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【旧作】私は異世界で自由に生きる〜子供達に癒される〜  作者: 春爛漫


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モニカさんの出産

 自宅に来て、カルロスさんとモニカさんの部屋のドアをノックすると、カルロスさんが出てくれた。

 中に招かれて入って見ると、モニカさんはベッドで横になり、不規則でくる陣痛に苦しんでいた。カルロスさんに聞くと、破水はもうしたらしい。


 アイテムボックスから椅子を出してモニカさんに何かして欲しいことはあるかと聞くと、陣痛の痛みがひいたら、食事をさせて欲しいと言われた。


 出産中でも食事するんだね。びっくりだけど納得もした。出産は長時間だ。そら、食事も水分もいるわ。


 陣痛の波が治ったみたいなので、切って準備しておいたクリムをフォークでモニカさんの口に運んであげた。今の顔は穏やかだ。果物なら水分補給も一緒に出来ていいだろう。


 クリムが食べ終わった頃にまた陣痛が始まったらしい。

 カルロスさんに産婆さんに連絡したのか尋ねたら、連絡はしてあって、明日の日が出る前に来てくれるらしい。


 それを聞いて驚いた。陣痛ってそんなに長く続くんだ。

 どっしり構えておかないと、気疲れしちゃうかも。


 モニカさんに何かして欲しい事はあるか、確認すると、腰を撫でて欲しいと言われたので、ベッドに上がり腰を撫でた。


 カルロスさんは2回目の出産で勝手が分かっているのか、心配そうではあるものの焦ってはいなかった。これが普通なんだ。


 絶えずくる痛みにモニカさんは苦しそうだ。カルロスさんにいつからこの状態なのかと聞くと、18時頃からのようだ。今は20時前。

 モニカさん頑張ってる。でも1回目より2回目の方が楽だって聞くから、大丈夫かもしれない。


 モニカさんは痛くても、あまり声は出さない。自分と戦ってるんだ。


 夜中にもう一度、クリムを食べさせて、地球通販で、ゼリー飲料も買って飲んでもらった。あまり動きたく無いみたいだ。



 長く感じる夜が明けて、産婆さんが来たみたいでカルロスさんが迎えに行った。


 産婆さんが来たので挨拶して、モニカさんの様子を見てくれた。

 私はびっくりしてしまった。あんな所を切るのか。ああやって出産の様子を見るのか。勉強になるが、自分がすると思うと怖くなる。


 産婆さんの話しだと、もう少し時間が掛かるらしい。モニカさんの痛みもピークっぽいんだけどなぁ。


 産婆さんが今のうちにお湯を用意しておいてと言うので、カルロスさんが準備しておいた入れ物に私が水魔法でお湯を入れた。確か赤ちゃんを洗う為のものだから、温度は高くしちゃいけないんだよね。


 モニカさんは力の入ってしまいそうな体から、頑張って力を抜こうとしている。

 まだ、いきんじゃいけないのか。モニカさんの汗と涙を拭きながら、出産って大変なんだと思った。


 それからすぐに産婆さんが、体の準備が出来たからいきんで!と言った。モニカさんは捕まる所を手で探しながら、いきんだ。私はモニカさんの手を握った。反対側はカルロスさんが握っている。

 力が強くて手が痛い。でもきっとモニカさんはもっと痛いんだ。頑張れモニカさん。


 何度かいきんだら子供の頭が出て来て肩が出てきたら、後は早かった。産婆さんが、子供の呼吸器官に入った液体をお湯で綺麗にして、子供の泣き声が聞こえた。ああ、終わった。と思ったら、まだだった。

 まだ、モニカさんはいきんでいる。子供をモニカさんのお腹に乗せているが、胎盤がまだ出てこないようだ。


 15分ほどして、出てきたようだ。私は産婆さんに治癒魔法を使っていいか聞くと。いいと言われたので、下半身を治癒した。モニカさんは汗だくだが、子供に初乳をあげていた。小さい赤ちゃんが一生懸命すいつくのがかわいい。まだ宇宙人みたいだけど。


 産婆さんに言わせると安産だったようだ。モニカさん頑張った!また女の子だったみたいで、カルロスさんの顔が嬉しそうだ。


 赤ちゃんに初乳を上げ終わったモニカさんにクリーンを掛けて、ベッドにもクリーンを掛けた。赤ちゃんのベビーベッドを部屋に置いてあげて、おくるみを着た赤ちゃんを産婆さんが寝かせた。


 やる事を終えたモニカさんは疲れたようで、眠りそうになっている。カルロスさんが優しくモニカさんの体を撫でていた。


 モニカさんが眠ったら、子供の所に行った。カルロスさんは産婆さんにお礼を言って、お金を渡している。


 子供はふにゃふにゃだけど、アメリアさんが産んだ頃のミアちゃんより大きかった。健康だ。


 私はカルロスさんに、ミスリル貨1枚渡して出産祝いにした。大金すぎると返されそうになったが、見学のお礼も兼ねていると言えば「ありがたく貰います」と納めてくれた。


 モニカさんをそっとしておきたいので「ありがとうございました」とお礼を言って、ノアの部屋に帰った。


 ノアは起きた所だったみたいで「おはよう。どうだった?」と聞いてきたので「凄かった」と言った。少し不安になったので、ノアに抱きついた。ノアは優しく抱きしめてくれた。


 人を産むって凄いなぁと思った。次は私の番だ。心を強く持たないと。


 ノアにありがとうと言い、一緒に朝食に行った。


 子供の為に食べる事は大切なんだと学び、しっかり美味しい朝食を食べた。


 ノアを仕事に送り出して、昨日は寝れなかったから今から寝ようとノアの部屋に行った。


 ノアの匂いに包まれながら眠った。






 お昼に起きて、昼食を食べに食堂へ行く。


 寝ぼけてて、頭が爆発してたみたいで、みんなに笑われた。恥ずかしい〜!

 ノアがかわいいと頭をついてくる。ええい!手をぴしっと払いのけて、髪を整えようとするが整わない。午後からだ。


 美味しい昼食を食べて、ノアを送り出す。お母様方にプールに行きませんか?と誘いを掛けて、子供達とお母様方とプールに行く。


 着替えたら、排水溝の蓋を締めて、プールにクリーンを掛けてぬるめの水をプールいっぱい入れる。

 みんなで準備運動をして、ウィル君に浮き輪をつけて、入水する。


 今日の目標は、ティモシー君が平泳ぎを出来るようになる事だ。前回は惜しかった。

 浅い場所でティモシー君に動きを思い出させてから、1人で泳ぐ練習。私はサポートだよ。ちょっと沈んだらお腹を上に押し上げて、長く泳げるようにする。


 顔に水をつける事には抵抗がなくなったみたいだから、進歩進歩。

 最後の方はなんとなく1人で泳げるようになったので、イェーイとティモシー君と喜んだ。

 ティモシー君に浮き輪をつけて、ウィル君達と遊ばせる。


 ウィル君の浮き輪が萎んで来たそうだ。穴が開いた!と思って、ウィル君を確保してプールサイドに上がらせる。新しい浮き輪を地球通販で買って、空気を入れる。

 ウィル君は萎んでしまった浮き輪に悲しそうだ。

 今、お姉ちゃんが新しい浮き輪膨らませているからね!待ってて!


 浮き輪が膨らんだら、ウィル君に装着させてプールに入る。新しい浮き輪にご機嫌だ。ひもを引っ張ってお母様方の所に行く。お母様方も安心した表情だ。


 ウィル君を預けたら、私は水の中を飛ぶように歩いて行く。お腹が軽くて水の中はいい。全身水の中に入ってまるまるように沈む。ふむ、良い。

 水の中から顔を出して、子供達に近づいていく。水に沈んで、子供達の足をくすぐると逆襲が来た。ティモシー君のいい蹴りが頭に入った。イタズラはしちゃいけないって事ね。てへっと水から出ると、お母様方は何々って顔で、子供達はやったなぁって顔になってた。逃げる私、追いかける子供達。お母様方を壁にするとお母様方と遊び始めた。単純でかわいい。


 休憩でプールサイドに上がる。メイドさんが入れてくれたお茶をみんなで飲む。贅沢。

 ティモシー君は前半の泳ぐ練習で疲れたみたいだ。


 今日はこれで上がろうという事になったので、排水溝の蓋を取った。そのまま着替えて、みんなにドライを掛けた。


 お母様方と子供達は子供部屋に行くそうなので、別れてノアの寝室に行って、自宅に入る。カルロスさんとモニカさんの部屋を尋ねると2人共起きていたので、部屋にお邪魔した。

 モニカさんに「出産お疲れ様でした」と言うと「出産祝いありがとうね」と言われた。


 子供がお乳を欲しがってあまり眠れていないそうだ。「ミーチェの時もそうだったのよ」と言うので、子育ては産んですぐにも大変そうだ。


 お店はしばらく、ミリーとコーディに任せるみたいで、子供がもう少し大きくなったらお店でも様子を見られるから、カルロスさんは先に復帰するようだ。


 赤ちゃんを見ると、朝より少しふにゃがとれたようだ。肌が乾燥してきたのかな?


 モニカさんが「かわいいでしょ」と言うので、正直に「もう少ししたら可愛くなると思う」と言えば「親はどんな子も可愛く見えるの」と言われた。

 そうか、親の愛情かと思い。ふにゃふにゃの赤ちゃんを見つめた。


 親子水入らずのところにお邪魔したので、早く帰る。カルロスさんがモニカさんの面倒を見てくれるんなら安心だと思い、ルーフバルコニーで果物の収穫をした。


 何か新しい果物でも増やそうかなーと考えながら、収穫していく。プラムがいいかな。美味しいし。


 私はぶどう棚の下にある椅子に座り、地球通販でプラムを1個買う。皮をむいて丸齧りで食べる。確か便秘にいいんだよね。


 種を取ったら、キッチンに行って溜まった土を貰う。

 ルーフバルコニーに戻って、地球通販で大きいプランターを買う。そこに土を入れ、プラムの種を植える。

 確か綺麗な花が咲くはずと思い、創造魔法で虫の付かない木になるように魔力を込める。

 魔力が吸われなくなったら、芽が出てどんどん大きくなる。一瞬だったが、綺麗な花も見れた。あーこれは飛行魔法がいるわ、と思い、成長したプラムの木を見つめた。実がついたら、試食して魔木になった事を確認する。旨みがひきたった。


 収穫していき、キッチンにもお裾分けをする。新しい果物ということで喜ばれた。


 枝切り鋏で枝を切り、屋敷に戻って果物を植えてある所に行く。

 空いているスペースにスコップで穴を掘り、プラムの枝を植える。魔力を大目に込めると、どんどん成長していき、ルーフバルコニーにあるプラムと同じ大きさになった。


 ここでプラムをたくさん収穫して、厨房に持って行く。「新しく果物植えたから、試食してね」と収穫したプラムを渡して、子供部屋に行く。


 一休みした子供達は元気にラジコンで遊んでいた。私の足に突進してきたので、向きを反対にして、ちょっと意地悪をした。

 お母様方が座っているソファに座るとメイドさんがすかさずお茶を入れてくれた。お礼を言い飲む。まだ熱かった。


 お母様方に新しい果物を植えたことを報告して、多分夕食で出て来るだろうと伝えた。

 どんな果物かしら?と楽しみにしてくれた。



 夕食の時間になったので、食堂に行くと今日は旦那様方の帰りの方が早かったみたいだ。珍しい。ノアが立ち上がり手を広げてきたので、その中に入った。すっぽり包まれる感触が安心する。


 椅子に座り、今日はドンナの煮込み料理が出てきた。

 神に感謝をして、ドンナの肉を掬うとぷるぷるしていた。これは柔らかいぞと食べてみると、肉の旨みと汁が合わさって体にいい感じがした。肌が若返りそうな味だ。

 美味しかったのだろう、ノアが給餌してくれる。私もお返しする。美味しさを分け合うのって嬉しい。


 食後にプラムが出て来た。完熟してるから、美味しい。お母様方が「これが新しい果物ね」と食べている。


 食事が終わり、ノアと手を繋いで部屋に帰る。最近ノアと念話しないな、と思い信頼してくれているみたいで嬉しくなった。前は不安で仕方ないみたいだったから。


 今日は寝室まで一直線だ。着替えてベッドに上がると、後ろから抱きしめられた。これもすっぽりしていい。すっかり大きくなったお腹を撫でられる。

 お腹に入っている君は、獣人かな人族かな?ちょっと気になる。でもお楽しみにするんだー。


 ノアが満足したらおやすみ。昨日一緒に寝られなかったからか、手をぎゅっと繋いでくる。

 私は逃げないよ。一緒にいるよ。おやすみノア。




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