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6歳 私の家族
マスターがもうすぐ学校から帰ってくる。
マスターに持たせてある防犯ブザーとスマホに搭載されているGPSが家の近くまで帰ってきていることを知らせてくれているので、充電スポットから起き上がり玄関を出て帰りを待つことにした。
まだ、マスターが小学校に上がる前にマスターと呼んだところ大泣きされてしまい、それからは名前で呼ぶことになった。
「れんちゃんただいま」
私の姿が見えると全速力で走って飛びついて着た。
金属のボディーでマスターが怪我をしないように受け止める方法を大きくなるにつれて質量が増えてきているマスターに合わせて調整することが、日課となっていた。
「おかえりなさい。さなちゃん」
モニターに顔を向けると満面の笑みを向けてくれる。
「今日はどうでした?」
「あのね、あのね」
今日も話したいことがたくさんあるのか、アームを小さな体で引っ張りながらお家の中に入っていく。
これが、私とさなが小学校時代の日常の記憶。