44、凡庸王子の逆襲 ☆
【作者】
紅月となり様
【あらすじ】
アロイジア鉱国では、三人の王子が王位を争っている。優秀な第一王子、美貌の第三王子、そして……凡庸な第二王子、フリード。高貴な色でも美男でもない、能力面もぱっとしない。父王には無視され母親である王妃には嫌われているが、おっとりな性格のせいか人望だけは割とある。ほぼ負け戦だが、臣下のため親友のため、なんとか地位を確立したいところ……「第一王子と第三王子が死にました」「消去法で貴方が王太子です」………は?「外戚は横領常習犯!」「ふざけるな!?」「同盟国に軍事侵攻」「やめて!?」「この娘を婚約者に!」「婚約者、います!!」「もう全員殺しましょう」「ダメぇ!?」自由すぎる臣下や貴族たちに振り回されまくりのフリード、無事に即位式を迎えられるのか!?王子、全く逆襲できません。
【感想】
あらすじを見て、コメディ系の軽い作品かと思って読んでみたら、コメディっぽいところもあるしっかりとした作品でした。
何日かハイファンタジーのジャンル別1位を維持していましたが、納得の面白さです。文字数はそこまで多くないのですが、文字数以上の長さを感じる中身が詰まった作品です。
設定がしっかりと作られている作品です。国についてや、貴族、王族の設定で、血筋については特に詳しく書かれていました。細かすぎてあれ?ってなるほど詳しく書かれているので、細かい設定や、作りこまれた作品が好きな人はぜひ読んでみてください。
ストーリーも面白いです。凡庸な第二王子の主人公が第一王子と第三王子が死に、王まで乱心したことで、王になることになって、腐りきった国を立て直していく話です。ですが、国が腐りきっているせいで内部状態はボロボロなので面白いことが起こります。あらすじに書かれていることまんまです。ちょっと大袈裟じゃないかなと思って読んだのですが、本当にその通りで面白かったです。王太子になって、改革を進めていくのですが、横領や不正をしている人を排除しようとすると財務と外務の9割が消えるという、本当にヤバいことになっていたり、部下は全員消してしまえと言ったり、婚約者がいるのに押し付けようとして来たり本当に面白いです。
どのキャラも濃くて、曲者ぞろいで面白いです。王になったあとの最初の重臣たちとの会議では、重臣たちが即位を祝福するのですが、それぞれ少しふざけたことを言ったり、会議中にもふざけだしたり皮肉を言いあったり面白いです。家臣から見る主人公も面白いです。
少しシリアスだったり、ダークなところもあったりしますが、面白いです。ぜひ読んでみてください。
【評価】
9,5点
【詳細情報】
ジャンル…ハイファンタジー
完結済み作品
文字数…約15万文字
目安読了時間…約5時間
作品URL…https://ncode.syosetu.com/n9394ig/