58、魔王と勇者の戦いの裏で ~ゲーム世界に転生したけど友人の勇者が魔王討伐に旅立ったあとの国内お留守番(内政と防衛戦)が俺のお仕事です~
【作者】
涼樹悠樹様
【あらすじ】
ヴェルナー・ファン・ツェアフェルトは現代日本からRPGのゲーム世界に貴族の子息として転生したが、主人公でもそのパーティーメンバーでもない。
それどころかゲーム中には登場しない人物、しかもスキルも槍術ひとつと地味なので能力的には勇者一行のメインストーリーに参加しようもない。
僅かな利点は勇者と友情を築いたという事実と父親がそれなりの高位貴族の嫡子であるという事。ストーリーからみればまぎれもなく脇役だろう。
そんなヴェルナーはひとまず前世の知識とゲームストーリーを知っているという点、さらに貴族としての権利と発言力を生かし、まず魔軍に殺されないよう生き残りを目標に生きていく。
だがヴェルナーの前世知識とストーリーを知っているが故の行動は本人も意図しないところで様々に影響を起こしていき、死ぬはずの人物を生かし、本来ゲームでは起きなかったはずの事件にも対応しながらこの世界の歴史を刻んでいくことになる。
それは勇者の伝説とは異なる、若き貴族の努力と奮闘の記録。
これはとある異世界で記憶に残らなくても記録に残ったある人物の若き日の物語である。
【感想】
ゲーム世界に転生というのと、帰属に転生というのが上手く交わった作品だと思います。
カクヨムでは今ゲーム世界の悪役に転生するといった作品が流行っていますが、大抵のそういう作品は、主人公にやられるからイベント回避しないと、真面目にしないとッていう感じなのですが、この作品はイベントに巻き込まれて死んだ名前も分からない一人というゲーム内では微妙な人物なところがいいです。
RPGゲームだと、容量の関係で詳しく描かれなかったところが、ゲーム世界に転生することで、あのイベントにはこういう裏側があったのか、実はこうだったのではないかというのがわかっていくのが面白いです。
ゲーム世界ということで、世界観も少し変わった感じなのも良いです。
主人公が未来やゲームのイベントなどの知識を持っているものだと、その知識で主人公がすべて解決してしまって、うーんとなる作品も多々ありますが、この作品では、主人公は知識を持っていても、それですんなり解決といかず、毎回四苦八苦して、周りの人たちの手助けを受けながらもなんとか解決していきます。主人公は知識チートもあって活躍しますが、周りの人たちも優秀で、何なら国の上層部にいいように使われている苦労人ポジというところも面白いです。
脇役の主人公というところや、勇者と主人公の友情も好きです。
設定もしっかり練りこまれているので、細かい設定が作りこまれた作品が好きな人にはおすすめです。
面白いので皆さんもぜひ読んでみてください。
【評価】
8,5点
【詳細情報】
ジャンル…ハイファンタジー
更新頻度…不定期
文字数…約98万文字
目安読了時間…約33時間
書籍4巻
コミック3巻
作品URL…https://ncode.syosetu.com/n1219gv/
外伝
【魔王と勇者】短編① 紅茶と茶菓子
作品URL…https://ncode.syosetu.com/n3899hv/
【魔王と勇者】短編② 蜂蜜
作品URL…https://ncode.syosetu.com/n4072hy/
【備考】
総合累計95位
連載中累計77位
ハイファンタジー累計62位
異世界転生/転移〔ファンタジー〕累計48位