76、転生したら皇帝でした~生まれながらの皇帝はこの先生き残れるか~
【作者】
魔石の硬さ様
【あらすじ】
生まれながらの皇帝……それは一見すると、成功が約束された人生なのかもしれない。ここ『東方大陸』において、『皇帝』を名乗れるのはたった一人。生まれながらその至高の座にいる彼は、順風満帆の人生が送れる……はずが、無い。
先代皇帝である祖父、そして本来皇帝を継ぐはずだった父は、貴族によって暗殺されていた。その貴族らにとって都合の良い傀儡、不要になればいつでも消せる御輿。それがブングダルト帝国8代皇帝、カーマインである。
皇帝は満足な教育すら受けられず、帝国は貴族らの政争により崩壊しつつあった。財政は破綻し、周辺国の介入に対応できず、辺境の独立を許した帝国。この大国が風前の灯火であることは、誰の目にも明らかだった。
……人々はまだ知らない。この傀儡が後に、『帝国中興の祖』『大帝』『最も偉大なる皇帝』と呼ばれることを。
――そして彼が、転生者であることも。
これはよくある異世界転生の、絶対に成り上がれない物語。
【感想】
最初がちょっとハードモードなよくある内政改革ものかなぁと思って読んでみたのですが、全然違いました。結構重めでシリアスな感じです。
内政改革や領地改革ものだと、幼いころから知識チートやなんやで活躍して、神童だとか言われる作品が多いのですが、この作品だと、そうすると目をつけられて殺されてしまうから、愚かな傀儡のふりをするというところが面白いです。実力隠しをする作品はたくさんありますが、なぜ隠すのか納得できる作品は多くないので、すごい良いと思います。
政治や宗教、軍事や主人公を取り巻く環境など、設定がすごいしっかりしていて、リアリティーがあります。設定がしっかりした作品が好きな人にはぜひ読んでみてほしい作品です。
周りの人たちをだれも信頼できないというような状況から始まって、お互いに利用しあったりもしながら、
チートはほぼないので、チートで無双というのが嫌な人にもおすすめです。頭を使って、時にはうまくやれているように感じていても、騙されていたというようなこともあり、何度も危機に陥ったり、また、異世界の厳しい現実を見せつけられたりしながらも、主人公が奮闘して乗り越えていくところが素晴らしいです。
主人公の性格も良いです。主人公がこの腐った国を自分が変えるんだという決意をする場面がとても印象的でした。即位式のシーンもかっこよかったです。主人公の信念に惹かれていってしまいます。
シリアス展開が多く、爽快感が味わえるといった作品ですが、紛れもなく名作なので、読んでいない人は、ぜひ読んでみてください。
【評価】
9,5点
【詳細情報】
ジャンル…ハイファンタジー
更新頻度…不定期
文字数…約74万文字
目安読了時間…約25時間
書籍6巻
コミック2巻
作品URL…https://ncode.syosetu.com/n6066gi/
【備考】
シリーズ累計15万部
異世界転生/転移〔ファンタジー〕累計174位
これからは不定期更新になります。
もしかしたら受験が終わるまで更新できないかもしれませんが、よろしくお願いいたします。