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和風ダークファンタジー系乙女ゲームに転生したけど、死亡フラグは全力回避します。  作者: 蒼井 百年
第一章幼少期 ~まずは死亡フラグを撤去します!~
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21話 ~心の休まらぬパーティー~

 手に着けた神楽鈴を鳴らし、舞が始まった。

 陽向と歩みを揃えて、弾みをつけて跳ねる。この動作って前世でいうバク宙のようなアクションなんだけど、身体強化術をかけてるから軽く2メートルぐらい上がる。跳躍力こっわい。

 ちょっと跳ねたかな~。って思ったら人の頭の上、って怖くない?


 まぁ、なんだかんだありつつも、山場を迎える。お互いに視線を交わす。

 それが次の行動の合図。お互いに向けて魔法を放てば、っと。うん、放たれた魔法波は、当たる寸前で光の粒になって消える。

 ふふん、実は防御魔壁を展開してるから、お互いに攻撃してもノープロブレム、なのさ。

 観客席からため息が洩れるのを感じる。うんうん、感度も結構いいじゃん。


 その後も何回か工夫を凝らした業を繰り返す。アクロバティックって感じの、機敏に動く技を。うーん、我ながらここまで動くと怖いな。

 なんか、脳内のイメージがそのまま体に反映される感じ?


 ……勿論、前世の私だったらぜっっったいに、やりたくてもやれないようなものばかりだけどね。


 そうして、舞もラストスパートとなったとき、ふいと、視線を外にずらした。

 

 ……!見ちゃった。

 せめて、舞が終わってから、って意識してたのに!


 私の視界に入ってきた(・・・・・)のは、観客席に座る見目の美しい人々。

 貴族の素敵な奥さまや、旦那様。数多くの使用人たち。皆々様、見目が美しい方々が多く、きらびやかな衣装に身を包んでいた。


 思わず、タイミングが合わなくなりかける。けれど、陽向が気付いてあわせ(フォローし)てくれる。助かった。あとでお礼言わなきゃ。

 流石は陽向、ズレなんて無かったかのように、すらりと合わせてくれた。


 観客席にいる人々を見ただけならば、私は動揺しなかっただろう。


 私の心を乱したのは、前世で何度も見た、彼ら。あの頃よりは少し幼い顔をしている、他の攻略キャラが。

 視界に映らせないようにしつつも、チラチラと映ってしまう。まるで、吸い寄せられるように。

 あぁ、これが……。これが、目を奪われるって感覚なのか。

 ごめん陽向。集中力が散漫してるみたいだ……。


 それでも一応は陽向のお陰もあって、観客には特に怪しまれることもなく舞えた、らしい。舞終えると、拍手が起こった。

 衣装をひらりと翻して礼をする。一層強まる拍手。良かったぁ。この拍手は良い感じに終わったということ、だと思いたい。

 途中で若干戸惑ったこと、琥珀お兄様にバレちゃってたりしないよね?何度か練習を見てもらってたからなぁ……。


 取り敢えず、陽向にお礼言わなきゃ!


「陽向!ごめんね?ちょっとタイミングずれちゃった……。フォローありがとね。」


「ううん、大丈夫。凄く調子良かったのに、びっくりしちゃったよ。まぁ、ほんのちょっとしたズレだったし、そんなに気にしないで?」


「ん~、観客がいっぱいいるな、って思ったら、ね。なんか緊張しちゃった。」


 うー、嘘ついてごめんよ陽向ー。けど、本当のこと(攻略キャラ云々のこと)を言って、電波扱いされるわけにもいかないんだよ……。


「そう?なら良かった。足首でも痛めてたら心配だな、って思ってたんだ。」


「ふふ、心配してくれてありがとう。」


 その後、軽く舞について反省をしていた。その間に多くの貴族の方々が称賛の言葉をかけてくれた。魔法を取り入れた舞や、ちょっと特異な技を使ったりした事が結構評判になったみたい。

 誉められるのはやっぱり気分良いな。前世では何をしても人並みだったからなー。努力が実を結ぶって、こんなに嬉しいことだとは思わなかったよ。


「あっ、いたいた。探したよ、凜。」


「お兄様!どうしたんです?そのように急いで……?」


 挨拶回りをしているうちに、もといた場所より離れてしまったらしい。琥珀お兄様がわざわざ見付けて駆けつけてくれた。

 少し髪を乱す姿も、十三歳とは思えないほど色っぽい。

 補正でもかかってんのかな?ってぐらいには。仮の魂だったとはいえ、……実の兄の恋路にも嫉妬して邪魔をする妹だったしな。あながち冗談ではすまされないのが怖い。


 一息吐くと、笑顔で用件を話してくれた。


「うん、さっき言った僕の友人を紹介しようと思ってね。」


 ゆう、じん……?って、もしかして、もしかしなくても、……東堂院、瀧清。だよね。


 どどどど、っどうしよう。あっ、あまり顔を覚えられるのは得策じゃないよね?後々ヒロインちゃんに、目をつけられるのも……ねぇ。


 うーん、可もなく不可もない感じでいく、か?

 そうだなー、軽く挨拶して、特に印象に残らない感じの令嬢を演じていよう。

 んでもって、会長(まだ会長じゃないけど、前世での愛称だから癖のようになってる)からの印象を"気の合う友人の妹"から、"そこら辺にいる貴族令嬢"にランクダウンさせよう!


「あぁ、お兄様のご友人!わかりました。どこにいらっしゃいますか?」


 あくまで、一般的な令嬢。あくまで、一般的な令嬢。よしっ!オッケー。私なら出来る!


 あ、やばい。……一般的な令嬢って、どんなんだ?


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