あの不自然なレバー…」
壁に設置されているレバーを指差す。
「あ、あれね。…なになに?これは罠です。落とし穴です。またパパに会えるよ♡?」
そんな張り紙付きであっても誰が行くのだろう。
「…」
無言でレバーをへし折っておいた。他の人が被害にあう必要はないんだからね!
「うん、それが正しいわ。」
「ちょっとお灸とか据えた方がいいですね。再起不能まで殺っちゃいましょう!」
ぐっ!と姉妹は決意する。それが正しい事だと思えたからだ。変態ピエロが毎回襲ってくるのは精神的にきついだろう。私達だってきつい!「ティターニアたぁん♡」とか、「あぁ、いいっ!」とか言いながら消滅するエネミー…胃、胃が痛い…
『胃薬、ほしい…』
私達姉妹の本音がもれた気がした。今まで倒した変態ピエロからドロップしたアイテムは以下の通り。
木材×150
キノコ(黒、白込み)×80
毒針×40
小麦粉×60
卵×30
塩胡椒×5
鉄鉱石×30
砂糖×20
うん、まずまず。塩胡椒や砂糖がレアらしい。次にキノコ。これは黒キノコ、白キノコと妖精さんや精霊さん達からは呼ばれているが、人間界ではトリュフに分類されると私のスキル・知識人は教えてくれた。どうやらスキル・知識人は鑑定の役割もかねているみたいなのだ。ありがたやありがたや。
「…カレン、そろそろボスフロア行く?」
「行きます。もう外に出ないと胃が…胃がっ!」
ボスフロアの前に立ち、
「さぁ、乗り込むわよ!レフォット!レフォット!レフォット!」
「ブラックホール!ブラックホール!ブラックホール!」
「ぎゃあぁぁぁーっ!」
あ、今回は蝙蝠だった。…ごめんね、エネミーがアレだったからフロアボスも変態ピエロかと…
またちょっとしたパパ尽くしでした。落とし穴の先は想像したくないですね。胃が痛くなりそうです。