表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
84/195

魔物パラダイス

 今日は隣村に行商だ。

 村の入り口でインビジブルを解いて村に入って行く。村人に村長の場所を聞く。村長宅に行けば、初老の女の人が出た来た。女だてらに村長をしているようだ。

 「もう、息子に譲ってもいいんだけどねー」と元気に言っていた。行商人をしていると言えば、お腹を見て「あんたも大変だね」と慰めるように言ってくれる。大きな誤解をしているみたいだが。


 村の広い場所を借りて商品を出す。ビッグウルフの肉を見つけた主婦が大量買いした事でチラホラ来ていた男女の目が変わった。安い事でさらに喜ばれて完売した。私的には不要在庫が消えて良かったが。

 治癒目当ての人も来てくれて、痛めた場所や病気を治して行った。中古のベッドも売れた。

 中古ベッド多いんだよね。王都近くの村の人がまだ使えるベッドを新しくしてくれたから。


 ベッドの配達が終わって帰ろうとしていた所、村長が来て「あんたビッグウルフの肉持ってたんだって?他の肉はもう無いかい?」と聞いてきたので、優しい村長さんだからいいかと思い「高い肉ならあります」と伝えた。

 「欲しい」と言うので、100マル金貨1枚と言った。村長は悩んでいたが、孫娘の祝いに買う事にしたようだ。

 お祝いなら安くしないと、と半額にしたら、1ラル買うと言ったので、お金をもらい、肉と果物を渡した。

 なんか、親近感が湧いてしまったのだ。村長は大袈裟に喜んでくれた。


「肉はたぶん一生に一度くらいしか食べられない肉だから、シンプルにステーキにして食べた方がいいですよ」


 と伝えれば、何の肉か気になったみたいなので「ドラゴン肉ですよ」と言った。

 驚きすぎたみたいで、肉を放り投げそうになっていたが、そのあと大事に持って「いいのかい?」と聞いてきたので「お祝いですよ」とお別れを言って村から出た。



 お昼に屋敷で昼食を食べて、女の村長さんに出会ったと話せば、お父様が「そこは良い村だな」と感心していた。

 女性1人で村長が出来るわけがないので、村人が協力してくれているんだろうとの事だ。

 確かに良い村長さんだった。ビッグウルフの肉争奪戦には驚いたが、争いにはならなかった。

 良い所に行ったんだなと思えば別れてきたのが惜しくなった。欲張りだな私。



 食事が終わりノアとハグしてお別れしてから、瞬間移動で村の近くにでた。

 良い村人に良いことをしようと、村周辺の魔物を探知すれば、光る沢山の光点。

 これはまずいと一つずつ見ていくと、小動物の魔物が沢山だったので、安心して見回りすれば、大きな家ほどのイノシシが集団でいたので鑑定すれば、ビッグボアと名前が出た。

 雑食らしいので危ないと思い全頭水魔法で窒息死させた。

 また沢山お肉が手に入った。すべてアイテムボックスにしまい、一度屋敷に帰ることにした。



 料理長にビッグボアの肉はどうかと聞けば「普通に美味しいですよ」と言われたので厨房にまるまる1頭くらいお裾分けした。

 「普通はこんなに持って帰れないから貴重なんですよ!」と叫ばれた。

 「屋敷のみんなも食べてね」と言えば、他の料理人から歓声が上がった。美味しい肉なのね。



 自宅に帰りキッチンに顔を出す。キッチンの人がみんないたので「お肉の配達に来ましたー」と声を掛ける。

 何だ何だと集まってきたので、ビッグボアのお肉どこに出せばいいか聞くと、ダンテが「机の上に置いて下さい」と言うので、机の上に山盛り出した。

 みんな驚いていた。

 ダンテだけは達観した顔で「ありがたくいただきます」と言ってくれた。



 喜ばれるって良い事したなぁー。と思いながら、王宮の厨房に行けば喜ばれるんじゃね?と思い、王宮の門の前に瞬間移動した。

 門番が構えそうになっていたけど、顔見知りになっていたので「厨房に用事がある」と言えば通してくれた。

 マップでチェックした厨房に行けば、覚えてくれていたみたいで「この間は肉をありがとうございました」と言われた。いえいえと照れれば、今日はどうなさいましたか?と聞かれたので、ビッグボアを討伐したのでお裾分けに来ましたと言えば構えられた。

 厨房にマジックバッグが無いのかと聞くと無いと言われた。

 マジックバッグ特大をプレゼントして、お肉を中に入れるのを手伝って下さいと言えば、バッグを固定してくれた。

 ビッグボアの肉をぼんぼん放り込んでいたら「もう大丈夫です!」と肉の向こうから叫ばれた。そう?と思い、肉を入れるのを止めればほっとした顔をされた。何故だ。みんなで食べてねと厨房を後にした。 

 門番くんに飴ちゃんをプレゼントして、瞬間移動で王都屋敷に行った。


 門番のエリックさんがいたので、挨拶すると中に入れてくれた。屋敷の中に入れば執事のコナーさんがいたので「ビッグボアの肉を届けに来ました」と言えば不思議そうな雰囲気を感じたが、厨房まで案内してくれた。

 王宮の厨房でマジックバッグを使って無かったから、多分無いだろうとマジックバッグ特大を準備して厨房に入った。


 はじめましての料理長さんと挨拶してマジックバッグの入り口を固定してもらって、ビッグボアの肉をアイテムボックスから入れていく。

 どんどん入れると、料理長さんの悲鳴が聞こえたので「もう要らない?」と聞けば頷かれた。

 じゃあ私帰るんでと料理長とコナーさんに挨拶して、瞬間移動で村の近くに移動した。



 インビジブルを掛けて飛行魔法で飛んで行くと、なんかラクダの大軍を見た気がしたので、バックして生き物を鑑定してみる。


 ーパルオザー

 草原地帯にいる魔物。比較的温厚だが、外敵がいる時は強い脚力と、足についている鋭い爪で敵を倒す。

大軍である場合はパニックになる恐れがあるので要注意。肉は珍味。



 う〜ん、パニックになると危ないのか、普段は温厚ならそれでいいんじゃね?

 いや、比較的って書いてある。何と比較してるんだろう?普通の魔物?ってことは、やっぱり凶暴?

 この領地、魔物の対策が全然されてない。くそ領主だな。犯罪者いるし。

 よし!全滅させよう。子供はやめといて。だってかわいいんだもん。


 パルオザの上に飛んで行って、後ろの列から顔を水没させていく。20頭くらいやった所で気付かれた。

 パニックになってる?やばいやばい、急がないと。

 あっ!10頭くらい逃げられた。子供が後を付いて行ってるからいいか。

 戦果は26頭。すべてアイテムボックスに仕舞う。これで脅威にはならんでしょ。

 いや、大人10頭残したのは不味かったかもしれない。でも奥に逃げて行ったし大丈夫でしょ。



 楽観的に考えて飛んでいく。常に魔物を探知する。大きい反応ある〜。どうしよう、見に行くだけ。


 やばいでしょ!あれやばいから!何で村が近いのにいるの!ここの領主しんじらんねぇ!

 鑑定!


 ーヒュドラー

 多頭のドラゴン。首を切り落としても生えてくる。魔法を使うので注意が必要。とっても美味しい。



 とっても美味しいのか〜。頭だけ沢山取ったらお肉いっぱいじゃない?血に耐えられるのか私!この前の村でスプラッター見ちゃったからな。少し気分が悪くなるだけだ。食欲にはかえられん!いざ!勝負!


 結界を沢山張ってー、風魔法で首を根本から切る!いっけー!首4本くらい切れた!

 血は離れてるから、あんまりグロく無いな。

 首が生えてきた。もう一度風魔法で、次は3本か〜、世知辛い。生えて来た!もう一度、次は4本いったぞ。次は〜次は〜次は〜…………。







 首が生えてこなくなった……。ちょっと残念。でも山盛り首があるから、当分大丈夫だね。大きさもそこそこ大きかったから、美味しいだろうし。

 全部アイテムボックスに入れよう。


 あ、本体と首がなくなったら血の海だ。血だけアイテムボックスにはいるかな?入った!後片付けも楽だね!折れた木もしまって、これでよし!


 村に行こう。


 村に着きたら夕暮れ時だった。行商するのは明日にしよ。



 瞬間移動でカーマインの屋敷に帰る。

 首を1つ解体して〜。厨房に行く。


「料理長!ヒュドラ取ってきたんだけど、夕食もう作っちゃった?」


「作りましたよ!貴方が持ってきたビッグボアで!何ですか!ヒュドラって!」


「今行ってる所ね、領主が魔物の間引きを全然してないの。魔物のオンパレードだよ。パルオザって魔物も狩ってきた。珍味なんだってー」


「パルオザなんて珍しいものを!超珍味ですよ!マジックバッグに入れて下さい!」


 パルオザも1匹解体して、料理人さんに手伝ってもらって、厨房のマジックバッグに入れていく。ヒュドラもね。ちょっとお疲れな料理長にお別れして、食堂で待ちますか。



 お母様方と子供達と待っていたら、男性陣が帰って来た。ノアにハグする。


「カヨ、君から血の匂いがするんだけど、危ない事してないよね?」


「危ない事してないよ!村の近くにいた魔物を倒しただけ」


「それが危ない事なんだよ。もっと身体を大事にして?心配だよ」


「大丈夫だよ、今日もドラゴン狩ったんだ。あ!今日の食事はビッグボアらしいけど。私が狩ったんだよ」


「……」


 何か無言で、ノアに強く抱きしめられた。嬉しいから私も抱きしめ返そう。ぎゅっとね。あっ!クリーンしないと。


 お父様に怒られるまで、抱きしめられた。


 ビッグボアは柔らかい豚肉みたいだった。あの巨体から想像出来ないよね!もちろん、ノアに給餌してもらったよ。私もね。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ