棒人間のふたり
私と彼は筒に収まる棒人間、両断面から頭を出し入れ、下半身は逆向きに癒着して。幼少からの肉体は空洞にぴたり形成され久しい。
潤滑油まみれの内部は快適、ピストン、私が出れば彼は収まる、逆も然り。
筒の外は労働。筒は白い球体の内側に。鰻の鰭みたいな手で回る球面へ小説を書く。
収まり睡眠時の夢想をA・Iが。絵画や文に記録され執筆の手引きに。互い定時で繰り返し。
回転で彼の小説来れば書き継ぎ、白壁なら私の自由に。
ある白壁、彼の心理がふいに気になり書簡を小説に込めて。
『我々と似た境遇だが彼らは筒の中労働し外で休息を。筒内ある小説家の夢想を絵や文字に。外の休息、白壁の小説を読め筒内の労働の整理やヒントに役立てて。』