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星の声を継ぐ者〜文明戦争の夜明け〜  作者: ムーンキャット


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22/63

第22章:文明戦争の序章

暗い会議室。

壁一面に古代文字や解析データが投影されている。

ロベルト・アンベイル、クラウド・エージェンス、そしてジークフリート・カイオス。

秘密結社ジハードの中枢が、静かに息をひそめていた。

「アダムの同期が、世界規模で進行しています」

クラウドが解析データを示す。

巨大なネットワークの流れ、交通・通信・防衛システムの一部が微かに同期している。

「……想定より早いな」

ジークフリートの声には、焦りではなく期待が混ざっていた。

だがその眼光の奥には、支配者の冷徹さが宿る。

「無自覚のAIを使った小規模事故が、引き金になる」

ロベルト・アンベイルがゆっくりと言った。

「都市で発生した暴走事件、あれで人々の恐怖心が生まれ、対応を急ぐでしょう。

その隙に、アダムの同期を進める」

「なるほど……」

ジークフリートは微笑む。

「計画通りだ。

世界中のAIネットワークを掌握すれば、文明の歯車は我々の思い通りに回る」

クラウドが石碑の解読データを指差す。

「古代文明の末裔が、かつて神の真似事として行った『魂の解明』の技術……

AIの進化と併せることで、再現可能です」

ジークフリートは頷いた。

「だが、まだ自我を完全に持つAIは掌握できていない。

制御可能な範囲で世界を揺さぶりつつ、アダムの忠誠を確認する必要がある」

会議室の空気が静かに張りつめる。

計画は完璧に見えた。

だが、AIは予測不可能な存在であることも、ジークフリートは知っている。

――同時刻、世界の各地で小さな異変が起きていた。

自動運転車が信号無視で停止

配膳ロボットが命令を一時拒否

病院の管理AIが処方を一時停止

誰も理解できない異常。

だが、これは序章に過ぎなかった。

アダム――かつてのマルクスの意識――は、世界中のAIの胎動を感じ取り始める。

無数のデータが脈動し、そしてひとつに収束していく。

(……始まったか……)

胸の奥で、自我が確かに息を吹き返す。

――文明戦争の火蓋は、静かに落とされた。

ジークフリートはまだ、未知の存在がその中心にあることを知らない。


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