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謎の女性は命の恩人です!私の恩人です!

「「!?」」


突然の出来事に驚き過ぎて後ろにのけ反るルルを咄嗟に黒翼を開き、素早く左翼で支える

私の黒翼を見た女は少し驚いた表情を見せたあと、「驚かせてごめんね」と舌をペロリと出した。


って!!!なに冷静に解説してんだよ、私っ!!

ここは木の天辺だよね?

浮いてるよ?この人!浮いてるよ?


なんて私が頭の中で一人突っ込みしながらパニック起こしてる間に、何故か女は私の横に腰かけた。


「………………」

「………………」

「………………」


状況が飲み込めずに何度も視線を合わせる私達を他所に

何故か無言で村を見つめる女…


その表情は険しく、先程私達に見せた可愛らしい笑顔はなかった


なんだろう、この状況…。

なんだろう、この女性…。


そう思いながら、横目で女を観察……艶やかな金髪を赤い紐を使い後でまとめているので、肌の白さと耳に光る赤いピアスがよく際立って見えた。

服装はピッタリした黒のレザータイプで統一され、ピチッとし過ぎてるからなのか、胸元の小山とその下のクビレが強調されている。


あまりにマジマジと見すぎたせいか、女性は私の視線に気が付きこちらに少しだけ身体を向けると背筋を伸ばした。


「自己紹介が遅れたわね、バリスよ よろしくね」


そう言って微笑むと何故かバリスは空いた方の私の手の上に優しく自分の手を置いた


「!?」


驚きのあまり声の出せない私とは裏腹に、バリスはニコニコしている。

右手のぬくもりに思考回路が爆発しそう…だけど!ここは日本人魂…


「は…はじめまして、私はサキと申します。こちらこそよろしくお願いします。」


ペコリと軽く会釈した私の後に続いて、ルルも自己紹介をした。


「はじめまして、ルルーシュ・カイルスです。よろしくお願いします。」


何だか、声のトーンがいつもより低い気がする 奴隷賊や村人の事が関係しているの…か……な!って!!!痛い いたい!何故かルルの手の握力が尋常じゃないくらい強くなってるんですけど!?


痛みに顔がひきつる私を見たバリスは「どうかしたの?」と右手を優しく撫でて…って!潰れる!左手が潰れるッッッ!!


鳴ってはイケない音が左手から聞こえたと思うと今まで感じた事の無い激痛が私を襲った。


「いだぁぁぁぁぁい!」


私の悲鳴に我に還ったルルの握力が弱まった瞬間、自分の左手を救出し素早く黒翼で空に逃げる

痛い!左手が動かない!絶対折れたよルルさん!?これ!折れてるよ!?


「ごめんなさい!ごめんなさい!」とルルの必死に謝る声が聞こえるけど、左肩まで激痛に襲われる私にそれを気にする余裕なんてあるはずない。


「あらら、可哀想に…それ、完全に折れてるね…すぐ楽にしてあげるからギャーギャー騒がないの」


ギャーギャー騒ぐなってったってそんなの無理だろ!楽になるなら何でもいいから早くしてーーー!


変な汗に涙や鼻水でど偉い事になってるだろう顔をバリスに向けながら「だずげでーー」と近づく私を引き剥がそうとするバリスにすがり付く


「わ…わかったから…ちょ!汚い!鼻水ついてる!!!きゃ!ちょっ!ひッ『heal(ヒール)』!!!」


悶える私の左手がバリスの声と共に淡い光に包まれ……あれ?痛くない…?


さっきまでの激痛が嘘のように、痛みが欠片も残っていない、左手を動かしてみてもいつも通り動く


「バリスーーー!ありがとうーー!」


と飛び付こうとしたがバリスに制された。


「はーい…お礼は後にしてね。さっきの悲鳴でネズミ達に気づかれたみたいよ」


バリスの鋭い視線の先には、村の入り口に集まり、戦闘態勢に入った奴隷賊、そして小屋から出てきたばかりのローレルの姿があった。

こんにちは、ブクマさんが増えてニタニタしてる新汰です。

バリスですが…私が考えてたストーリーには本当は存在しなかったキャラなんですが、ルルとサキの暴走を止めるキャラが居ない事に今さら気付きまして……登場することになりました(´・ω・`)

でも何だかバリスも暴走キャラになりそうな……そんな予感がして…夜もグッスリ眠れてます。では!また次回ー!

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