2、光秀、下天の夢を見る ☆
【作者】
狸 寝起様
【あらすじ】
歴史オタクの主人公は日々歴史にクレームを呟いていた。聞き咎めた歴史の神は「じゃあ、お主がやってみろ…」と主人公を山崎の戦い直前に転移させる。乗り移った人物はもうすぐ敗死する事になる、明智光秀。すでに50代の当時としては老齢、しかも開戦直前。この窮地を切り抜け戦国を駆け抜けることはできるのだろうか?
【感想】
少し変わった戦国転生もの。
戦国転生ものの、戦国武将に転生するものでは、幼少期や、生まれるときに転生して、内政チートや有能武将の青田買い、技術チートで領地を強くして、天下統一を、問う作品が一般的です。
しかし、この作品は、山崎の戦いの直前に転移するので、チートなどは全く使えません。なので、主人公が知識と戦術と作戦だけで山崎の戦いをひっくり返すというお話になります。
戦国転生ものでは、関ヶ原や本能寺の変を変える、という作品はよくありますが、山崎の戦いにはあまり着目されてなかったと思います。出てきたとしても、秀吉軍目線で、明智光秀目線で山崎の戦について書かれた作品はなかったと思います。
山崎の戦いについても考えさせられる作品です。山崎の戦いは、光秀があっさり負けた、というイメージを多くの人が持っていると思います。しかし、織田家中でも方面軍の司令官まで台頭するほどの人物である光秀がそんな簡単に負けるのか、と言われると、確かに不思議に思います。そんな今までの山崎の戦いのイメージをひっくり返してくれるのがこの作品です。
また、光秀は、山崎では戦わず、丹波まで退いて戦うという策をとります。そこからどのように秀吉を倒すのか、読み始めたら気になって、止まらない作品です。
長さもそこまで長くないので、ありふれた戦国転生ものに飽きてきたという人にはお勧めなのでぜひ読んでみてください。
【評価】
8点
【詳細情報】
ジャンル…歴史
文字数…約26万文字
目安読了時間…約9時間
完結済み
作品URL…https://ncode.syosetu.com/n7793hw/
【備考】
歴史完結済み累計88位