制約魔法
旦那さん・カルロスさんとも自己紹介し、私の考えをカルロス一家に話してみる。
「私の能力はちょっと特殊なので、制約魔法で誰にも話せない様にしないと困るんですが、制約魔法さえ受けてくれれば、今後の生活に困らないようにさせて頂きます。壊れてしまった馬車の代わりに荷物も運びますし。」
カルロスさん一家は困った様子だ、起きていきなり小娘にこんな事言われても困るだろう。でももう日が暮れそうだしどうしたものか。
「正直に話すと、いい条件すぎて困惑している。私たち一家を奴隷にしたいのかとも考えてしまうんだ。善意で言ってくれているならすまない」
「では制約魔法前にあなた方にしている秘密を話します。それを前提に考えて下さい。後私はお金に困っておりません」
カバンから金貨を出して見せる。
「熊に襲撃されている時の生き残りはミーチェちゃんだけでした。後、馬も。カルロスさんは胸をモニカさんは背中に爪で抉られた痕があり、2人共死んでいました。」
ちょっと混乱したのかカルロスさんは自分とモニカさんの背中に裂かれた跡のある服を見ている。大きな傷があったのはわかった様だ。
「ポーションを使って治してくれたんじゃ、死んでいた?なら私たちは何故生きている?……」
「薬を使いました。神薬でアムリタといいます。身体から離れた魂を繋ぎとめ傷を癒します。私の勝手です。私は目の前にいる死人を受け止められなかった。代金の請求などはしません。安心して下さい」
カルロスさんモニカさんは少し呆けた後、土下座して来た。
「そんな大変貴重な薬を使っていただいて、申し訳ない。制約魔法でも何でも受けます。対価に出来るほどお金はありません。ですが、家族だけは……」
「私は代金の請求はしないと言いました。制約魔法は家族全員です」
カルロスさんとモニカさんは顔を見合わせる。
どちらともなく「制約魔法を受け入れます。よろしくお願いします」と言ってくれた。
私は創造魔法で制約魔法をつくり
「私カヨの秘密・魔法・能力を秘密にする事」
と制約魔法をかけた。
ひと段落着いたところで、カルロスさん一家の荷物をアイテムボックスにしまっていく。
この場所は血が流れているから、少し離れたい事をカルロスさんに伝え、馬にミーチェちゃんとモニカさんを乗せ少し歩く。
暗くなってきた、そうだ光魔法を創造しよう。
「光よ」
私たちの進む前方を照らし歩いていく。もとの場所から結構離れられたので森に数歩入る。
異空間住居を出してドアを開ける。
「カルロスさんモニカさんミーチェちゃん、お入り下さい。大丈夫ですよ、今日泊まる家に案内します。ちょっと待って下さいね。皆さんにクリーンします。はい、いいですよ入って下さい」
カルロスさん一家はビクビクしながら異空間に入っていった。
最後に扉を閉めて。みんなを家に案内する。
馬は家の外だ、モニカさんとミーチェちゃんに馬から降りてもらって庭に離してもらう。馬にクリーンを掛けて、水を器に入れてやる。
玄関扉を開き、靴を脱ぐ。みんなにも脱いでもらって1階に一部屋だけある寝室に一家の荷物を出す。
「カルロスさんとモニカさんは服を着替えて下さい。ミーチェちゃんは私と行こうね。ご飯の準備するから。準備出来たらまたきますね」
カルロスさんとモニカさんに挨拶してミーチェちゃんと手を繋ぎながら歩く。思ったよりすんなりミーチェちゃんがついて来てくれたので、ちょっと嬉しい。
人見知りしない子なのかな、泣いて元気が無い姿しか見てないから、心配してたけど子供は可愛いね。
リビングについて、足りない物に気が付いた。
ミーチェちゃんの座る子供椅子が無い。地球通販で買いだ。買ったばかりの椅子にミーチェちゃんを座らせて。また地球通販を開く、アイスクリームを検索してバニラアイスをカップで買う。それをミーチェちゃんに
「食べていいよ」
とスプーンと一緒に渡したら、冷たいのにビクッとして難しい顔をした。もう一度「食べていいよ」と言うと、食べ物と認識したのか、ちょびっとすくってぱくり。凄いびっくりしたのか
「おいしい!!」
と今度はたくさんすくって食べていた。
私は夕食を地球通販でさがしますかね。ご飯物で検索。今日はみんな疲れてるから簡単に食べれるものが良いな。ミーチェちゃんはお子様ランチ一択。
大人組は具沢山のシチューとたまご雑炊にした。和洋だけど関係ない。美味しければいいのだ。後は消化にいい物。だって今日カルロスさんとモニカさん死んでたからね。デザートはプリンにしよう。スプーンも買ってと。
よし、大人組を迎えに行こう。ミーチェちゃんもアイスを食べ終わったみたいだしね。
寝室をノックする。「はい」と扉が開く。2人に部屋から出てもらって、ベットの所まで行く。3人で寝るんじゃちょっとせまいね。
創造魔法でカスタマイズで横に広くした。これでよし!
夫妻は口をあけて見ていた。
カルロス一家を連れてトイレへ。使い方説明しないとね。
使用者はミーチェちゃん、モデルになってね。
蓋開けてミーチェちゃんを座らせてシー。紙で拭いてレバーを引いて流した後は手を洗う。
どうやら大人組もトイレしたかったらしい。
ミーチェちゃんと2人でちょっと待つ。ミーチェちゃんを高い高いしたら、きゃわきゃわ喜んでくれた。
ふむ、私力強くなってるな。追々、慣れねば。




