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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

完璧少女

作者: たけぼ
掲載日:2014/05/30

その少女の人形のような端正な顔立ちに、道行く誰もが振り返った。

その少女の透き通るような声に、声聞く人皆聞き惚れた。


まさに完璧な少女、それが『里美』だった。


16歳の里美。何1つ欠点が見つけられない。

強いて1つ欠点をあげるとすれば、それは『完璧』ということだった。



『里美、この前言っておいたこと、やってくれた?』


『もちろんです。お母様...』


『そう、それなら良いわ。早く部屋に戻りなさい。』


『はい。お母様...』





『里美、昨日約束したこと、やったのか?』


『もちろんです。お父様...』


『そうか、それなら良い。早く部屋に戻りなさい。』


『はい。お父様...』



彼女は何をするにも妥協を許さない。

そんな彼女には、とても大切にしている白い猫がいた。

その猫が数日前より体調を崩し、ほとんど動けない状態になっていた。



『ルナ...元気がないね。明日お医者さんに行こうね。』



獣医師からは、白猫「ルナ」は余命1か月と伝えられた。



『ルナ。あと1か月で死んじゃうんだ...』



里美は目を瞑っているルナを、華奢な腕でやさしく抱いたまま、机の上のカレンダーを1枚捲った。

そして6月30日の欄に、小さく 『死』 と書き込んだ。



その6月30日がやってきた。

ルナは回復してはいないものの、かろうじて息をしていた。



『あれ...6月30日になったのにルナまだ生きてるんだ...

 私ね、一度決めた約束事は、破るわけにはいかないんだ...』



少女の白い手が、白い猫の首にふんわりと巻き付いた。

人形のような少女は手にゆっくりと力を入れ、透き通るような声で呟いた。



『バイバイ..  ふふふ...』


- 終わり -

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