領都カリオンへ
車の時計で30分前位から農場や酪農しているところが見えて来た。カリオン到着までかなり近いんじゃないだろうか。
「カルロスさん、カリオンまでかなり近いんじゃないでしょうか?まだ先でしょうか?」
「初めて来た所だからわからんのだよ」
そうか、初めての所だから……ヤバい普通に忘れてた。私マップ機能があった。マップで見るとかなり近い、車であと20〜30分て所だ。ここらでいったん休憩をしよう。車をゆっくり停めた。
「カルロスさん、モニカさんこの辺で一度休憩しましょう」
「ああ分かった」
みんなが下りるのを補助して、車をアイテムボックスに収納。異空間住居の扉を出して開く。
「皆さんどうぞー」
2回目となれば慣れたもので、みんな普通に家に入って行く。
馬はどうかね、木皿に水がない魔法で新しく入れておく。
さて私も休憩ー。家に入ってみんなはトイレか、リビングでおやつ出そうかな。
地球通販でコップとフォークを人数分買う。ショートケーキをみんなに食べてもらおう。
飲み物は乳製飲料でいいかな。それとも紅茶かな?
好きなの飲んでもらおう。
あっ、みんな来た!机の上に興味津々だねぇ。
「皆さん座って下さい。休憩のお菓子ですよ!食べましょう!ドリンクは自分で好きな方入れて下さい」
ミーチェちゃんが甘い匂いに興奮している。嗅覚いいな。
モニカさんが慌てて手づかみしないように止めている。フォークに挿してあーんしている。食べてまた大興奮だ。モニカさん頑張れ!
私も自分の食べよう。んー美味しい1人の時は買ってまで食べようと思わなかったけど、誰かと一緒に食べると美味しい。幸せしてるって感じ。1日遅いけどバースデーケーキ!なんちゃって。
トイレに行ってソファーでくつろいで、また出発!
次は馬も連れてくよ。車はお休み。
みんなで外に出て、扉を閉めて。飛行魔法で行こう!
不安だからちょっと実験。モニカさんと手を繋いで、飛行魔法。飛べたねミーチェちゃんとも手を繋いで、飛べた。モニカさんとカルロスさんに手を繋いでもらってカルロスさんが飛べない。んー……カルロスさんに付与魔法してみるか。
創造・付与魔法!
「カルロスさん、カルロスさんに飛行魔法を付与、覚えてもらいたいんですが、いいですか?スキル着いちゃうんですけど……」
「えっ!そんな!付与して貰えるんですか?!」
「カルロスさんが良ければ」
「お願いします!私は大丈夫です!」
集中して、大丈夫スキルの使い方は創造した段階で分かってる。やれる。
「飛行魔法をカルロスさんに付与!」
私の手から抜け出たものがカルロスさんにヤキつく。
多分胸が熱くなったんだろう、ちょっと苦しそう。
モニカさんが心配してスポドリ渡してる。まぁ大丈夫そうかな?
「どうですか?カルロスさん?大丈夫ですか?」
「大丈夫です。ちょっと心構えが出来て居ませんでした」
「飛行魔法の使い方は分かると思うのですが……」
「大丈夫です、分かります」
「少し練習しましょうか」
カルロスさんが飛んで跳ねて着地して、くるくる飛んでる、うん大丈夫みたい。
「駆け足くらいの速度で進みますが、無理そうなら言って下さい。カルロスさんには馬の手綱をお願いしたいです」
「分かりました!飛行魔法楽しいですね!」
「ははっ、よかったです」
カルロスさんが無邪気でかわいい。思わず笑ってしまった。
モニカさんは左手、ミーチェちゃんは右手。今度こそ出発しよう。
「皆さん飛びますよ!!」
フワッと横並びに飛んでいくモニカさんは感動した様な顔して、ミーチェちゃんはご機嫌さんでちょっとばたばたして。カルロスさんに馬もついてくる。
人が見えるまでは飛んで行こう。人か馬車がみえたら、モニカさんとミーチェちゃんで馬に乗って、カルロスさんと私は歩いて行こう。
結構飛んで、話す余裕ができた頃に農家の荷馬車が見えた。話しておいたとおりに、飛ぶのをやめてモニカさんとミーチェちゃんは馬、カルロスさんと私は歩き。馬の手綱はカルロスさん。
マップで見てもそんなに歩かないで着きそう。そう思いながら前を見て大きい壁が見えた。
もしかしてこれがカリオン?壁がずっと続いている。
4人で思わず感嘆の声がもれた。




