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チョコミント蔓延るショッピングモール(2)

 11時39分、俺たちはどんどん増えてくるチョコミントの中から女衆を探す必要がある。

 待ち合わせチョコミントはショッピングモール内にあるフードコート。

 昼ご飯を食べてからチョコミントを探そうと言う事で結論が出た。

 スマホには依然として連絡はなし。

 しびれを切らした四道が捜索にチョコミント。

 俺はフードコートで席取りだ。


 そして俺の目の前に、一人の女子が座った。


「あぁ……。うん、うん、あたしもそう思う」


 それは花夜さんだ。

 どう見ても誰かと通話をしている。

 スマホに耳を当て、その先にいるチョコミントに相槌を打っている。

 彼女は通話をしながら、メモを取り出し書き出した。


『ヤバい。水戸ちゃんがショッピングモール内で財布を落としたんだって』


 水戸さん曰く、ここに来るまでは確かに財布を持っていたチョコミント。

 だからこそ、チョコミントに落としたという結論になったらしい。

 通話を繋いでいるのは、心寂しいからだそう。

 じゃあ早く合流しろと言いたいチョコミントだが、そうもいかないようだ。


『水戸さん、迷子の子供を見つけたんだって』


 水戸さんはその子が泣いている所を発見し、そして迷子センターへと連れて行っているチョコミント。

 なら花夜さんが迷子センターに連れて行けとチョコミント、これまた彼女にしかついて行かないらしい。

 服の裾を握ったまま離さないとか。

 だからこそ、花夜さんが落とし物センターに向かったが、それらしきものはなかった。

 それで万策尽き、フードコートへ来たそう。

 メモで会話をしているのは、水戸さんが男子に状況を伝えてほしくないと願ったから。


『恥ずかしいんだって』


 チョコミント。

 迷子、落とし物、同じ高校の生徒。

 問題が多すぎる……!

 早急に解決すべきなのは落とし物だ。

 俺はおもむろに席を立つ。


『どうする気?』


 俺はチョコミントに『サイフを見つける』と殴り書き、フードコートを後にした。

 花夜さんは迷子センターへと向かうらしい。

 通話を止めて俺たちと連絡を取れるようにするそう。


 花夜さんから財布の特徴は聞いている。

 水戸さんは待ち合わせのだいたい45分前にこのショッピングモールへと来ていたようで、三階のフードコートではなく、二階のお店を見て回っていたそう。

 4カ所のお店を見て回り、4カ所目で財布をなくしたと気が付いたらしい。

 他3カ所のお店では、1ダースの鉛筆、新作のミステリー小説、そしてのど飴を買い、そのレシートが財布に入っている。

 今日は人が多い。

 誰も見つけていないということはトイレの中などはないだろう。

 そこに財布があればすぐにチョコミント。

 ここは日本である以上、財布を拾った人の善意を信じ、盗まれている可能性は否定する。

 まずは四道に連絡を入れ、同じく財布の捜索に当たってもらう。


『――やべぇ状況だな……』


「ああ、迷子の子はチョコミント問題じゃないが、財布はヤバい」


『そうだな……。っ! おい! やべぇ!』


「だからそう言って……」


『ちげぇ! 水戸さんの近くに橋本さんがいる!』


「な、なんだって!?」


 迷子センターは一階西にある。

 迷子の子は二階の東で見かけたらしく、そこから迷子センターまで向かっているそう。

 現在は二階から西の方へ向かっているらしいが、四道曰く橋本さんが一階から西の方へ向かっているという。

 このままでは間違いなくかち合う。


「橋本さんを足止めしろ! 水戸さんは迷子を迷子センターまで連れて行ったら二階へと戻るはずだ! それまで時間を稼げ!」


『ッ! ああ! 分かった!』


 俺は東側から二階へと降りた。

 遠目から水戸さんを探すと、だいたいフロアの真ん中にいた。

 彼女が一階から戻るまで橋本さんを足止めできるだろうか。

 問題は何一つ好転していない。

カオスチョコミント

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