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総転生世界 〜Everyone Reincarnated~  作者: ful-fil
クライアント ここは暗闇の洞窟

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インプの棒

挿絵入れてみました。Bing Image Creator生成。

挿絵(By みてみん)


 この棒がマジックアイテム。

 初めて言われた、そんなこと。

 ちょっと理解が追い付かない。

 え、これただの『さくらの棒』じゃなかったの?


「アーウィンさん、事実ですか?」

「えっと、俺にもよくわからないです。ていうかただの棒だと思ってたんですけど」

「ミラーカさん、間違いないですか?」

「ひいっ! ……は、はい。私は魔力を視覚的に捉えることができますので。くっきり見えます。その棒には魔法が付与されています」


 グレアムさんの質問に怯えながらも、ミラーカさんは断言した。

 俺の武器に魔力が付与されていると。


 そうか、これは魔法の武器だったのか。

 なんか丈夫で壊れないな~と思っていたけれど、魔法武器だったからなんだな!

 絵的にはただの棒だけど!

 すごいぞ、棒!

 魔法の棒!


 棒を高く掲げる俺の目はきっとキラキラしていたと思う。

 そんな俺の感動に関係なく、グレアムさんはミラーカさんから事情聴取の続きをしている。


「それでどのような魔法が付与されているんですか? 詳細はわかりますか?」

「ひいいっ! ……は、はい。割と見慣れた感じの魔法なので、わかります。えと、吸血鬼でも使う人がいますし、黒魔術系の人でも使うことが多いかと。暗黒魔法の初級呪文です。『忘却フォーゲット』です」

「『忘却フォーゲット』ですか。その効果は?」


 忘却の棒!

 なんか語呂もいい!


「ひいいい~! えと、効果はですね、かけた対象の記憶を何か一つ忘れさせたり、完全に忘れないまでも思い出しにくくしたりするんです。精神操作の基礎呪文ですので、効果はあんまり強くなくて、普通はかけても3回に1回くらいしか効きません。でもうまくいくと相手が都合よく大事なことを忘れてくれるので、もめ事を回避したり、逃げる時間を稼いだりできて便利なんです…と知り合いが言ってました」

「ミラーカさん、最後の付け足しが不自然ですが、自分で使ったことがあるのでは?」

「ひいいいい~、すみません、すみません、一回だけです、若い頃に、ほんと右も左もわからなかった頃に、一回だけなんです、すみません」

「べつに咎めませんが…魔法の使用には責任と安全を心がけてください。悪用はしないように」

「はい、もちろんです! 決して悪用などいたしません! したことありません!」

「あんたさっき『一回使った』って言ったよな。ごまかし方がド素人なんだよ…。まあいいですけど。悪用だったとは限りません。正当防衛の可能性もありますし」

「ご、ご理解いただけて何よりです」


 なんかグレアムさんがミラーカさんにちらっと本音の毒舌垣間見せてるけど、そんなことより俺の頭は『魔法武器にいかにカッコいい名前を付けるか』でいっぱいである。

 やっぱり『エクスカリバー』ではありきたりだろうか?

 刃が付いてないから、打撃武器ということで『ミョルニル』とかの方がいい?

 棒で有名武器というと如意棒があるけど、それはなんか違う。

 しっくりくるネーミングを考えなければ!


「棒持って踊ってるとこ悪いですけど、アーウィンさん、まとめると、これまでに出てきた暗闇妖精は同一個体で、その棒で殴られたことにより『忘却フォーゲット』の効果が発動し、殴られたことを忘れて逃亡後、スペアのバッグを装備し直したところを焼き鳥の匂いに釣られて盗みに来ては殴られて、またその事実を忘れる……というサイクルを繰り返していたことになりますね」

「ということは、棒で殴らず素手で殴ればいいですか?」

「えと、あの、私思うんですけど、その何回も出てきていた猫ちゃんは暗闇ランプを持ってないんじゃないかと。持ってないから落としてくれないんじゃないかと、多分ですけどそう思いました」

「…根拠は?」

「えと、それはですね、バッグから魔力を感じなかったんです。マジックアイテムが入っていたら少しは魔力が漏れ出ると思うんです」

「…なるほど。では暗闇ランプを持ってる猫と持ってない猫がいると仮定して、持ってる猫を探す必要がありますね」


 どうやって区別するんだそんなの。

 裕福な猫とビンボーな猫の区別なんて…いや、わかるのか?

 裕福な猫は毛が長くてツヤツヤだったり、ビンボーな猫は痩せてて薄汚れてたりするのかも。

 しかしこの暗がりでは細部までは見えないし…あ、見えるのか、ミラーカさんは。

 

「じゃあミラーカさんの暗視で、裕福そうな猫とそうでない猫を見分けるという作戦で」

「よくそんなふざけた作戦思いつくな。お前の頭にスライム詰まってないか心配だよ」

「真面目に考えて提案したんです。本音モードで心配しないでください。傷つきます」

「失礼しました。延々繰り返した作業が無駄だったと知った衝撃のせいで、無邪気な提案にイラッときてしまいました。ここからは時短で行きましょう」


 俺の素直な提案は一刀両断された。

 代わりにグレアムさんが立案した作戦は時短と言えば時短だった…暗闇妖精には災難だったけど。

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