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総転生世界 〜Everyone Reincarnated~  作者: ful-fil
チュートリアル ここは転生者だらけの世界

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魔法使い①

 冒険者生活、二日目。


 無口な女将さんが出してくれる洋風の朝食は案外美味しかった。

 宿泊客は今は他にいないのか、テーブルに着いているのは自分一人。

 会話が無いのがちょっと寂しい。

 話し相手、欲しい。


 とりあえず今夜も泊まりたいので仮予約を入れておく。

 筆談で。


『薬草採取してきますので、帰ってきたらまた泊めて下さい』

『お帰りをお待ちしております』


 なんか石板と石筆の使い方にも慣れてきた。

 チョークと比べると手が汚れない分、こっちの方がいいかな。



 昨日と同じ冒険者ギルド。

 受付にいるのも昨日と同じソニアさん。

 酒場にたむろするメンバーまで昨日と同じ。

 そっくり同じ体験が二度繰り返されてる。

 まるでデジャヴのようだ。

 それとも時間のループだろうか?


「おはようございます」

「おはよう」

「早いね」

「頑張ってるね」

「筋肉痛なってへんか?」

「昨日はお疲れ様でした」


 様々な返事が返ってきた。

 ……ループしてないな。

 普通に現実だった。


 軽く会釈しておいて、ソニアさんのいる受付に向かう。


「おはようございます」

「おはよう。宿屋どうだった?」

「銀猫亭ですね。ちょっと変わってるけど、ご飯美味しかったです」

「それは良かったわ。今日はどうするの。また薬草採集?」

「それもいいんですけど、せっかくだから魔法覚えたいなと」


 剣と魔法の世界に来たのに、まだどっちも触れてない。

 武器として装備してるのはただの棒だしね。


「始まったわね。転生者あるあるが」

「あるある…ですか?」

「ゲームやアニメで魔法描写を観てるから、イメージだけで使えると思ってるでしょう」


 図星だった。


 だってだって、ラノベでよくあるじゃん!

 イメージ固めて発動させれば詠唱なんか要らない、みたいな。

 魔法ってそういうものだよね?

 違うの?


「チュートリアルでその先入観を叩き壊してもらうといいわ。エバちゃーん」

「はいな〜」

「新入りが魔法使いたいってさー。指導したげてよ」

「まかしとき。どうやったら魔法覚えられるか、わかりやすう解説したるわ。お代は25ストーンぽっきり」

「え、あ、でも」

「ゆうても金ないんやったなあ。ほな近くの森いこか。採取で稼いで払うてくれたらええわ」

「え、あ、その」

「ほないこかー」


 なぜか勝手に話が進んでいく。

 チュートリアル頼むなんて言ってないのに。

 お金払うなんて一言も言ってないのに。

 会話したいとは思ったけど、こういう強引な展開は望んでない。

 なのに近くの森へ?

 よく知らない女性と二人っきりで?

 無理、無理、無理!


 だが逆らえず、虚しく引きずられていく俺だった。

 誰かー、助けてー。

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