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ノアと王都に到着

 翌朝、食堂でお兄様に今日、王都に着くと話す。お兄様が「それならノアも一緒に行けばいい」と言った。

 屋敷の場所と瞬間移動扉を付ける部屋を案内するように、ノアに言っている。ノアは満面の笑みで引き受けていた。

 あら?もしかして私たち王都でデート?顔が熱くなって来た。


 朝食が食べ終わって、私が旅装で行こうとしたら、ノアが選んだ服を着てと言われて着替えた。ノアは仕事に行く時の格好だ。


 ノアと手を繋いでインビジブルを2人掛けて、瞬間移動で昨日の村の近くに出る。飛行魔法を使ってノアと空を飛ぶ。


『ノア大丈夫?』


『カヨ!なんて凄い魔法だ!君の姿が見えないのは残念だが、空を飛ぶなんて楽しい!』


『良かった。王都近くまで飛ぶからね』


『わかった』


 ノアと手を繋いで飛んで、馬車を何台もぬかしていく。ノアの機嫌は良さそうだ。子供達とお母様方とは空を飛んで遊んでいるが、ノアは初めてだったかもしれない。

 道が大分切り開かれている。こんなに大きい街道は初めてだ。


 馬車が多くなって来たので、下に降りる。馬車影でインビジブルを解く。自動車を出そうとして、ノアの鼻にガソリンの匂いは良くないと思い創造魔法で魔道具に変えることにした。

 アイテムボックスから自動車を出して、創造魔法で魔道具になるように魔力で車を覆い、創造する。

 魔石が車の中に付いていて、自動で結界を展開してくれる。ノアが座る助手席をめいいっぱい広げて、ノアに乗るように促す。私は運転席だ。ノアにシートベルトを付けてあげて発進!街道をゆっくり走っていく。

 ノアは車も初めてだったので、嬉しそうにしていた。窓を開ける。風に吹かれて楽しそうだ。王都の門前に来た。


「カヨ、左の門に行って、兄様から貰った身分証を門番に見せて」


 ノアに言われた通りに左の門に行き、止められた所で車を止めて、アイテムボックスから身分証を取り出して、車の窓を開ける。


「どなたが身分証をお持ちですか?」


「これでいいですか?」


「少々お待ちください」


 他の門番に見せている。あ、戻ってきた。


「カーマイン様の身分証、拝見しました。中へどうぞ」


「ありがとうございます」


 私は車を動かした。エンジンの音がしないから変な感じ。


「ここは貴族だけの門?」


「そうだね、あと王族も」


「ノアのお屋敷は遠い?」


「ここからだと、かなり遠いね。このまま進んでいこう。私が道案内するから」


 了解っと。

 王都は想像したよりかなり大きかった。東京の山手線ぐらいあるんじゃない?これが国力か。すごいな、壁がずっと続いているんだからさ。魔法の力もあるんだろうけど。庶民の店から高級店になってきた。建物がキレイに並んでる。ひゃーお金は持ってるけど、感覚が庶民だからな。ちょっとひいちゃう。

 ずっと気にしないようにしてきたけど、この車めっちゃ見られてる。わかるけどね。馬と馬車の世界で車は異質だって。しかも青空色だから余計に目立つよね。何でこんな色にしたって?前世で使ってたのとまったく同じだから安心するんだよ。


「ノア、また門みたいなのが見えてきたけど、あの中は?」


「貴族街だね。貴族が発行した身分証がなければ通行出来ないよ。やっぱり王族は別だけどね」


 また門番に止まれをされた所で止まり、身分証を見せる。


「カーマイン様、どうぞお通り下さい」


「ありがとうございます」


 ちょっと高速の料金所を思い出してしまった。母が障害者だったから高速の料金が安くなったんだよね。ここじゃお金取られないけど。

 貴族街に入ると大きな屋敷があるわあるわ、びっくりだよ。ノアのナビに従っていく。


「カーマイン家って爵位はどうなってるの?」


「家はちょっと特殊なんだよね。一応公爵なんだけど。獣人て鼻が効くじゃない?それを見込まれて王宮警備に民から人を出さなきゃ行けないんだ。希望者が行くけど、番いが見つかっている人ばかりだね」


「公爵の上は?」


「王族だね」


「公爵の下は?」


「辺境伯だね」


 私、知らず知らずのうちに凄い所にお嫁に来たみたいでふ。あっ噛んじゃった。

 何か王宮?がめっちゃ近くなって来たんだけど。


「ノア、このまま進んでいいの?王宮?めっちゃ近いんだけど……」


「何かあった時の為にね公爵で城を囲んでるんだ。だから大丈夫」


 何が大丈夫なんですかね〜。緊張するよ。


「そこの角で右側に入って、左に門が出て来たらカーマインの屋敷だから」


 右に曲がって、左に門。……門出てきませんけど。あった!門番さん獣人だ!獣人親しみある〜。私だけかもしれないけど。

 門番さんの前で車を止めたら、ノアが降りたそうにしているからベルトを外してあげる。鍵も外して。ノア〜!バタンバタンドアを動かしてたら鍵が開かないでしょー。ノアに乗り上げるようにしてドアを開ける。そこで私を抱きしめなくてもいいから。


 ドアを開けてノアが門番さんの所へ行った。私はびみょーに疲れたよ。見ているとなんか抱擁してる。仲良しなのかな。あっ、こっち来いってしてる。

 車から降りて、アイテムボックスにしまって歩いていく。


「彼女がカヨ。私の最愛のお嫁さんだよ」


「カヨです。はじめまして」


 肩から抱き込まれて、かろうじて挨拶する。


「ははっ、はじめまして奥方。私はエリックです。よろしくお願いします」


「門番のダニエルです。よろしくお願いします。カヨ様」


「はい!よろしくお願いします」


「それでは中へどうぞ」


「ありがとうございます」


「行こう、カヨ」


「ノアの知り合いだったの?」


「王都にいる獣人はみんな知り合いさ。王宮に勤めている獣人もこの屋敷が帰ってくる家になるからね」


「へー、社員寮も兼ねているんだ」


「しゃいんりょう?」


「勤めている人が帰って来る場所の事」


 屋敷に続く道を歩く。屋敷は横に長い建物だ。3階まである。前庭は綺麗にしてある。木も埋まってるし、花もある。それにしても、いつまで肩を抱かれて歩くんだろ。門から声でも聞こえたのかな?玄関の扉を開けて待ってくれているおじ様がいる。


「コナー、久しぶりだな。元気だったか?」


「お坊ちゃまも久しぶりでございます。奥方ですかな?おめでとうございます。私、コナーと申します。どうぞよろしくお願いします」


「ああ、ありがとう。カヨと言うんだ。良くしてやってくれ」


「はじめまして、カヨです」


「お坊ちゃまの番いは人族でございましたか。長うございましたなぁ」


「そうだね。見つけた時は歓喜したよ」


 背後からセクハラ事件だよ。獣人になるといい話しになっちゃう不思議。


「さあ、中に入ってお休み下さい」


「ありがとう」


 応接間かな?ソファだからノアが近い。


「ノア、近いよ。離れて」


「何故?屋敷ではそんな事言わないよね?」


「はじめましての人がいっぱいいるから駄目だよ」


「大丈夫ですよ、カヨ様。獣人は慣れておりますので」


「ほら、コナーも言ってるじゃないか。いつもと同じで大丈夫だから安心して」


 何に安心しろとー!羞恥心が人族と獣人が違う〜!もおー!もおー!


 静かにお茶を飲む。ノアとコナーさんが親しそうに話しをしている。王都と領地、遠い感じがしたけど結構、交流あるんだ。そういや、お母様方が社交がどうの言ってた気がする。あ、このクッキーおいしい。


 一服した後で、本件に戻ります。ノアが不満そうにしてても無視です。部屋に案内して!ノア!


 ノアに案内してもらう。誰も使っていない部屋。ホコリはないけれど。アイテムボックスから瞬間移動扉を出す。壁にセットして、扉を開ける。左右両扉ね。

 ノアの髪を2本貰って扉のポケットに入れる。これでノアも通れる。


「ノア昼食はどっちで食べる?領地?王都?」


「コナーが準備してくれてるだろうから王都だね」


「じゃあ、領地の厨房にお昼いらないって言ってこなきゃ」


「大丈夫さ。兄様が采配してくれてるさ」


「それじゃあ昼食を食べたらお兄様に報告に行くからね」


「そんなに急がなくても」


「お兄様は心待ちにしてるはずです!ノアの部屋を紹介してよ。私の部屋にもなるんでしょ?」


「ああ、行こう!」


 王都の部屋の方が豪華だった。お金の無駄遣いじゃー。


「ここにカヨの匂いがつくなんて夢みたいだ」


 ちょっと変態発言やめてもらえます?全面クリーンしちゃうぞ。


「さあ、カヨこっちにおいで」


 何ベッドの上から呼んでるんですかねぇ。匂い付けですか?匂い付け。耳ついてたら警戒してるネコみたいになってるかも。


「行かないよ」


 私はソファに座る。ノアは諦めてソファに来た。やめい!押し倒してこんといてんか〜!どんだけ匂い付けがしたいのよ。あ〜あ、いつも私が負けるんだ……。






 昼食、王都屋敷にて、ニコニコのノアと疲れた私。給餌されてもし返さないぞ。コナーさんが笑顔で面倒を見てくれる。


 食事が終わったら、領地のお兄様に会うんだ。私は足早に瞬間移動扉がある部屋に行く。扉をくぐり、食堂まで歩く。ちょうど、お父様とお兄様が出てくる所だった。


「お兄様!待って下さい!扉をセットしました。確認して下さい」


「やあ、待ってたよ。お父様も一緒にどうです?」


「何だ。企みごとか?お前の秘密を暴いてやるぞ」


 お兄様とお父様が笑いながら話している。私は元、来た道を戻って行く。瞬間移動扉をセットした部屋にはノアが居た。


「お兄様とお父様、髪を2本下さい」


 2人から髪を貰う。間違えないようにポケットに入れていく。


「もう、大丈夫ですよ。お通り下さい」


「お父様、私から行きますよ」


「何だか分からんがいいぞ」


 お兄様が扉をくぐる。何か納得されたようだ。お兄様がお父様を呼ぶ。お父様も扉をくぐられたので、私も王都の部屋に行く。ノアもついてきた。お父様が驚いた声を上げている。


「ここは王都の屋敷の部屋ではないか!?」


「そうです。カヨさんに頼んで扉をセットしてもらったんです」


「王家に対する反逆ではないか!?」


「お父様、王家も瞬間移動扉を20セットお持ちになられております」


「なに!?そうなのか?」


「はい。私が販売いたしました」


「大丈夫ですよ、お父様。考えすぎです。瞬間移動扉をつけたといって何が出来ると言うんです。平和に使えば良いのですよ」


「うむ……そうか」


「これで王都との行き来が大分、楽になったね。カヨさんありがとう」


「いいえ、喜んでもらえただけで充分です」


「ノアは良い伴侶を得たね」


「はい、兄様。私の大切な人です」


 お父様とお兄様がお帰りになった。私はノアと手を繋ぎ、部屋を出る。


「仕事も終わったし、ノア!王都を案内してよ」


 ノアが手をぎゅっとしてきた。


「いいよ、デートしよう」


 ノアもデートだと思ってくれるんだ。嬉しいな。




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