魔法使い③
帰ってきました冒険者ギルド。
頑張ってスライムを倒したので、その分の魔石が買い取り価格20ストーン。
エバちゃんはスライム討伐を手伝ってくれなかった。
『うち物理攻撃苦手やねん。ぶっちゃけグレやんより弱いで。スライムごときに魔法使うのもったいないし。うちの杖は魔法の発動体やからスライム殴るのに使いたないんよ。靴で踏んだら酸で傷むしなー。後ろで見とくから一人でやってみ』
『冷たい! 冒険者の先輩が冷たい!』
といったやり取りの結果、自分一人でスライム20匹倒したのである。
よってスライムの魔石は俺の総取り。
安いけど。
「あ、ソニアさん、ただの棒がスライムの酸でボロボロになりました。別の棒貸してください」
「無料だと思って雑な使い方してんじゃないわよ。貸し出した翌日にボロボロにして返すとか、あんた私を舐めてんの? しまいにゃ泣かすわよ?」
凄まれたけど、とりあえず貸してもらえた。
マイ武器を手に入れるまではこのギルド貸し出し初心者用ただの棒が命綱だ。
早く剣とか買いたいなあ。
フェアリーの魔石は当然だけど単独で倒したエバちゃんの総取りで、俺の財布には入らない。
こっちは20ストーン、あっちは討伐報酬もプラスされて300ストーンと貧富の差が大きい。
やっぱり魔法も使いたい!
採取した薬草は50ストーンになった。
「まいどおおきにー」
エバちゃんがきっちり25ストーン持ってった。
「なにわの商人か!」
「うち商人ちゃうし、そもそも大阪人ちゃうで」
「え。でも言葉が」
「エセ関西弁や。うちの前世はチャキチャキの江戸っ子」
「マジですか!?」
「だったらええなと思てたT県民や」
「願望か! ところで、T県民って栃木ですか、富山ですか」
「それは秘密やねん」
「いいじゃないですか。教えて下さいよ。あ、もしかして徳島県?」
「秘密やし〜、言わへんよ〜」
エバちゃんは笑いながら逃げていく。
めっちゃ気になる!
T県って何県?
東京ではないよね、県民だから。
ねえ、何県?
エヴァンジェリン・フロラベル 通称『小悪魔エバちゃん』
職業:魔法使い
習得呪文:風の攻撃魔法、他、20種類くらい
物理攻撃:最弱の更に下
使用言語:エセ関西弁
前世:昭和に詳しい自称T県民
性格:思わせぶりなセリフを投げかけて笑いながら逃げていく愉快犯
雇用料金:25ストーン/日
挿絵イラストは桜の森で踊るエバちゃんChatGPT生成です。




