46、戦国の鈴木さん
【作者】
capellini様
【あらすじ】
日本で2番目に多い苗字の鈴木さん。戦国時代にもたくさんの鈴木さんがいました。有名なのは雑賀の鉄砲軍団ですが、この物語は三河の足助の鈴木さんの分家の重勝さんのお話。
文亀3 (1503) 年、鈴木重勝が生まれる。早くに西三河足助の家を出て東三河八名郡吉田の山間に移る。幼いころに夢で体験した現代日本での一生。本来ならば戦国の世でも現代でも歴史に埋没する存在でしかない主人公は、一生分の経験を手掛かりに、生存と立身をかけて立ち上がる。乱世の動揺に翻弄される重勝は、いったいどこを目指しているのか。
【感想】
シリアスですが、歴史ものとして歴史もしっかり作られた作品ですの。当時の畿内、幕府、朝廷、主人公の周辺の情勢が詳しく書かれています。時代は戦国時代の中でも結構早めです。シリアスなのが苦手な人にはおすすめできませんが、歴史好きな人にはすごいおすすめです。
主人公はかなりマイナーです。ウェキペディアには載ってません。
個人的にタイトルは結構好きです。
この作品の面白いところは、一気に勢力が大きくならない、リアリティがあるところです。戦国転生ものは、大抵が一回大きくなると、すぐにドーンと大勢力になってしまうのですが、この作品では、一国を支配するようになっても、複雑な畿内情勢に翻弄されたり、東の今川家に媚びを売ったりと、苦労しています。戦いでも、実力差で圧勝みたいなことはあまりなく、毎回苦戦しながらも、なんとか勝つということが多いですし、家臣もかなり討ち死にします。他の作品だとたいてい無双だったり、序盤は苦戦しても途中からは楽勝になっていったり、ピンチになることも何回かはあるけど...という感じなので、基本的にずっと苦戦してるこの作品は面白いです。この先どこまで大きくなるのか、どういうエンドを迎えるのか、どう立ち回っていくのか非常に気になります。そして、人間としての苦悩もかなり描かれていて面白いです。親しかった人たちが次々に死んで、心を病んだり、息子を人質に出すことになって、非常に悩んだりと、他の作品だと、大名としての悩みが描かれることはあっても、このように人間的な悩みが描かれることはないので面白いです。
歴史好きな人はぜひこの作品を読んでみてください。
【評価】
8,5点
【詳細情報】
ジャンル…歴史
更新頻度…不定期
文字数…約76万文字
目安読了時間…約25時間
作品URL…https://ncode.syosetu.com/n3842hf/
文字数などの情報は随時更新します。