イトコが理事長になった理由(わけ)
『バッドエンディングからはじめましょう』のイトコ視点書いてみました。
皆さま、初めまして
僕は有城東馬といいます。
有城学園に通う高校2年生です。
ちなみに、有城学園は中高一貫校の私立校です。
名前を見てお気づきかもしれませんがこの学園は、僕の一族が運営しています。
つうか、学校名が苗字の読み方変えただけって……創立者はなにを考えていたんだろう。
まあいいか。
いまさらだし……
今、僕の通っている学園は荒れに荒れまくっています。
あ、不良が蔓延っているとかいう意味ではないです。
うちの学校って珍しく不良生徒が一人もいなんですよね…
荒れている原因は1人の転入生(女)。
うちの学校毎年1人は必ず転入生がいるんだよね。
卒業生であるイトコに聞いたら「そういう学校なのよ」と笑顔で返されました。
まあ、うちの学校は他校といろいろ違う部分が多いみたいだけど、ほとんどの生徒は『そんなものか』と受け止めています。
かくいう僕もそうでした。
去年転入してきた一人の少女
イトコは1st主人公ちゃんと呼んでいます。
なんで、ヒロインちゃんなんだろう?
彼女が転入してきてから学園の中心に居た生徒会が全く機能しなくなりました。
うちの学校は他校と違って毎月何かしら一般公開をしている行事があるのです。
ご近所様からも評判で毎回たくさんの方が参加する行事です。
その行事を中心になって運営する生徒会が全く仕事をしなくなりました。
このままではご近所様に悪い評判が立つと各委員長たちが集まり、先代の生徒会役員達にSOSを発信しました。
本当は泣きつきたくなかったです。
自分たちの力で解決したかったです。
ですが、僕達には行事に関する資料も知識等もないのです。
いままでずっと生徒会役員のみで行事を運営をしていたので一般生徒はただ参加するだけだったのです。
資料はすべて生徒会で管理。
閲覧できるのも生徒会役員のみというなんとも面倒なシステムなんです。
幸いにも僕のイトコが元生徒会副会長だったので藁をも掴む勢いで泣きつきました。
昔から僕をかわいがってくれていたイトコはすぐさま相談に乗ってくれました。
イトコはすでに社会人で僕よりも10歳年上ですが、とてもかわいらしい人です。
背が高い事がコンプレックスみたいですが、すらっとしていていつも仕事の時はビシっとスーツを着こなしている姿は出来るオンナって感じで憧れます。
プライベートでは可愛らしいワンピースなどを着ることが多く、可愛らしさが倍増しています。
仕事姿しか知らない人がプライベートの彼女の姿を見て、そのギャップに驚きます。
まあ、そのギャップが世の男性を釘付にしていることにイトコは全く気付いていませんけどね…(苦笑)
あえて、教えもしませんけど!
忙しいイトコから授かった知恵をもとに僕たちは各行事毎の実行委員会を設立。
当初理事会とOB・OG会は批判的だったが『生徒会ばかりに負担を掛けたくない。僕たちも力になりたいから実行委員会を立ち上げた』と訴えたらあっさりと了承を得た。
後で聞いた話だと先輩達がいろいろと話を通してくれていたみたいだ。
何から何までご迷惑をおかけして申し訳なさでいっぱいです。
1人1人にお礼をして回ったら
『先輩として当然のことをしただけだ。大変だろうけど頑張れ!困ったことがあれば相談しに来なさい』
と励まされました。
いい先輩たちに僕たちは恵まれております。
機能しなくなった生徒会を無視して僕たち実行委員会は先輩たちからこっそりと行事に関する資料等を貰い行事を乗り越えてきた。
転入生が興味ある行事に口出ししてくるのにはイラっとしたけど、表面上は何でもないようにやり過ごしました。
ご近所様達からもとてもよい評価をいただきました。
だが、その評価が実行委員会に対してではなく生徒会に取られたのは納得いかない……
生徒会が機能しなくなって1年。
僕たち一般生徒達の鬱憤も限界にきた頃、イトコが学園を訪ねてきた。
中務センセを探しているというイトコに生徒間ネットワークを使って食堂にいることを伝えて一緒に食堂に向かったら……
ここ最近よく見かける光景が広がっていました。
イトコは食堂で繰り広げられている『逆ハーレム』(イトコ談)を見てそれはそれは美しい笑みを浮かべております。
隣から漏れてくる冷たい黒いオーラに僕は悪寒が走りました。
あとで聞いたところ、あの食堂にいた生徒会役員+α以外は全員同じく悪寒が走ったそうです。
逆ハーレムの中にはイトコの元恋人もいた。
転入生が来るまではまともで、イトコを陰ながら支えていたいい人だったが、転入生が来てからは転入生ばかりにかまけてイトコを蔑にした。
こんな男、イトコに相応しくないと浮気の証拠(転入生とのアレコレ)をイトコの友人に見せながら相談する振りをして巻き込み、破局へと追い込んだ。
イトコも『私をキープちゃんにするとはいい度胸じゃないの!そんな男、こっちから願い下げよ!』と怒り心頭でした。
婚約直前までいっていたのを見事に破談にしました。
だって、イトコの悲しむ顔は見たくないのでイトコが不幸になる前に悪い虫は追っ払ないとね。
イトコは普段は穏やかな笑みを浮かべてのほほ~んとしているように見えるが、キレると怖い。
僕達イトコの中で一番怒らせたら怖い人です。
食堂でのイトコと生徒会役員+αとのやり取りはすぐさま学園内に広まりました。
半年前に就任して、わざわざ全校集会を開いてまで紹介された新しい理事長の事を生徒会役員が誰一人として知らなかったと……
この話は学園の生徒のみならず、OB・OG会の皆様をはじめ、ご近所様にも知れ渡ったみたいだ。
新理事長が就任した時、ご近所様を招いてちょっとしたパーティーを開いたからOB・OG会の先輩方やご近所様も誰が新しい理事長になったのか知っています。
ましてや、就任してすぐに生徒会役員は理事長と会食までしていたという事実もあとから出てきました。
さすがに顔合わせをしていたのに知らなかったという言い訳は通じません。
生徒会役員への一般生徒から向けられる冷たい視線は日に日にひどくなっていきました。
生徒会役員の親たちそのことに気付いて理事長に……イトコに平謝りに来たそうです。
そう、新しい理事長は僕の憧れのイトコ。
来條純玲
僕のおじい様から半強制的に引き受けさせられた理事長職を毎日一生懸命こなしている人です。
最近は余裕ができてきたみたいだけど、それは秘書の西条さんのおかげかな?
西条さんは30代前半だけど、イケメンで優秀な秘書殿です。
イトコも全面的に信頼を寄せている数少ない男の人で、僕もかなり信頼を寄せている。
理事長は生徒会役員の親たちから転校させたいと言われたらしいが、転校させることだけは許さなかったらしい。
自分たちが犯した現状を把握せずに逃げることは許さない。
自分たちが如何に学園を混乱させたかを実感し反省するまで卒業もさせないと宣言したそうだ。
さすがに、卒業うんぬんはただの脅しだと思うけど……
生徒会役員の親たちは自分たちの子供がどれほど学園に迷惑をかけたのかを知り、自分たちの甘さを反省し、今後厳しく教育していくと誓ったそうだ。
しかし、理事長と親たちの願いとは裏腹に生徒会役員は心を入れ替えるどこか新たに発足させた生徒会を批判し始めた。
旧生徒会 VS 新生徒会
となったのだった。
もっとも、ほぼ9割の生徒が新生徒会を支持しているので生徒会と言えば新生徒会の事を指すんだけどね。
そういえば、旧生徒会 VS 新生徒会について理事会もOB・OG会も一切口出ししてこなかった。
理事長にそれとなく聞いたら
「2nd主人公ちゃんが学園に慣れる為には必要な出来事なのよ」
とわけの分からないことを言っていた。
2nd主人公ちゃんって、先月転入して来た子のことだよな?
なんで名前で呼ばないんだろう……
僕たちの事はちゃんと名前で呼ぶのに……
旧生徒会 VS 新生徒会に終止符が打たれる頃
僕はイトコが理事長になった理由を偶然、知ってしまった。
イトコが理事長になった理由が
『昔大好きだったゲームの世界に転生して、大好きだったイベントが間近で見れて、彼女たちに関わることが出来るなら理事長でもなんでもなるわよ!し・か・も、ただの傍観者じゃなくて2nd主人公の相談役になれるのも嬉しいわ~!2nd主人公ちゃんは本当にかわいいわ~!妹にしたい!!!彼女には1st主人公ちゃんのような子になってほしくないもの!逆ハーレムなんて言語道断!誰か一人に絞らせるんだから~!!!!』
という何とも言い難い理由だったことは僕の胸にだけ秘めておいた方がいいかもしれない。
そもそもゲームの世界ってなに?
あえて、イトコの性別は不明のままで…ヾ(--;)ぉぃぉぃ
(T▽T)アハハ!
もう、何を書いているのかわからなくなったわ。
お読みいただきありがとうございます。
ペコリ(o_ _)o))
一応イトコの紹介を簡単に…
有城東馬
高校2年生
『バッドエンディングからはじめましょう』の主人公・純玲とはイトコ同士
東馬の父と純玲の母が姉弟
年は離れているが近所に住んでいるため仲が良い
中務真人(作中の中務センセ)の事は出会った時から嫌い
イトコとは違いこの世界がゲームの世界であることは知らない
こんなところでしょうか…