やっぱり私は天才で、神羅羽は万能!
右を見ても、木!
左を見ても、木!!
後も前も木!!!木!!!
いったいこの森は何処まで続いてるだろ…そして何故、漢字にすべて読み仮名が付いてるんだろ…
「ルルぅー…何か進んでる気がしないんですけど…」
陽が傾き初めた今も、森の中を歩く私とルル。歩けど歩けど、景色は変わらず、村らしきものも…てか………人にすら会わない。
「大丈夫です!いつかは出ますから!!」
腰に手を当てて何故か自信満々のルル…この自信と元気はどこから溢れるんだろうか…
「ねぇ…やっぱり…」
「ダメですよ!!!」
きびきびと私の前を歩いていたルルが、勢いよく振り返り私の言葉を最後まで聞かず否定してきた。
「な!?まだ最後まで言ってないよ!?」
「何が言いたいかは、最後まで聞かなくたって分かりますよ!「やっぱり神羅羽で村を探そうよー」ですよね?」
聞いてるこっちが恥ずかしくなるような物真似を披露し終えるとこれまた腰に手を当て「絶対ダメですよ?これで19回目です!」と念を押された。
「な…違うもん!!」
したり顔なルルに、思わず否定してしまった。
いや…だってここで肯定したら…何か負けた気が……
「え!?違うんですか?」
少し驚いた様子を見せたルルは、先程の顔とは打って変わって、瞳が揺れ申し訳なさそうに肩をすくめた。
「…ごめんなさい…ルル…サキ姉さんの事何も分かって無いのに…わ…かったような口…きいて…ルルは…ルルは…悪い子です」
声が途切れ初め、肩が震えている。
これはヤバい…嫌な予感が的中するまえに私は急いでルルに駆け寄るとその肩を抱きしめた。
「ルルは何も悪くないよ?むしろ良く出来た子だと私は思う!だってルルが居てくれなかったら、今頃私は、デカゴブリンの餌食だよ!?それに…あ!!」
必死に宥める私を水色の瞳が見上げ、その瞳が輝いた時、私の頭脳も輝いた。
「どうしたんですか!?」
話の途中でいきなり叫んだと思ったら「私ったらなーんで今まで忘れてたかな?でもやっぱり私って天才じゃーん」とか言いながらガッツポーズを連続してる私の側でルルは、面食らったように口を半開きにしている。
「キャッ!」
悲鳴をあげるルルをお構い無しに、何の説明もせずルルの脚と背中に手を回し持ち上げた。いわゆるお姫様抱っこってやつですね!ルルは見た目を裏切らず、私の力でも軽く持ち上がった。
「足翼!!さぁ!いっくよー!」
「ほぇぇぇぇぇぇ!?」
ゴブリンの森にルルの情けなくて可愛い悲鳴が木霊した。
もっともっとルルとサキの仲を良くてから森を出たかったけどゴブリンの森はゴブリンしか居ない…そしてゴブリンキングが消えたいま…ゴブリンは襲ってこない…
だから戦闘で信頼関係築く事が出来ないっていうね………自分で決めた設定&流れで自爆w
てことで、やっと森を出ます!!




