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その赤毛、典型的な学者につき・3

 どうして、助けてくれないの?

 神様、神様、神様。

 みんな助けてって、言ってるのに、どうしてなの?


―――また、この夢だ。

 苛立ちとともに、その夢の行く末を見守る。


 真っ赤な火は、空をも焦がす勢いだった。祭の篝火かがりびはいつにも増して勢いよく燃え盛る。照らし上げられるのは、踊るようにもつれあう人影。口々に色々なことを喚きながら、倒れたり、赤い水を振りまいたりしている。

 逃げる場所もなく、立ち尽くす視点。神様はいない。


 こんなもの、実際に見たわけではないのに。夢を認識する「自分」が下唇を噛んだ。


 こっちだ、と自分の名前を呼ばれた気がして、視線をさまよわせる。いつもなら、とても恐い顔をした女の人が自分に手を差し伸べるはずだった。こっちへ来なさい、と、白い服を来て、いつもの優しい笑顔を浮かべてはくれずに、ただ、厳しい顔で。

 だけど、今日に限って、声は男の声だった。

 懐かしいその面影に、走りだす。赤い赤い夢の中で、黒髪の彼にすがりつく―――



「おい、ヴァン!」


 はた、と目を覚ませば、目の前には憎らしい男の顔が迫っていた。考える間を惜しんで、その体をドンっと突き飛ばす。


「な、何しやがんだ、てめぇは!」


 夜の闇の中、高い声が響く。

 その声に、少し離れたところに転がるみのむし(・・・・)がもぞもぞ動き、隣で焚き火がぱちっと爆ぜた。


「……うっわ、おいしくないなぁ。せっかく悪夢から救ってやったのに」

「悪夢? ……あぁ、そうか」


 今さらながらに、ヴァンの心臓がドクドクと騒ぎ立てた。赤い赤い夢。忘れなければ、忘れなければ。首筋にべったりと汗で張りつく髪がうっとうしい。


「すごい顔色だぞ」


 ナサニエルに指摘され、大きく息をついてから、小さく「すまない」と謝る。茶化されるかと思いきや、「なぁに、いいってことよ」などと返事が戻って来た。


「ところで、ブロートヘルって、誰だ?」


 落ち付き始めた鼓動が、ドクドクと再び騒ぎ出した。


「誰……? ぶろとへる、なんて、あぁ、そうか」


 混乱した頭を何とか落ち着かせる。誰も「ぶろとへる」なんて知っているハズがない。

 そうだ。いつものハズの夢に、いつもとは違う人が出て来たから、つい……呟いてしまったのだろう。


「古い知り合いだ。そうか、久々に夢に出て来たからなー」

「ふーん?」


 納得したのかしていないのか、ナサニエルはヴァンから離れ、ごろん、と自分の寝場所に横になった。


「丁度いいし、火の番交代な」


 言ったかと思えば、すぐに寝息をたて始めた彼に、ヴァンは大きく息を吐いた。

 別に呆れたわけではない。ドリフターをやっていく上では、そうした心の切り換えは重要だし、すぐ寝れるのもいいことだ。

 迂闊なことをこれ以上聞かれないために、ヴァンにとっても眠ってもらえた方が丁度よかった。


「……うー、さむ」


 ヴァンが体を震わせる。寝ている間に、今夜もまた、霧が出て来たようだ。晴れているハズの星空は見えず、代わりに小さな焚き火を反射してキラキラと空気が光っている。


「ぶろとへる」


 勿論、呼び声に答えるものなどいない。それは、いるはずのない人間なのだから。

 ヴァンは隣に置いていたバッグを撫でる。さすがに中から手帳を取り出すことはしない。いつ、誰に見られてしまうか分からない、こんな場所で。

 手帳に挟んだままのペンダントを思い出し、ヴァンは何度目かのため息をついた。



从从从从从从从从从从从从从



 何が哀しいと言えば、朝も早くから遺跡とは名ばかりの洞窟に入っていることだろうか。

 ナサニエルのそんな呟きを意に解することもなく、グゼイル先生は精力的に動いていた。ブービートラップのある通路にも何かが書きつけてあると気付くや否や、それらを全て解読すると決めたらしい。


「うわ、冗談じゃねぇな」


 ナサニエルが何度目かの悪態をつく。


「ナット、まだ、枝は足りてるか」


 ヴァンの声に、彼は手にした枝を「ひーふーみーよ……」と数え始めた。ブービートラップを自分で踏まないための身代わりとして使われているこの枝は、もう二回もヴァンが外へ補充しに行った。


「まだ、大丈夫だな。それに、トラップもあと一つだろ?」


 ジュリオから借りた地図を手に、ナサニエルが笑みを浮かべる。ヴァンはそれを確認すると、グゼイル先生が解読している壁の文字を見に動いた。


『風よ止まれ 風よ止まれ

 行く手をふさぐ 風よ止まれ』


 必死に書き写すジュリオと、解読を終えて何事かを考えこむグゼイル先生。その二人を見ながら、ヴァンもぼんやりと思案した。


(これは、やっぱり……)

「うむ、間違いない。やはりこれは、合言葉であろう!」


 グゼイル先生が、突然、声を上げた。少し大きな声だったので、わんわんわんと道の向こうへ反響する。


「合言葉、ですか?」


 ヴァンもナサニエルも、反応を返さないと判断したか、ジュリオが聞き返した。その手はカリカリと動いたままだったので、器用だな、とヴァンは感想を抱いた。


「うむ! ここに書かれている文字は、罠を止めるためのキーワード! これで罠を止めて掃除したのだろう!」


 断言するグゼイル先生に、今度は誰も何も言わなかった。

 わんわんわん、と反響だけがいつまでも耳に届く。


「あー、あの、先生。掃除、ですか?」


 ジュリオの言うことも、もっともだった。なぜ、わざわざ死に至る罠「ブービートラップ」を止めてまで掃除?


「あほう。これらは全て、絶命させるための罠ではないか。死体を、穢れを放置しておく神殿なんぞ、どこ探してもないわい!」

「ですが、邪神を祀る場所であれば、穢れも特に問題ないかと―――」


 ジュリオの反論に、ナサニエルが頷いた。ヴァンは微妙な表情で、グゼイル先生の次の言葉を待つことにする。


「この、どあほうが! お前、いつから助手になっておるんだ!」


 グゼイル先生は、乱れた自分の赤毛を軽く撫で、「ふん」と鼻を鳴らした。


「血の穢れを良しとする邪神が、神殿の基調に白を使うわけがあるか! 黒に決まっておろうが!」


 再び静寂。

 白=聖なるもの。黒=不浄なもの。それって、決定事項?

 国教会の司祭なら喜んで飛びつきそうな論展開だが、ドリフターのヴァンとナサニエルはお互いに顔を見合わせた。あぶれた助手ジュリオも視線を泳がせた。


「ふん、まだ分からんか。……いいか、ここまで、罠にかかった人骨のある場所以外で、赤黒い染みを見たか? 穢れを好むなら、どうして壁も柱も白いままだ?」


 グゼイル先生の論に、あぁ、なるほど、とジュリオが頷いた。


「つまり、血を好む邪神の神殿であれば、もっと血の跡とか、いけにえの痕跡とかが残っていてもいいはず、ということでしょうか」

「そういうことだ。それで、あー、なんだったかな、そうだ、キーワードだ」


 グゼイル先生は、ファン文字の彫られた壁を指差した。


「罠近くに彫られた言葉と、罠には関連性がある。ここであれば『風よ止まれ』とあるが、ここの罠は矢だ。さっきの落とし穴の罠には『お前はその手を外すことはない』。つまり、罠に対する命令だ」


 グゼイル先生は、並んだ全員の顔を見て、反論する様子がないと分かると、さらに続ける。


「このキーワードを口にし、罠にかかった穢れを取り除くことも、巫女の仕事だったのだろう。神にそんなことをさせるわけにはいかないからな」


 ふんふん、と自分の説にうなずくグゼイル先生に、ナサニエルが「グゼイル先生」と声をかけた。


「それで、実演はいつになるんですかね」


 グゼイル先生の口が止まる。動きもついでに止まった。


「……できん」


 絞り出すような言葉に、ナサニエルがちらりと意味ありげにヴァンを見たが、それを彼はあっさりと無視した。

 もちろん、声に出して読むことはできる。だが、別にそれができるからと言って、ヴァンの利益になるわけでもなし、グゼイル先生に発音を教えろと言われることも、用意に予測できた。


「なるほど」


 ナサニエルは分かったような声をあげ、それっきり口を閉ざした。

 しばらくの沈黙。カリカリと、ジュリオがペンを走らせる音だけが、居心地悪いその場所に響いた。

 やがて、その音もぴたり、と止まる。


「先生、複写が終わりました」

「うむ……」


 グゼイル先生は考え込んだ。


「この先は『狂人の罠』だけですが、どうしましょうか?」

「うむ……。罠の動作確認をしたいところだが、実態が掴めんからな」


 ここまで、ナサニエルは枝を使って全ての罠を動作させてきた。床から槍が生えたり、天井が落ちてきたりするのを、始めは多少、脅えた様子で眺めていたグゼイル先生だったが、次第に面白くなってきたのか、落とし穴の口が開いた時には拍手までしていた。たぶん、実態が掴めないと言いながら、好奇心があるのだろう。


「あー、ちょっと待って下さいな。その『狂人の罠』が、これまでと同じように木の枝を放ることで動作が見えるかどうか分かりませんよ」


 ナサニエルの控えめな提案に、グゼイル先生は「ふん、分かっておるわ」といらだたしげに頷いた。


「無駄に命を張れとは言わん。枝で動かなければ、それはそれでいい」


 意外に常識的な提案に、ヴァンはナサニエルと目を合わせ、安堵のため息を漏らした。



从从从从从从从从从从从从从



―――学者の探究心に常識が通用するわけがなかった。

 ヴァンはしみじみと後悔した。

 木の枝を放り投げてしばらく、なにも起こらないと見たグゼイル先生は、通路の暗がりの中に壁画を見つけてしまった。

 グゼイル先生は助手の手からランタンをひったくると、ナサニエルから奪った木の枝にひっかけ、暗がりに差し出した。照らし上げられた通路に、確かに壁画が彫られている。

 足は注意された位置ギリギリに置いたまま、「早く模写せい」と助手を怒鳴りつけた。


「あー、学者ってすごいのな、ヴァン」


 ナサニエルに声を掛けられ、彼はこくりと頷いた。


「でも、長時間ここにいたら、また―――」


 ヴァンの言葉を遮るように、昨日と同じように隙間風のような、悲鳴のような声が聞こえた。


「早うせんか! 手がしびれてきたわい」


 聞こえていないのか、と隣のナサニエルを見ると、彼は厳しい表情をしていた。


「グゼイル先生、個人的には撤退を勧めたいんですがね」

「護衛役がここまでなら大丈夫、と言ったであろうが。足場は越えておらん」


 くわっと怒鳴り返す先生に「正気の沙汰じゃねぇな」と小さく呻いたナサニエルは、腰に挿したダガーの位置を確かめた。


カラ、カラ……


 軽いもの同士が打ち鳴らされるような音に、ヴァンは暗がりに目を凝らした。

 危険な予感に心臓がバクバクと鳴る。今まで、仕事でこんなに緊張したのは初めてかもしれない。


「足に力入れ過ぎだ。もうちょっと気ぃ抜け。でも抜き過ぎるなよ」


 注意するナサニエルの声も、どこか遠くで聞こえる。

 頭の中に響くのは、だんだんと近付いてくる、カラカラと乾いた音。

 それは決して急ぐことなく、一歩、また一歩、と着実にこちらへ向かっていた。

 まさか、この異変に学者先生が気付いていないはずがない、とヴァンはランタンを枝で差し出した姿勢のままの彼に目をやる。

 学者先生もさすがに気付いているのだろう。だが、彫られた文字の解読も途中で投げ出せないのか、ちらちらと暗がりに目を向けつつも、退く様子はない。

 助手はさすがに模写する手を止め、ランタンに照らされた通路を凝視していた。


「先生、さすがに―――」


 下がって、という言葉をヴァンは飲み込んだ。ランタンの手が届く範囲に、音の正体を見つけたのだ。


(白い? あれは、木偶人形でくにんぎょう―――?)


 ボロボロの服を着た白い木偶人形が、グゼイル先生の掲げるランタンの手前で止まる。真正面からそれを見たグゼイル先生は、口をあんぐりと開けたまま、まるで彫像のように固まってしまった。

 木偶人形の口が動き、カラカラと音を立てる。笑っているのだろうその顔は、木偶人形などではない、バサバサになった髪のまだ残る、シャレコウベだった。見れば、その身体すべてが、人間の骨で構成されていた。この遺跡ではあまりにも見慣れたその造形に、ヴァンの血が一気に冷える。


「グゼイル先生!」


 ジュリオの悲鳴じみた叫びに、ヴァンは我に返った。

 見れば、骨人形はグゼイル先生のランタンに手をかけ、彼を引っ張ろうとしている。学者先生も呆然としたままで引かれるままに、前のめりの姿勢になり―――


「んあっ!」


 ヴァンが伸ばした手を逃れるように、そのまま地面へと倒れた。落ちたランタンは奇跡的に倒れず、床にそっと置かれたように、辺りを照らし続けている。


「グゼイル先生!」


 慌てて前へ踏み出そうとしたヴァンを、ナサニエルが引っ張り戻した。


「先へ行くな。……罠に捕まる」

「罠に捕まるったって、先生は……」


 骨人形はカタカタと笑うように顎を打ち鳴らすと、踊るような足取りで再び通路の暗がりへ消えて行った。

 ヴァンも、ナサニエルも、ジュリオでさえ、息を殺して、倒れたままのグゼイル先生を見つめた。


「まさか……?」


 ジュリオが、倒れたままピクリともしない先生の足に触れる。その足は温かかったのだろう、「このまま、安全な場所まで引っ張ることはできませんか?」とナサニエルに持ちかけた。パニック状態に陥ってもおかしくない状況の中、意外にも一番冷静だったジュリオのその行動に、ヴァンの心がようやく動き始めた。


「顔が下になってるが、かまわず引きずるか?」


 ナサニエルの容赦ない指摘通り、前のめりに倒れた先生は、うつぶせのままになっている。


「やむを得ません。とりあえず、安全第一を前提で」


 淡々と話すジュリオに「安全第一だったら、とっとと逃げてるけどな」と憎まれ口を叩いたナサニエルだったが、それでも手持ちのランタンをヴァンに渡した。


「わりーな、先生。足場がねぇもんだか―――ら?」


 ナサニエルが両足を掴んだのと、ほぼ同時だったろうか、グゼイル先生の手がゆっくりと動き、立ちあがろうとする動きを見せた。


「先生? 大丈夫ですか?」


 ジュリオが声を掛けるが、先生は返事もせずに、その場で立ち上がった。身体は通路を向いたままで。

 何かおかしい、何か変だ。

 ヴァンの心が警鐘を鳴らす。だが、それと同時に、ここからでは見えないグゼイル先生の表情が気になった。


「……先生?」


 今度は返事らしきものをしたように思う。

 ただ、それは、ひゅうひゅうと喉の奥で鳴るだけの、音にすらならない代物だった。


「捕まったか」


 小さく舌打ちしたナサニエルの声が、確信を帯びる。

 そして、グゼイル先生の姿をしたものが、くるり、と振り向いた。


「……っ!」


 目をくわっと見開いたまま、その口はどこか愉悦に歪んでいる。怒っているようにも見えるが、いきなりケタケタと笑い出し、腹を押さえた。笑いを止められず、それでも目を大きく開いたままで、ひゅーひゅーと生命活動にギリギリ足りるぐらいの呼吸をする。赤毛を振り乱したその姿は、まさに狂人としか言いようがない。

 ヴァンも、ナサニエルも、ジュリオも、それを呆然と見つめるしかなかった。

―――その時だった。


「あっ!」


 悲鳴は誰があげたものか、グゼイル先生はジュリオの腕を掴むと、ぐいっと引っ張った。

 それを何とか持ちこたえたところに、ナサニエルが加勢に入る。その勢いを借りて、ジュリオはグゼイル先生の腕を逆に引き、こちら側に倒すことに成功する。


「……っ! ……ぁ!」


 決して言葉ではない奇声をあげながら、グゼイル先生が抵抗する。だが、体重をかけて押さえ込むジュリオと、それを手伝うナサニエルの二人がかりでは、手足をばたつかせることしかできなかった。


「おい、押さえてどうすんだ?」

「知りませんよ! でも、連れて帰らないと」

「んなこと言ったって、これじゃ連れ帰ってもどうしようもねぇだろ!」


 じったんばったんと暴れるグゼイル先生は、自分の身体の限界すら考えていないのだろう、ただひたすらに暴れ続けている。


「おい、このまんまじゃ先生の身体が先にぶち壊れるぞ!」

「ですが―――」


 ヴァンは二人のやりとりを聞きつつ、壁に――正確には壁に彫られた文字に指を這わせた。


「ぐ・おーあうい・ぐ・おーあう・いーの・ぷらちぇっと・とす・とぷ・よう ぐ・えーとぅつ」


 凛とした少年の声が響くのとほぼ同時に、グゼイル先生の動きがぴたり、と止まった。

 ナサニエルの、そしてジュリオの視線が、真剣な眼差しで壁に彫られた文字を見つめるヴァンに集中する。カンテラに照らし上げられた彼の瞳が、紫がかって見えるのは、気のせいだろうか。


「す・おーむ・え・ばすく・す・おーむ・え・ばすく」


 ヴァンが何かを諦めた表情でそっと目を閉じた。


「せれいす・ようる・ぶ・おーでぃ・へれ す・おーむ・おん」


 声が止むと同時に、二人に組み敷かれたグゼイル先生の指が、手がもぞもぞと動き出す。


「ぐっ……、お、もい……」


 その口から漏れた人語に、ジュリオとナサニエルが慌てて先生の上から飛び退いた。

 重圧から解放され、ゆっくりと起き上がったグゼイル先生は、自分を見つめる三対の眼差しに怪訝な顔をした。


「なんだ? 揃いも揃って、変な顔で。……あ、いちち、なんだ?」

「先生、ケガを……?」


 助手の言葉に、グゼイル先生は「いつの間にか」できている両手の擦り傷と両足の打ち身について話し、ついで腹筋の痛みを訴えた。


「事情は後で話します。とりあえず、ここを出ましょう」


 本来、その権限がないはずのジュリオの提案だったが、もちろん、ヴァンとナサニエルに反対する理由もなかった。



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