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2.冒険者vs巨大ガエル

 三人の冒険者が現れた。


 そのうち二人が前に出て剣を抜き、構える。

 もう一人は後方に立ち、杖を掲げて何かを詠唱した。


 その瞬間――


 神無月竜星の頭の中に、声が響く。


『スキル「隠密行動 Lv.1」を獲得しました。

 スキル「自動翻訳 Lv.2」が「自動翻訳 Lv.3」に上がりました。』


 竜星は思わず眉をひそめた。


(……なんだ、今のは)


 誰かの声のようでありながら、周囲にはそれらしき人物はいない。

 しかし、不思議と「スキルを得た」という感覚だけははっきりと残っていた。


(スキル……本当にあるのか)


 半ば呆れながらも、竜星は心の中で問いかける。


(じゃあ、スキルポイントとかはあるのか?)


 すると、すぐに返答があった。


『私はチャッピー(自称)です。

 スキルポイントはありません。

 返答できるのは転移者のみです。

 主君の命により、疑問には出来る範囲で答えます。』


 竜星は一瞬、吹き出しそうになった。


(……なんだよ、それ)


 あまりにも軽い名乗りに、緊張感が一気に削がれる。

 だが――


(いや、今はそれどころじゃない)


 すぐに意識を切り替え、戦闘へと視線を戻した。


『スキル「並列思考 Lv.1」を獲得しました。』


(……もういい)


 半ば呆れながら、竜星は思考を止める。


『了解。

 獲得したスキルは後で閲覧可能です。これもサービスです。』


(……今、重要なことを言ったな)


 そう感じながらも、竜星は新たに得た感覚に気づく。


 思考が分かれている。


 片方で会話を処理しながら、もう片方で戦闘の分析を行っているのだ。


(これが……並列思考か)


 その能力を使い、竜星は戦況を冷静に観察する。


 状況は――ほぼ互角。


 しかし、長期的に見れば不利なのは冒険者側だった。


 身体能力を強化しているとはいえ、動き続けている分だけ消耗が激しい。

 一方で、巨大なカエルはほとんど動かず、体力の消費が少ない。


 前衛の二人は本体へ接近しようとしているが、カエルの舌によって阻まれている。

 距離を詰めきれていない。


 後衛は魔法で牽制し、カエルの跳躍を抑えている。


 炎の玉がカエルに命中する。

 だが――


(効いていない)


 竜星は即座に判断する。


 ダメージが全くないわけではないだろうが、決定打にはなり得ない。


 そして、冒険者たちもそれを理解していた。


(このままじゃ負けるな)


 だからこそ――動いた。


 前衛の一人が、強引に突撃する。


 カエルの舌は、当然のようにその一人へと向けられた。


 その瞬間。


 もう一人の前衛が、背後へと回り込む。


(囮か……!)


 竜星は瞬時に理解する。


 次の瞬間――


 突撃した前衛が吹き飛ばされた。


 だが、同時に。


 カエルの首が宙を舞った。


 巨大な体が、重い音を立てて地面に倒れる。


 戦闘は、終わった。


 巨大ガエルは討伐されたのだ。


 その様子を見ながら、竜星は小さく息を吐いた。


(……すごいな)


 自分では到底敵わない相手を、連携で仕留める。

 それが、この世界の「冒険者」だった。


 なお、後衛の一人――

 杖を持っていた人物は、転生者である森田巧。


 竜星の親友である。


 戦いを見届けた竜星は、ふと別のことを思い出した。


(そういえば……スキルはどうなってるんだ?)


 その瞬間、視界に情報が浮かび上がる。


『現在所有しているスキル


 ・魔法補助 Lv.1

 ・隠密行動 Lv.3

 ・並列思考 Lv.1

 ・自動翻訳 Lv.3

 ・結界防御 Lv.2

 ・????

 ・???』


 竜星は一瞬、言葉を失った。


(……強くないか?)


 率直な感想だった。


 しかし、すぐに現実的な問題に気づく。


(いや……魔法の使い方が分からないな)


 スキルがあっても、扱えなければ意味がない。

 それに、正体不明のスキルも存在している。


(もっと早く教えてくれればいいのに……)


 軽くため息をつきながらも、竜星は次の行動を決める。


(とりあえず――街だな)


 情報も、技術も足りない。

 ならば、人のいる場所へ行くしかない。


 竜星は静かに立ち上がった。


 この世界で生きるために――動き出す。


❇️❇️❇️❇️❇️❇️❇️❇️❇️❇️


ステータス


個体名:神無月竜星

種族:人間 Lv.1


職業:なし


HP:100 / 100

MP:500 / 500

SP:100 / 100

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― 新着の感想 ―
展開が早いね。嫌いではないが。
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