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異空間住居

 やっとダイニングにご案内。

 机と椅子は広いから8人くらい座れる。


 「座って座って」と言うとミーチェちゃんを挟んで3人座った。アイテムボックスから買った夕食を並べていく。ミーチェちゃんは、さっきのアイスで味をしめたのか目の前のお子様ランチに目が釘付けだ。可愛いから笑っちゃう。


「おかわりしたかったら言って下さいね。食べてもらっていいですよ」


 夫妻が手を組んでお祈りした。私もこちらの世界の人間になったのだ見習わないと。お祈りを教えて下さーい。


 教えてもらったら、堅苦しい物じゃなくって、「神様に感謝を」と言っていただけだった。


 私もやってみる


「神様に感謝を」


 手からパッとキラキラした物が吹き出して散っていく。信仰の光かな、異世界って不思議。


 晩御飯をうまうま食べていたら、夫妻が控えめにおかわり。やっぱり死んだから栄養が足りないのかな?

 シチューとパンそれと唐揚げを出してあげた。

 夫妻は全部ペロリと食べてしまった。デザートのプリンをだしたら、思わずと言うふうに声を出していた。

 美味いは万国共通だね。


 私は2階で寝るから、さっきの部屋で寝てねと言い引き上げた。


 全身にクリーンをかけてパジャマに着替えてと思ったところで、ないことに気がつく。

 そうかないんだ身ひとつできたから。


 ベットに腰掛けて地球通販。パジャマに歯ブラシ歯磨き粉。健康的な身体はもらったけど一応ね。あとは髪をとかすブラシに髪留め、髪が腰くらいまで長いのさ。タオルも5枚ほど、食事も買いだめしようかな。

 コンビニおにぎりが美味しいから沢山とサンドイッチも沢山、飲み物はお茶と紅茶とスポーツドリンク、病気で飲めなかったコーヒーも買っちゃおう。


 あとは明日の朝食は、グラノーラにしよう色々栄養取れるし、てことはミルクも買わないと5リットルくらいでいいかな。デザートはヨーグルト、蜂蜜入りにしたいから蜂蜜も買い物カゴへ。

 買ったものを整理して、あー今日は疲れた。


 買ったパジャマに着替えておやすみなさーい。









 翌朝、昨日は早く寝たから朝靄が出ている時間に起きた。 

 身だしなみを整えて、歯ブラシ持って1階に行くとカルロス一家が椅子に座って待っていた。これにはびっくり。


「おはようございます!昨日寝れなかったですか?」


「おはようございます。いや、いつもこのくらいに起きてたので、くせですね。昨日はよく眠れましたよ」


「歯磨きは?」


「旅に出てからは塩も水も貴重でしたから」


 カヨは昨夜の地球通販の副歴から歯ブラシを3本、買うついでに歯磨き粉も。


「カルロスさん達こっちに来てください、一緒に歯磨きしましょう」


 カルロス一家を引き連れ洗面所へ。歯磨きの仕方を教えていく。水道の使い方も知らなかったので1人づつ。最後に昨夜買ってあったタオルを1人1枚渡し、顔も洗う。


「今渡した物は差し上げます。モニカさんには櫛も髪の毛とかして下さいね。足りない物は言って下さい。準備しますので」


 あとは全員にクリーン。


 リビングへ場所を移して朝食。グラノーラを食べる食器を買い忘れていたので購入。みんなに好きなだけお皿に入れてと言って自分の皿にも盛る。その上から牛乳をかけて少ししんなりしてから食べる。


「んっ!おいし」


 その様子を見たカルロス一家も真似をして食べる。


 色とりどりの雑穀が入ったグラノーラと牛乳を一緒に口の中に入れた感じが初めて食べるにも関わらず何とも美味しい。カルロス一家は昨夜同様今朝もおかわりして食べていた。

 カルロスは昨日の自分では信じられない程の幸福を感じていることに気付く。妻子が笑顔でお腹いっぱい食事を食べられる。なんと幸せな事か。

 昨夜も一生縁がない様な巨大なベッドで親子3人ゆっくり休息が取れた。ありがたいことだ。本当なら子供1人残して、いやもしかしたらミーチェも熊の魔の手にかかっていたかもしれない。最悪の未来を回避出来た幸運、改めて感じる幸せ、このままずっと続いて欲しいと願いながらデザートのヨーグルトに手をかけた。



 カヨは出掛ける準備をして、カルロス一家の部屋をノックする。「はい」と寝室から出て来たみんな準備万端だ。

 カルロス一家の荷物をアイテムボックスにしまい、みんなにスポーツドリンクを渡す。初めてみる形のドリンクにクエスチョンな一家。上の蓋を回して外してみるとみんな続いて回し取る。ミーチェちゃんだけはまだ小さいから出来なくても仕方ない。「好きな時に飲んで下さい」と渡す。みんなカバンにしまい込む。


 玄関から外に出ると昨日使った木皿に魔法で水を入れてやる。馬がきて一気に全部飲んでしまった。おかわりをいれると落ち着いたようだ、この庭は芝生が茂っているから食事は大丈夫だろう。

 カルロスさんが手綱をつけようとするが止めて、今日は馬を使わないで行くと説明する。

 カルロス一家は不安そうであるが、心配ない。


 扉を少し開けて魔物がいない事を確認すると、一家に出て来てもらう。


 歩いて道まで出ると、カヨは地球通販を開く。前世で使用していた物を見つけて満足げに購入ボタンを押す。


 すると目の前には軽自動車が止まっている状態で現れた。またもカルロス一家ビビりである。

 乗る場所・席順だがもう決まっている子供とお世話するお母さんが後部座席だ。必然的にお父さんは助手席。ベルトを付けるのをサポートして、いざ運転席へ。

 以前と身長が変わってないので、ほとんど調整は要らない。最後に車全体に結界をかける。


「出発しますよー」


 エンジンを掛けてガソリンが満タンな事に満足してカヨはアクセルを踏む。車の中からカルロスさんとモニカさんの押し殺した悲鳴が上がった。


 少し地面がぽこぽこしているけど、ゆっくりなら大丈夫。

 カルロスさんが窮屈そうだけど、歩きよりマシだと思ってもらおう。


 昨日から馬車はカルロスさん一家しか見ない。歩きの人も居ないし、この道は余り使われていないのだろうか?

 聞いてみるとそうらしい。ちょっとした裏道だったのだ。神の庭が見つかっていないのも納得。

 昨日は半分くらい飛んでいたから、今日も同じだけの道を進めばいい、このペースだと2時間位かな。

 少し窓を開けよう。車の臭いに慣れていない人は、キツイに違いない。


「カルロスさん達は、何処を目指してたんですか?」


「開拓村だ。街に住むのは無理だから、新しい村なら受け入れてくれると思ってな」


「そうですか。今は街に住む選択肢もありますよ?」


「そうだな、ミーチェの為にはその方がいいのかもしれないな」


「カルロスさん一般常識ってどれくらいあります?」


「私もモニカも村からでたことなかったからなぁ、常識もあやしいかもしれない、読み書きも簡単にしか分からないから」


「お金の価値はわかります?教えて欲しいんですが」


「小さいのだけな、大体銅貨一枚でパン1個っていわれてるな、その下に鉄貨10枚で銅貨1枚、銅貨10枚で銀貨1枚、銀貨10枚で金貨1枚だ、このあとはなんだっけなぁ」


「大体分かりましたありがとうございます。次の街は何て名前何ですか?」


「カヨさんはいい所の娘さんだったんじゃないのかい?何だか別の大陸からやってきたみたいだなぁ。

次の街は領都カリオンて名前さ」


「領都カリオンですか。わたしはいい所の、金持ちでは無かったですねぇ。普通より少し貧乏なくらいでした。カルロスさんとモニカさんは何歳何ですか?」


「わたしは22歳でモニカは21歳だよ。カヨさんは?」


「私は19歳です。昨日が誕生日だったんですよ」


「昨日か!悪い事したなあ……」


 昨日は7月の火の2週目だったらしい。この世界は12ヶ月で1月30日6週の1週間は水土風空火の5日らしい。


 この国はティニース王国と言う名前で、王国はとても広いらしい。大陸の5割はティニース王国で、温暖な気候で過ごしやすいみたいだ。王族も悪い噂は聞かないとの事。権力には近づかないで欲しいな。怖いし。


 カリオンは王国の直轄地に含まれているそうで、その影響で景気のいい街らしい。

 おさめているのは代官だが、国の兵士が警備しているので治安も良いらしい。

 唯一の欠点は内陸だということ。まぁ塩が高いらしい。そのかわり砂糖は安いみたい。

 何処でもいい事ばかりではないってことか。




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