32、戦艦放浪記 ☆
【作者】
ほうこうおんち様
【あらすじ】
海軍軍縮条約で廃棄が決定した「長門」級戦艦2番艦「陸奥」。
「陸奥」を惜しむ海軍は、一度シャム王国に売却し、必要時に買い戻す奇策を授けられる。
しかしその奇策の裏側には、「陸奥」をとある理想の為に利用したい勢力の思惑があった。
「陸奥」は日本から脱走、エチオピア戦争やソ連対フィンランドの冬戦争に介入しまくる。
「こちらは通りすがりの戦艦だ! 覚えておけ!」
【感想】
以前紹介したいや、国作るぞ!~ホノルル幕府物語~のスピンオフ的な作品です。ですが、ホノルル幕府物語とのかかわりはそこまで多くなく、ホノルル幕府物語を読んでいなくても楽しめる内容だと思います。
タイトルの通り、本当に戦艦陸奥が放浪します。ホノルル幕府物語といい、作者さんの発想力はすごいなぁと感服させられます。
陰謀論やオカルトが結構入っています。そういった類が好きな人はぜひ読んでみてください。
登場人物は架空人物が多めです。出てくる人物の中で面白いのは伊達順之助です。伊達順之助は、伊達政宗の子孫にあたり、華族の子息なのに、大陸浪人として中国で暴れまわっていた人物です。その伊達順之助は途中から戦艦陸奥に乗り込むのですが、そのシーンがめちゃくちゃで面白いですね。この作品で伊達順之助は、先祖返りしたかのように、伊達政宗のような野望があり、馬鹿で中二病な人物として描かれており、面白いです。時々出てくるぶっ飛んだ発言は爆笑してしまいます。
あらすじにもありますが、エチオピア戦争やフィンランドでのソ連との戦争のシーンは面白いです。他にも、一時期陸奥がイギリス海軍に所属していたときに、その戦艦は陸奥ではないのかと日本政府に問い詰められたときのイギリスの回答が面白くて思わず爆笑してしまいました。
作者さんが勢い重視で書いた作品なので、テンポはよく、読みやすいです。コメディ系の作品で、笑えるシーンがたくさんあります。皆さんもぜひ読んでみてください。
【評価】
9,5点
【詳細情報】
ジャンル…歴史
完結済み作品
文字数…約28万文字
目安読了時間…9時間
作品URL…https://ncode.syosetu.com/n1978fx/