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 決定事項

 ・絵本製作第一弾は「北風と太陽と雲」

 (以後、作業の進み具合により第二、第三へといく。その作品順は未定)

 ・下絵は月曜まで→ 四条

 ・色塗りは月曜から二週間で→ 伍代・四条・三矢・国府田・(岡村)

 ・台詞とト書き→ 三矢・国府田

 ・各上演場への予定の通知→ 伍代

 ・担当の先生への報告→ 伍代

 

 メモ帳にそれらのことを書き、みなと確認した。

 何作か並行して作るといった案も出たが、まずは一作仕上げようということで落ち着いた。

 一作に集中。

 しかし、進行の状況によっては、適宜対応をしていこうといった確認もした。



 「あ、このことを岡村さんには……」と三人を見ると、「俺が伝えとく」と伍代君が言った。


 その確認が終わったあと、四人でいよいよ、「北風」の場面決定を始めた。

 一枚一枚の絵と、私が書いた物語を比べた。

 原稿には、四条君による場面番号(本でいうならページ)があり、わかりやすかった。

 チェックする点は、場面の選択と、絵の表現やアングルが適切かについてだった。


 場面選択については、みな賛成だったが、絵については伍代君が「もっとここを大きく」とか、「絵を単純にして」と積極的に意見を言っていたので、私も遠慮することなく「こっちを中心にしたほうが」とか「もっと上からのアングルがいい」など、ほんと容赦ない発言をしてしまった。


 それを四条君は怒ることなく、受け止めているんだから、彼は人間ができている。

 意外だったのは、一番何か言いそうな双葉が、何も言わなかったことだ。




「じゃあ、これ」

 学校のコピー機の前で、四条君は描き変えた場面の下書きを、私にくれた。

 

 さて、どうしよう。

 絵を見て台詞を選んで。

 

 台詞はいいのよ、選べるから。

 問題は、もっと大きなこと。

 台詞だけのことじゃない。

 紙芝居のしくみを、もっとじっくりと調べたい。 


「なにを考えてるの?」

 双葉に聞かれたので「うん、ちょっと明日にでも、図書館で紙芝居を見てみようかと思って」

 何をどう選んだら紙芝居っぽくなるのか、参考にしたいと思った。


 「三矢さんの家の側の図書館といったら」と、双葉がその館名を挙げた。

 そして「アシスタントとしては、お供をしないわけにはいかないね」と。






 三人と駅で別れ、電車に乗り込みながら、何かを忘れているような気持ちになった。

 なんだっけな、と思いつつ、席に座り四条君からのコピーを広げると、その紙に影が落ちた。


「三矢さん、伝えてくれた?」


 冷ややかなその声を聞いた途端、思い出した。

 いえ、出しました。

 あわわわ。


「ええと。それは……」


 忘れていたわけじゃない。

 昨日だって家に帰るまでは、もうどっぷり自己嫌悪に浸るほど、考えていましたよ。

 ただミチカの涙の跡を見た瞬間、全てを忘れてしまったというか。

 あぁ、だから、忘れていたってことか。


「あ、ごめん。それは」

 

 そもそも、そんな軽い提案をしたのは私だ。

 そして、そのことをころっと忘れたのも。


「……裏に、行きますか」


 観念した声を出すと、「三矢さんの言っている意味分かんないけど、とにかく次の駅で降りて」ときっぱり言われた。


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