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ティモシー君8歳の誕生日と視察団出発

 ノアと一緒に行く視察団の準備が着々と進んできた。大体1ヶ月半ほどかかる旅になるようだ。


 責任者はノアになるが、副責任者は何度も視察に行ったことのある、56歳のヒョウの獣人男性トレバー・ジン前男爵が付いてくれるようだ。

 ベテランの人が一緒に行ってくれるなら、ノアも安心だね。


 乗り物はキャンピングカーと護衛の人が馬に乗って行くそうだ。4台連なったら壮観だね。



 私は、その間、街とジャルド領都、ほか村5つを治療して回っていた。

 お腹の子は8ヶ月目だ。安定期だけど、無理はできない。


 暑さも和らぎ、過ごしやすくなって来た。

 今年のプールは終わりだ。スライムは瞬間移動で用意していたバケツに呼び寄せて、屋敷の排水溝に放り込んだ。来年もお世話になるからね。


 この間、仕立て屋さんが来て、ノアが頼んだ服は私の旅装だった。お腹が大きいから、注文してくれたんだ。

 3着もあって、お腹周りはゆったりしていて、紐で調節出来るようになっている。もちろんズボンだ。虫とかに噛まれたら嫌だからね。上着もゆったり。

 クリーンがあるから1着でもよかったんだけど、そこは余裕を見せないといけないらしい。3着でも少ないんだって。

 汚れても目立たなそうだけど、3着とも違うデザインでかわいい服だったよ。


 もうすぐ、出発するから今は屋敷と自宅でゆっくりしている。



 今日は、自宅でミアちゃんとリリーちゃんに会いに来ている。

 リビングとダイニングにベビーベッド2つ置いたよ。お母さん方はソファで休憩している。子供の夜泣きが辛いんだって。


 私はやっと人間らしくなった赤ちゃんにめろめろだ。まだ、全然小さいけどね。手やほっぺをつついたりしてる。

 おくるみに包まれた赤ちゃんかわいい。持って帰りたい。髪の毛がもっと生えたら絶対今より可愛くなる。見てるだけで飽きない。

 おっと、いけない。あんまりつつきすぎると起きてしまう。かわいい。


「いやだ、カヨさんまだ見てるの?」


「自分の子供が生まれたら、その子の方が可愛くなるって」


「いやいや、ミアちゃんにリリーちゃん可愛すぎますよ。離れがたい」


 お母さん達は余裕そうな発言だけど、予定通りに自分の子が生まれたら同年だよ。友達候補。先輩ママ友がいるから頼る気まんまんだよ。頑張れ我が子よ!友達になるんだ!お腹にいるから、熱意は伝わると信じてる。

 それにしても、かわいいな〜。つつきたい。確か頭がすごい柔らかいんだよね。ミアちゃん抱き上げた時は夢中だったからなー。よくわからん。どこもふにゃふにゃに見える。だって、おくるみに包まるとしゅんて体が小さくなる。これが、安心するって言うんだもんなー。人間の身体の神秘。起きないかな〜起きたら泣くかな?



 満足するまで眺めた。ミアちゃんが起きてギャン泣き。つられて、リリーちゃんも泣く。ママ達慌ててお乳をあげる。泣き止む子達よ。泣くと焦る。小さな怪獣だ。がお〜。


 今は、孤児院に向かって歩いている。お目当ては赤ちゃんだ!


 孤児院について、赤ちゃんの部屋に行ったら、敷物が敷いてあった。ずりばいか?はいはいか?近づいてみる。

 敷物の上で寝ていた。これじゃわからん。とりあえず、仰向けにしておこう。大きくなったなぁ〜。子供が大きくなるのは早い。赤ちゃんらしい赤ちゃんになって、まぁ〜。かわいい。あれだな、今日は、かわいいのゲシュタルト崩壊ってやつだな。


 赤ちゃんをつつくのに飽きたら、孤児院をお暇した。


 ぶらぶら自宅に帰る。あっ!つまづいた、飛ぶべし。着地。キョロキョロして、誰も見てないな、と思ったら、10歳くらいの男の子がこっちに手を伸ばしていた。助けようとしてくれたのかな?遠いけど。

 ひらひら、笑顔で手を振っておいた。呆然としてたけど。気をつけて歩こ。


 自宅に着いたら、ルーフバルコニーで収穫だ。お腹がぽっこりしてるから、木にお腹が当たってるけど気にしない。適度に身体を動かして、果物も収穫出来たら一石二鳥だ。

 ふんふん鼻歌歌いながら、収穫していく。時には飛行魔法で飛んで。


 果物の種類もいっぱいになったから、夕食前まで収穫してた。つまみ食いもしちゃった。



 カーマイン屋敷の食堂。今日はティモシー君の誕生日だ。

 ドラゴン肉は厨房に朝、持って行ってある。食後のお菓子は料理長に任せてある。完璧だ。


 男性陣が帰って来て、お帰りをする。お兄様はいつも子供達を撫でて、ライラさんを抱きしめる。

 今日の主役はティモシー君。お兄様はティモシー君を抱き上げて、「誕生日おめでとう。ティモシー」と言った。

 それに合わせて、みんなで「おめでとう!」と言う。

 ティモシー君は嬉しそうな、照れ臭そうな顔をして小さく「ありがとうございます」と言った。


 そこからはみんな席について、ドラゴン肉だ。今日はマウンテンドラゴンの肉だから、口の中でとろける美味しさを噛み締める。当然1口目はノアと給餌し合ったよ。

 ティモシー君もいつもより嬉しそう。8歳の誕生日だもんね。大人の誕生日はみんなスルーさ。誕生日は子供の為にあると言っても過言はない。


 デザートは果物のタルトだったよ。美味しかった。



 食後はリビングで主役のティモシー君をみんなで構う。いつもよりちやほやされて、嬉しそうだ。お父様の膝に乗せられている。


 貴族の心構えを説かれている。耳に痛いです。一応貴族な私。領地持ってないから、何もしていない。治癒巡りならしてるけど。ライフワークだし。お肉配達員はしたけど。あれは献上だと言えるのだろうか?



 子供達がお眠になったら、解散。各自部屋へ帰る。私はノアと一緒に部屋に行く。


 今日は遅いから、着替えてそのまま就寝。手は繋ぐ。





 視察出発の日がやってきた。

 視察の間にウィル君は4歳になる。お誕生日出来ないよ〜。帰って来たら愛でよう。

 

 ノアが主役の視察だから、ノアは助手席で座って外を眺める。私はお客さんと言うか、ただの付き添いなんで、キャンピングカーの中で大人しくしています。

 料理人とメイドの人がついて来てるんで、お世話されてます。そんなに偉く無いんだけどなぁ。


 文官の人達は他の3台に乗っている。護衛の人達はキャンピングカーの前後に別れて馬に乗っている。キャンピングカーに結界がついてるから10人くらい。

 物資は全部マジックバッグの中に入っている。ノアが1つ、護衛の人が前後で2つ、料理人さんとメイドさんが1つずつ、文官が各車両で1つずつ、御者さんもとい運転手さんも馬の世話があるから、各自持っている。4人ね。手分けしないと馬が多い。


 豪華?な道行になってるんだって。


 最終的には、開拓村候補地が決まってるから、本当に大丈夫か最後の方に見てくる日程になってるみたい。


 村に泊まる時は、キャンピングカーと村の集会所で眠るらしい。町などは、町長の屋敷に泊まるとか。泊まれない人はキャンピングカーか、宿を取るらしい。


 ノアと私は、こっそり異空間住居で寝るけどね。



 旅装以外、いつもと同じ私は行商で村に来たことがあるから村人に顔を知られているかもしれない。それはもう仕方ない。

 一応ノアが村長に、怪我人・病人はいないか確認して、居たら私が治療する流れになっている。


 それ以外は自由だから、村の周りに魔物がいないか、こっそりと確認してくる予定。メイドさんは言いくるめる。ごめんよ。村で料理人と食事を作っておいて。騒ぎにしないでね。

 メイドさんは今回、私の体調管理も仕事に入っている。妊娠してるから、不測の事態の為に。




 村に着いた。朝に出発して、今はお昼過ぎだ。2日はこの村にいるらしい。

 時間がない時は事前に作ってもらった食事を各自で食べる。御者さん、運転手さんは車が止まった時に休憩と食事と馬の世話、護衛の人は交代で食べる。視察にも同行しないといけないからね。


 怪我人が2人いたので、治癒魔法で治療する。これで私の仕事は終わりだ。


 メイドさんに料理人の人を手伝ってとお願いして、私は村を散歩すると言う。「着いて行きます」って言ってくれるのを、ちょっと強制的にやめさせる。ごめんよ。


 インビジブルを掛けて、飛行魔法で空を飛び、探知で魔物を探す。反応があった場所に飛んで行って、小さい魔物なら放っておく。

 赤毛のクマみたいな奴がいる。鑑定!


 ーブラッディベアー

 凶暴な性格で、獲物を見つけたら死ぬまで追いかける。肉は硬いが食べられる。



 アウトー!水魔法で水球を飛ばして顔を覆う。苦しがってるが、成仏してくれ。


 動かなくなったら、アイテムボックスに回収。また、空を飛んで魔物探知をする。

 見回っている時に野生動物が群れでいたので、ちょっと間引く。危なく無い数なら村のいい獲物だろう。


 他は問題なかったので、インビジブルを解いて村をぶらつく。かわいい子はいねがー?

 居ない。視察が来てるから大人しく家にいるのかも。

 集会場に帰る。子供が居ない。ちょっとしょんぼり。散歩は出来たからいいや。探し人はいなかったけど。


 メイドさんとぽつぽつ話しながら、視察団の帰りを待つ。本当はいけないけど、メイドさん・サーニャさん(31歳)とみかんを一緒に食べる。

 子供は3人いるらしい。屋敷の近くに、従業員家族の寮みたいな所があって、そこの1階に子供を預ける部屋があるから、そこで夫の仕事が終わるまで、勉強か遊んでるんだそう。食事も賄いがあるから食べて帰るんだって。

 何その部屋!知らない!かわい子ちゃんが沢山いるのか〜。今度遊びに行こ。

 でも、教えてくれなかったって事は、勤め人の子供と主家があんまり仲良くしちゃいけないのかもしれない。もしくは、主家の人が来たら緊張しちゃうのかも。そっとしておく方がいいのかなー。帰ったら、お母様方に聞こう。ティモシー君もウィル君も知ってる限りじゃ遊びに行って無いもんね。子供達に友達がいないのがおかしいと思ってたんだ。



 そんな事を話してたら、ノア達が帰って来た!お帰りのハグをする。ノアにちゅうされた。今日あんまり一緒にいなかったもんね。


 主従関係無く、食事が始まる。視察団だから特別なんだって。そうだよね。別々に食べたら効率悪いよね!食事は持ってきてくれるけど。


 こんな食事もいいかも。



 寝る場所は集会場の部屋を用意してくれたけど、異空間住居にノアと2人で入る。

 玄関で靴を脱いでもらって、スリッパ履いて、トイレに行ってから、2階の寝室に行く。1階の寝室はお客様用にしてるからね。


 クリーンを掛けてから着替えて、2人でベッドに横になる。慣れない事して疲れたよね。お腹を撫でてくれる。

 ノアの頭をくしゃくしゃにする。笑いながら怒られる。笑ってたら説得力が無いよ。


 部屋が私の匂いがするって言われるけど、私しか使ってないからね。


 おやすみ、ノア。




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