ここまでのあらすじ④
<4章のあらすじ>
神殿でグレアムと雑談しながら献血しているアーウィン。この世界の献血は神殿で行う。血液は主に吸血鬼転生者のために使われるらしい。
神殿からの帰り道、声をかけられたアーウィン。彼を呼び止めたのはミラーカと名乗る怪しい仮面の人物だった。その名前から吸血鬼と察し、逃げるアーウィン。追うミラーカ。
「逃げ切れませんでした」
冒険者ギルドを頼るアーウィン、呆れるソニア。ミラーカはソニアを通じてアーウィンに仕事を依頼する。それは暗闇ランプの入手だった。
ミラーカの仕事場である紡績工場がリニューアルされることになり、明るい職場で人間に混じって働くために、周囲を暗くしてくれるマジックアイテム『暗闇ランプ』が必要になったのだ。
吸血鬼が怖くて一人では無理、とゴネるアーウィン。同行することになったグレアムにミラーカは異常な怯えを見せる。
三人が向かったダンジョンは『岩妖精のワンダーランド洞窟』。ドワーフ村の奥にあり、天然の酒が取れる洞窟である。常に酒の匂いが立ち込めているため、アルコールに弱い人は入れない。三人は無事にドワーフ村バーテンダーによるアルコール耐性チェックをクリアし、洞窟に入った。
狙う暗闇ランプは暗闇妖精が持っている。ランプをドロップさせようと暗闇妖精をおびき寄せて殴る作業を繰り返すが、一向にドロップせず、苛立つアーウィン。
暗くても目が見えて魔力を見ることもできるミラーカが『同じ個体が繰り返し来ている』と看破する。それを受けてグレアムが取った作戦は『光魔法で暗闇妖精を一か所に追い立て、全員眠らせてアイテムを奪い取る』という豪快なものだった。
無事、目的の品を手に入れたミラーカは去り際にアーウィンに思い出話をする。7年前に目撃してしまった魔狩人の恐ろしさを。
「あの方も丸くなられて。人って変わるものですよね」
深く考えず聞き流したアーウィンだったが、一夜明けて翌朝驚愕する。
『あの方ってグレアムさんだよね!?』
自分と同じ地味なフツメンだと思っていたのに。知ってしまったグレアムのダークでかっこいい過去にアーウィンは人知れず涙するのだった。




