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第09章 第2楽章 亜紀子 今はJKの私たち

 先天盲だからこそできること

「夢があってね……」語り出す箸元恵梨子。

彼女はどんな夢想を自己実現するのだろう?

第09章 第2楽章 亜紀子 今はJKの私たち

 人も車も船も空に浮かんでる……

メルヘンチックなイメージの強いその構図に

大きく興味をそそられる私。


「これが、恵梨子の空の絵。

あー、鯨が気持ち良さそうに泳いでるよ」


「へぇ、面白ーい。

エッちゃん、実物を見てないあなたは、

どうしてこんなに正確な描写を?」


 心から不思議に思えること。


「さっき兄ちゃんが言ってたけど、

ウチは木工用ボンドで縁取られた絵を

ひたすら指先でなぞって生きてきたんよ。

家にある絵本は全部ボンド仕上げになっているし、

足りない画は母さんや兄ちゃんが

画用紙に描いてくれた。

二人の絵の先生に、

指先からインプットした情報を

アウトプットする行程を

見てもらって、

正確になぞれていないことが判った時は、

言葉で情報を再構築してもらったりしてね。


ウチ、目が見えるようになる方法があるならば、

それを一応希望はするけども、

見えていないから

養われたこともきっと多く在ると思うから、

何かを犠牲にするほどなら、

別に今のままでも、って思ってる。


でもね、そういうことは大きな声では言えんのよ。

私は生まれた時からの失明、

つまり先天的な盲目やから、

見えなくて当たり前やけど、

病気や怪我での中途失明、

つまり後天的な盲目の人は、

ある日から大きな恐怖や絶望と闘わないけんのやから。

だからウチは夢があってね……」


 熱弁するエッちゃん、

先輩と二人で引き続き真剣に耳を傾ける。


「……夢があってね、自分の才能を全て注いだ

CDの印税の何割かは、点字翻訳、点字ブロックの設置、

公共施設のバリアフリー化、角膜治療などに

使われるように寄付しよう思うて。


Blind Touchが

完全に商業ベースに乗っかるようなら、

DVDなんかも積極的にプレスして、

目の不自由な人にも映像が伝わるように、

メンバー全員で副音声解説やったりするのも夢。


今ん所、祇織は上京予定だから、

未来のBlind Touchは、

アッコちゃんの成長にかかっとるんよ」


えーっ! そういう話ぃ?

でも素敵な思想、素敵な夢。


「恵梨子、お前は凄いやつだな。

我が妹ながら誇りに思うよ」


「ほんと、先輩の言う通り。

恵梨子尊敬してます、師匠っ!」


弟子の私は刺激ビンビン! 人生ってたった一日、

一人との出会いで変わることもあるんだ。

私は、生まれ来る我が子に、

どんな教えを紐解いていけるだろうか?

 遠い遠い未来に想いを馳せる、今は女子高生。

 上京を夢見る汐音祇織とエレキベースを習い始めた吹丘亜紀子。

二人の交錯はどんな未来を形作るだろう?

先輩のドラムス、幽香さんにも描く進路がある。

Blind Touchは、今が運命の分かれ道。

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