36、小物武将、木村吉清 豊臣の天下で成り上がる! ☆
旧題…マイナー戦国武将に転生したのでのんびり生きようと思ったら、いきなり30万石の大名になってしまいました
【作者】
田島はる様
【あらすじ】
【奥州動乱編】
木村吉清に転生した主人公。小田原征伐ののち、彼に与えられた領地は旧葛西大崎領だった。のちに葛西大崎一揆により改易されることを知り、吉清は一揆回避のために奔走することとなる。
【豊家斜陽編】
「明へ攻め込むぞ」そんな秀吉の号令から端を発した文禄の役。吉清に与えられた役割は、高山国(台湾)への派兵だった。瞬く間に沿岸部を制圧すると、現地の倭寇を従え、明の沿岸部で経済活動(略奪)を始めるのだった。世はまさに、大海賊時代!!
【感想】
戦国転生ものでも珍しい、小田原征伐が終わったタイミングからこの作品は始まります。転生してすぐスタートではないところも珍しいです。
主人公も木村吉清というマイナー武将です。史実では、厳しい検地をおこなったり、領地の旧葛西、大崎家臣を登用せず刀狩り、一気に家が大きくなったため、雇った浪人や、出世した家臣が領民に乱暴狼藉を行ったことで、一揆がおきて改易されます。そんな未来を回避するために初手から一揆防止に走ります。戦国転生もので最初にすることが一揆を防ぐというのは面白いです。ちなみに、木村吉清は福島の地名の名付け親でもあります。
一気に5000石から30万石に木村吉清は加増されたのですが、この作品での理由が面白いです。ばれたらヤバいやつです。
小物武将とタイトルに入っていますが、転生者の主人公は時々小物感が出ます。酒に酔って、ノリで変なことしたり、やっていることの大半が小物っぽい小さいことばかりです。朝鮮出兵の時も、倭寇をして自分と、グルになった亀井茲矩で大儲けしたり、奉行衆で仲の良かった長束正家と一緒に横領したりします。
雰囲気はギャグです。特に豊臣秀次が作った料理を食わないわけにもいかないが、とても不味い、どうするかと主人公が最上義光、伊達政宗と擦り付け合い、どうにかして自分たちが食べないようにするシーンは本当に面白いです。何回読んでも面白いです。他にもその三人の絡みがあるのですが毎回毎回面白いです。大名同士の絡みが多いところも面白いです。
エンドも他の戦国転生ものの作品とは違った感じになっています。ぜひ読んでみてください。
【評価】
8,5点
【詳細情報】
ジャンル…歴史
完結済み作品
文字数…約42万文字
目安読了時間…約14時間
作品URL…https://ncode.syosetu.com/n7128ha/
【備考】
歴史累計28位