突然の来訪者
「これから、どうしましょうか…」
うつ向いたまま小さく呟くルルに、私は何も言えなかった。
私とルルはあの後、無事にガイロン西村へとたどり着いた。
だけど、奴隷賊達が先回りしている可能性があるので、村の側の一番高い木の上から村の様子を確認することにしたんだけど。
その結果…不安は的中
村には、奴隷賊が待ち構えていた。
パッと見は何の変鉄もない小さな村で、談笑してる人が居たり、老人が畑を耕してたり 井戸の側で衣類や野菜を洗ってたりで賊の姿は見えなかった。
「全然大丈夫じゃん!さあ!いこ!」って立ち上がった私をルルの小さな手が静止した。
「おかしいです。あんなに若い人が村にいるはず有りません…それに…」
ルルの視線の先には、家の軒先で数人の若い男が何やら楽しそうに談笑していた。
服装は他の村人達とあまり変わりはないが、指摘されればおかしな所があった。
ガイロン西村は貧しい村で、野菜は村人達で育て、肉は罠を仕掛けモンスターなどを捕まえ得る、魚は村の側の川で捕ってくる、老人ばかりなので数もそんなに捕れない、だからそんなに贅沢は出来ないそうだ。
なのに、その男達の傍らには 酒が入っているであろう瓶が数本に、肉や魚の料理がテーブルの上にいくつも並んでいたのだ。
それを確認した私は、ルルの横に座り直すとルルの手を優しく握った。
「もしかしたら、ローレルって奴がルルとの約束を守って、戦闘奴隷だっけ?それを住まわせてるのかもしれないし…もう少しだけ様子を見てみよっか」
ルルは軽く頷くと視線を私から村へと戻した
それから一時間ほど村の様子を黙って見ていたルルの口から漏れたのは「これから、どうしましょうか…」だった。
消え入りそうなルルの声を聞いて、何も言えずただルルの手を握ることしか出来ない私はなんて情けないんだろう。
一時間ほどの観察で分かったことは、『あの男達は奴隷賊』『村人は脅されている、そして奴隷のような扱いを受けている』『奴隷賊は他にも数人』そして…一番厄介なのが『赤鬼と呼ばれる男、ローレルもこの村にいる』と言うことだ。
奴隷賊達は、ルルを特別視していたようだし、ここにローレルがいるのも…ルルを待ち伏せする為だろう。
本当は今すぐにでもルルを連れ、この村から離れる事が一番いいのだが、ルルはそれを拒むと思う…ううん…確実に拒む。
どうやってルルを安全な場所まで連れて逃げるかを考えている私とは逆に、今…ルルはどうやって村人を助けるかを考えているだろう。
もしかしたら…自分を犠牲にする事も考えているかもしれない。
村人を救うには『赤鬼』を倒す必要がある、だけどそんな物騒な二つ名の持ち主、私達が対抗できるはずが無い。
だからって、ルルが犠牲になるのは私が嫌だ。
何かいい方法を考えないと…
「なにしてんの?覗き?
てか、もしかしてレズ?木の上で手まで握っちゃってー、最近の子はいやらしいわね」
村を眺めていた私達の目の前に、突然一人の女性が現れ、なに食わぬ顔で爆弾発言をしてきた。
こんにちは
寒くなって来てよくお腹を壊す新汰です
話の流れ(つじつまが合ってない)おかしいよー!
ここ間違えてるよー!
なんて箇所が有れば言ってください
自分で読み返しても見逃したりしてるかもなのでm(__)m
有ったらって………切りがないくらい有ったらどうしよう(/_;)/~~




