45、僕は正義の爆弾魔 ☆
【作者】
珍比良様
【あらすじ】
世はVRゲーム黎明期。
数え切れないほどのゲームが浮かんでは消えていくなか、とある一本のフルダイブVRMMOゲームが『まるで現実の世界のようなリアリティ』という触れ込みのもと、超最先端技術を引っ提げてやってきた。
New Generate Online。通称NGO。
彗星の如く現れたそのゲームは、発売初日に美麗グラフィックの皮を被ったスペースデブリであることが判明。
劣悪なバランスと開発の自己満足なだけのゲームシステムは瞬く間に悪評を呼んだ。公害レベルに汚染されたサジェストは新規の受け入れを拒み、ゲーム人口は衰退の一途を辿っていった。
運営のテコ入れは期待できず、ろくなイベントも無く、プレイヤーは惰性でログインし各々好き放題やっていた。
末期感漂うオンラインゲームにおいてマナーはゴミクズのようにうち捨てられ、あらゆる悪徳が幅を利かせていた。
廃人、プレイヤーキラー、初心者狩り、自治厨、出会い厨、配信者。漏れなく狂った奴ばかりだ。
そんな悪の連中を爆弾一つで木っ端微塵に吹き飛ばす正義の味方。それが僕だ。
【感想】
最近読んだ作品の中で一番面白かった作品です。めちゃくちゃ爆笑しました。
爆弾魔が出てくる作品は他にもあるんですけど、主人公が爆弾魔というのが面白いです。
この作品の面白いところはカオスさです。主人公も含めて、登場人物はたいてい頭がおかしいやつしかいないし、ゲーム自体がクソで民度が終わっていてめちゃくちゃなことが起こりまくって面白いです。
ゲームの設定も面白いです。最先端の技術が導入されているのに、バランスがクソ、あらゆる要素をプレイヤーが解放しなければならない、イベントもないし、民度が終わっていても運営は介入してこないなどと、まさにクソゲーです。
頭おかしいプレイヤーたちも面白くて、出会い厨に、なんでも検証しようとする検証勢、寝ながら狩りをする廃人、イベントを破壊してプレイヤーの大量虐殺をするPKなどいろいろなのが居ます。
主人公も、タイトルやあらすじ的には終わっているゲームの民度を正常にするために奮闘するヒーローみたいですが、全然そんなことはありません。プレイヤーたちには一番の危険人物として認知されていて、何をしてもたいてい正義だと言う、でも正義はころころ変わる、とても面白いです。
個人的に好きなキャラは、自治厨たちと、普段のストレスをPKで発散する社畜です。自治厨たちは、クランで自警団のようなことをしながらそれを配信して、主人公ともよく絡んでいて、変な企画をしたり、ふざけたりして面白いです。社畜は社会の闇を感じさせる発言を連発してすごいです。
基本的にはギャグですが、最後は少し感動的な感じになっているのも良かったです。しかし、この後どうなったのかと続きが気になる終わり方です。続編が見たいなと思っています。
面白いのでぜひ読んでみてください。
【評価】
10点
【詳細情報】
ジャンル…VRゲーム
完結済み作品
文字数…約104万文字
目安読了時間…約35時間
作品URL…https://ncode.syosetu.com/n9161hp/