22、弱小領地の生存戦略! ~俺の領地が何度繰り返しても滅亡するんだけど。これ、どうしたら助かりますか?~
【作者】
山下郁弥/征夷冬将軍ヤマシタ様
【あらすじ】
クレイン・フォン・アースガルドはどこにでもいる普通の領主だ。
平和な領地を何事もなく治めていたが、ある日唐突に侯爵家から軍隊を送り込まれて、アースガルド領は滅びることになった。
クレイン自身も命を落とした――と思いきや、彼は自宅のベッドで目を覚まして、滅亡の3年前に戻っていることに気づいた。
このままでは数年後に滅亡すると確信したクレインは、滅びの道を回避するために、決死の生き残り作戦を開始する。
――が、死ぬ。何度繰り返しても些細なことで彼は死に、領地は滅びた。
死にたくない。領民の皆殺しも避けたい。その思いで彼はひたすら人生をやり直す。
ハッピーエンドを迎えるその日まで。
【感想】
ループものの傑作です。
序盤はギャグみたいにすぐ死んだり、ギャグみたいな理由で死んだりして、タイトルもあって、コメディ系の作品なのかなと思ったのですが、中盤くらいからシリアスな感じになっていきます。
この作品は何度も死に戻る5章までが壮大なプロローグです。5章で真実が明かされるのですが、そういうことだったのかと驚かされます。6章から本編に入っていくのですが、そこからは、死に戻されるのではなく、戦略的に死に戻って、最適のルートを見つけていきます。
主人公も、時には前の周の恨みで暴走したりもしながら、凡庸で優しい領主から、立派な領主に成長していきます。主人公の心情の描写が上手いです。主人公が少しずつ成長していくような作品が好きな人はとても楽しめると思います。
死に戻りでも、内政チートや知識チートで無双するわけでなく、平穏な日々のために、領民が皆殺しにされて領地が滅亡するのを回避するために、努力していくところが面白いです。無双ものにはない魅力があります。前の周での知識で何とかできそうだなとなっても、思わぬことが起きてまたやり直したりと、すぐに上手くいかないからこそ面白いです。
死に戻る理由もしっかりと明かされるのも良いです。やはり、主人公がチート持ちの場合、しっかりとした理由、納得できる理由が描かれている作品のほうが面白いです。
どういうエンドへ向かっていくのか非常に気になります。
少しハーレムっぽいところもありますが、恋愛要素は弱めなので、ハーレムが苦手な人でも普通に読めると思います。
最初は笑って、中盤からは驚かされる、そんなこの作品を皆さんにおすすめしたいです。ぜひ読んでみてください。
【評価】
9点
【詳細情報】
ジャンル…ハイファンタジー
更新頻度…不定期
文字数…約99万文字
目安読了時間…約33時間
書籍3巻
コミック1巻
作品URL…https://ncode.syosetu.com/n9624gu/
【備考】
第9回ネット小説大賞金賞受賞
総合累計136位
連載中累計103位
文字数などの情報は随時更新します。