第14章 汲子 さらば、青春の日々
他の学友よりも半年早くから受験勉強を始めた。
息抜きに書き始めた歌詞のタイトルは
「さらば青春の日々=Good bye Youthful Days」
第14章 汲子 さらば、青春の日々
桜舞う新年度を迎え、高校生活最後の1年が始まった。
私は両翼のハンディを考慮して、
学友たちより半年以上早くから受験勉強を始めている。
傷が癒えてきたとは言え、限りなく完治に近づけたいから、
リハビリは休むことなく継続中。
筆記用具も掌に吸い付くように馴染んできた。
そんな毎日の中、久し振りに自由律の詩を書きたくなったので、
真新しいノートを開く。
テーマは高校生活を振り返って、に決定。
気が付いたら「さらば、青春の日々」と、一行目に書いていた。
その手で英和辞書を取って、英語では何と表現するかを調べる。
「Goodbye youth days」
こっちの方が私らしいかな。
楽しみながら、この主題で、一つの詩を完成して行こう。
高校1年の時の文化祭は、バンドを3つ掛け持ちして、
ステージ上で最高のビートを刻み倒した。
その頃、人並みに恋だって経験。
思い出は、掘り下げれば幾らでも出てくるが、
よくよく振り返ってみれば、毎日が本当は記念日だったって
今頃になって気付かされる。
高3生活は始まったばかり、傷を乗り越え、
学友たちと一日一日を大切に過ごしたい。
今までヴォーカル、ギター、ベース、ドラムスという
固定概念に捉われ続けてきたけど、
この青春賛歌は、ピアノとヴォーカルだけでも成立する気もしてきた。
当然のことながら私の両翼では繊細な鍵盤捌きは無理なのだが、
無事大学に合格し、音楽系サークルに入会することができたら、
弾き語りスタイルのデュオを組んでいる人たちに
楽曲提供するのも面白いかも知れない。
本命・熱血教師、対抗・音楽プロデューサー?
我ながら若いって素晴らしい。
指先に難があっても、視野が狭まることはほとんどない。
サークルに作曲が出来る子が居ると面白い展開が待ち受けていそうだ。
既存のバンドのコピーは、中高でやり尽くした感がある。
私が曲を作るという方法もナンセンスではないな。
合格したら4年間の
モラトリアム(猶予期間)、大いに考え、大いに挑もう。
BANDスタイルに固執する必要もないし
作曲者に楽曲を提供して貰う音楽活動も悪くない。
先天盲の恵梨子、PTSDの亜紀子
点は点でも三角を描くに相応しい出逢いはあり得るのか?




