0歳 最初の記憶
『起動します』
「はじめまして、わたしは”さな”。3さいでう」
目覚めて最初に見えたのは、小指だけを折って4本指をこちらに向けたかわいい女の子と父親と思われる男性が目の前にいた。
「はじめまして、TRE-6000シリーズ”レインラント”です。あなたがマスターですか?」
「ああ、咲那をマスターとして登録してくれ」
「わかりました。マスター私に名前を付けてください」
「うーん、れんちゃん?」
少し考えるそぶりをした後、父親の顔をうかがいなが”れん”という名前を付けてくれた。
「それじゃあ、”れん”で登録してくれるかな?」
「わかりました。天様」
「できれば名前ではなくお父様にしてほしいのだが」
マスターに向けて柔らかい笑顔を向けていた天様は少し考えた後提案してきた。
「わかりました。恵様のことはお母様でよろしいでしょうか?」
「そうしてくれ、その方が喜ぶだろうから」
マスターに向けていた柔らかい笑顔をこちらにも向けてくれていた。
「もお、話おしまい。こっちであそぼ」
マスターは私の金属で作られたアームをつかむとおもちゃが置いてある部屋へと引っ張り出した。
これが、私の最初の記憶で咲那との最初の記録である。