影の影の影
「ローレル様!!」
小屋の扉がノックされると同時に、慌てて入室した男の顔は蒼白で 非常事態だと言うことを物語っていた
「来たか…」
男の様子とは裏腹に、ローレルは冷静だった。
このガイロン西村に到着してから10日そろそろルルーシュが来てもおかしくない頃だ
ただルルーシュを捕まえるだけなら容易い事だが、ルルーシュの中の『水神サーチュア』が目覚めたいじょう、無傷で捕獲は難しい。何の警戒も無い状態での捕獲に、ここの村人が必要だった。最初の頃、村人は反抗的で老体に鞭うってでも…いや…自分達の命が無くなろうとも、ルルーシュを守る為、奴隷賊を追い出そうとしていた
歯向かう奴等は全員殺す事も考えたが、ルルーシュを警戒させずこの村に誘き寄せる為には、村人の存在は必須。だから見せしめとして二日目の夜…村民から信頼され、この村の指揮官的存在の村長を殺した。
あんなにいきり立っていた村人達はその後、奴隷賊に歯向かう事は無くなった。やはり、人間は自分が一番可愛いのだ。
時折村長の家へ集まり、ルルーシュの無事を祈っているようだが、ローレルには気にする価値の無い物だった。
「では、手筈通り…あの老いぼれを向かわせろ」
ローレルの言葉を聞いた男は顔を青く染めたまま怒鳴るようにローレルに訴えた。
「違うんです!ルルーシュでは無く ま!魔族が!」
「魔族!?」
「はい!村から少し離れた木のそばに魔族が一匹!何やら叫び暴れています!!!その傍らにも何者かが居ます」
男の言葉を聞き、少し考える素振りを見せたローレルは、ゆっくりと立ち上がり、後に控えていた女性に声をかけた
「アンジェラ、行けるか?」
「はい…いつでも大丈夫です。」
艶やかな金髪を肩上でバッサリ切り、タイトな黒のワンピースに身を包んだ女性、アンジェラは耳に着けた赤いピアスを一撫でし、ローレルの背中を追った。
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明日で『異世界は自由で幸せです』が一周年です♪
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では!また次話お会いできますように!